ケリーブルーテリアはアイルランドのケリー州原産のテリア犬種で、アイルランドの国犬に指定されています。
多方面で能力を発揮できる万能な犬として愛されていますが、アイルランド以外ではそれほど多くは飼育されていない希少犬種です。
今回の記事はケリーブルーテリアの基本情報である歴史や特徴、性格、寿命や病気、飼い方、しつけについてまとめました。
おすすめのドッグフードについて記載していますので、ぜひ最後まで読んでみて下さいね。
目次
ケリーブルーテリアの基本情報は?
歴史
ケリーブルーテリアが最初に文献に登場した年は1847年ですが、生存していたのはもう数世紀前からではないかと考えられています。
1913年に、ケリー群で普及していた黒みを帯びたブルーがかったテリアがショーに出陳、1920年には「ダブリン・ブルー・テリア・クラブ」が設立されたことで急速に人気が出ました。そのあともクラブが新しく設立されたり、フィールド・トライアルやショーが複数開催されたことで世界中で爆発的な人気を得ることとなりました。
出典:JKC「ケリーブルーテリア」
特徴
体高 44~50cm
体重 体重15〜18kg
被毛 シングルコート
被毛カラー ブルーグレー
ケリーブルーテリアは体高44~50cm、体重は15〜18kg前後の中型犬に分類されます。
見た目
全体的に角ばった筋肉質の体格で、琥珀色の瞳、豊富に生える顎ひげ、細長い顔、断尾され直立した尾が特徴的です。
被毛
柔らかくカールした羊毛状の被毛が密集して生えており、テリア犬種には珍しいシングルコートです。ケリーブルーテリアの名前の通り被毛カラーはブルーグレーです。生まれたときのブラックから、成犬になるにつけれ徐々にブルーになっていきます。
ケリーブルーテリアの性格は?
性格
クール
マイペース
警戒心が強い
好奇心旺盛
穏やかだが気が強い
ケリーブルーテリアはクールでマイペースな性格で、家族には愛情深く友好的で従順です。テリア特有の気の荒さや好奇心旺盛な性格でもありますが、改良されたことで比較的穏やかさのある犬種となっています。現在は家庭犬として愛されています。
警戒心が強い
家族以外の人になつきにくく警戒心が強いので、番犬に適している犬種といえます。一度慣れると途端に愛想がよくなり、熱烈に歓迎するような一面もありますよ。ナワバリ意識が強いので他の犬や小動物に攻撃的になってしまう傾向がありますが、きちんとしつけを行うことで子供や同居の小動物とも仲良くなれますよ。
ケリーブルーテリアの寿命や病気は?
寿命
12~15年
ケリーブルーテリアの平均寿命は12~15年ほどです。中型犬としては長寿な傾向にあります。食事や運動に気を付けることで、もっと長い時間を共に過ごせるかもしれませんね。
病気
眼疾患
小脳アビオトロフィー
ケリーブルーテリアが気をつけたい疾患は「眼疾患」「小脳アビオトロフィー」などです。
眼疾患
「白内障」「緑内障」「結膜炎」「瞼腱内反/外反」などの眼の疾患には気を付けましょう。日ごろから目の状態を確認するとともに、定期健診でもしっかり診てもらうようにしましょう。
小脳アビオトロフィー
「小脳アビオトロフィー」は、体の神経が少しずつ死んでいき全身の機能が衰えていく病気です。まれではありますが、ケリーブルーテリア独特の疾患です。原因は「ウイルス感染」や「脳内出血」などが考えられますが、はっきりわかっておらず治療法もありません。現在の医療では回復する見込みがない恐ろしい病気です。「歩くとふらつく」「体が震えている」という様子が見られたら、すぐに病院へ。
ケリーブルーテリアの飼い方は?
揃えておくもの
飼育スペース・ケージ
食器類・床材
首輪やリード・おもちゃ
ドッグフードとおやつ
トイレ用品
ケア用品
動物病院
ケリーブルーテリアとの生活をより快適なものにするために、「飼育スペース・ケージ」「食器類・床材」「首輪やリード・おもちゃ」「ドッグフードとおやつ」「トイレ用品」「ケア用品」「動物病院」などの生活用品や準備を揃えておきましょう。
飼育スペース・ケージ
快適に過ごせるスペースを確保します。サークルは十分な広さを確保できるもので、犬用のベッドやケージ・クレートを用意しましょう。クレートとは箱状の家のようなものであり、犬にとって寝床となったり安心できるものになります。移動するときにも使え、病院へ連れて行くときや災害による避難の際にも活躍します。
食器類・床材
ご飯を食べる時に必要な食器を用意しましょう。水のみ用のボウルとフードのためのボウルを別々に準備してあげてください。食器類を選ぶ際は「耐久性はあるか」「滑りにくくないか」「大きさは適切か」といったことを目安に探してみてください。床材についてはすべりにくい材質のものを選び、思わぬ転倒を防ぐために用意しておくと良いでしょう。フローリングの床で滑って関節を痛めないよう、すべりづらいカーペットを敷くなどの対策をしてあげてくださいね。
首輪やリード・おもちゃ
散歩や運動をするときのために、首輪やリード・ハーネスを準備しましょう。遊ぶためのおもちゃや知育玩具なども用意しておくと、遊びを通して良好な関係性を築くことができますよ。
ドッグフードとおやつ
健康管理のため、年齢に適した高品質の犬用のドッグフードを用意しましょう。初めて犬を飼育する方は、水と餌だけで栄養が賄える「総合栄養食」と書かれたドッグフードを用意するといいですね。飼育に応じて適切な量を与えるようにしてください。絶対に必要というわけではないですが、おやつも同時に用意しておくといいですね。しつけトレーニングの際に「ご褒美」として利用できますよ。
トイレ用品
屋内で飼育する際は、排泄物を処理するための犬用のトイレトレーを用意します。また、トイレトレーニングのために新聞紙やトレーニングパッドも役立ちますので、一緒に揃えておくといいですね。
ケア用品
健康と衛生を保つために、犬用のシャンプーやブラシ、爪切り、歯磨きセットなどのケア用品を用意します。
動物病院
何かあった際や健康管理のために、かかりつけの動物病院も見つけておくと安心です。獣医師の診察や予防接種、必要な薬やサプリメントなどを考慮し予算を立てておくのもいいですね。
お手入れ
被毛ケア
シャンプー
耳掃除
歯磨き
爪切り
ケリーブルーテリアとの生活をする上で、日々のお手入れは大切です。「被毛ケア」「シャンプー」「耳掃除」「歯磨き」「爪切り」などを取り入れて清潔を保つようにしましょう。
被毛ケア
被毛の手入れは1日おきにブラッシング、1週間に2回程度のコーミング、毎月1回程度のトリミングが必要です。柔らかくカールした被毛なので、抜けても他の毛に巻き付いてしまいます。ピンブラシやクシなどで取り除いてあげてください。
シャンプー
適切な犬用シャンプーを使用し、毛並みや肌に合わせた温度のお湯で洗います。シャンプーは月に1回程度を目安に取り入れましょう。頻度は個体や被毛の状態により異なるため、獣医師のアドバイスを参考にするようにしてください。
耳掃除
耳は定期的にチェックしましょう。見える範囲でいいので耳専用のクリーナーを使用して掃除をしてあげてください。「耳垢が増えた」「悪臭がする」といった普段と違う様子の場合は病院で見てもらいましょう。
歯磨き
犬の歯の健康は全体的な健康にも関わるため、定期的な歯磨きが必要になります。犬用の歯ブラシや、歯垢・歯石を取り除いてあげてください。歯ブラシが苦手な方は、歯磨き用のおもちゃやパウダー状の食事に混ぜるケア用品も販売されていますので、ぜひ取り入れてみてくださいね。
爪切り
犬の爪は適度な長さに保つ必要があります。必要に応じて爪切りを使用し、適切な長さに切り揃えましょう。
ケリーブルーテリアの散歩やしつけは?
散歩・運動
ケリーブルーテリアは、精神的にも肉体的にも刺激になる運動が毎日必要です。散歩は1日2回30~60分程度行いましょう。この時、早歩きの速度を意識しましょう。
また、散歩に加えて安全な場所での自由運動もおすすめ。散歩を飼い主が怠ってしまうと愛犬にストレスが溜まり、攻撃的な性格になってしまいます。
散歩のときは本能的に小動物を追いかけたり他の犬とケンカになったりすることがあるので、リードは離さないでください。散歩を毎日行っていれば、家の中では行儀よく振舞ってくれますよ。
しつけ
ケリーブルーテリアは状況判断能力に優れている賢い犬ですが、頑固な面があるのでしつけにくい犬種といえます。
子犬の頃から遊びを通じてしっかりと信頼関係を築き、一貫したしつけを行うことが大切です。もともと気の強い性格なので、力で抑え込むようなしつけはやめてください。
信頼する飼い主を喜ばそうと一生懸命になる、かわいい一面があります。褒めてしつけてあげることで、愛犬の良い所を引き出してあげてくださいね。
社会化トレーニング
子犬の頃から、飼い主以外の人間や動物に触れ合う機会を作りましょう。様々な環境に慣れることで社会性が身に付き、穏やかに生活できるようになります。無駄に吠えたり、攻撃的になったりすることを予防できるようにもなりますよ。
ケリーブルーテリアにおすすめのドッグフードは?
総合栄養食と一般食
ドッグフードをメインで与えたい場合は、「総合栄養食」と表示されているドッグフードを選びましょう。これは水と一緒に与えるだけで、健康が維持できるドッグフードのことです。選ぶ際は原材料を必ず確認しましょう。主原料が「肉類」であることが望ましいですよ。
手作り食をメインで与えたい場合は、「一般食」と表示されているドッグフードがおすすめです。いわば「おかず」のようなものであり、トッピングとして利用することで手軽に栄養を追加することができます。
食事量
ドッグフードの裏面に記載されている量をあげるようにします。ただ、体重との換算表は、愛犬が「理想体型」であることを前提としているので、太っている子や痩せている子は量の調整が必要となります。
ごはんを食べない・・・どうすればいい?
ご飯を食べない場合はいくつかの理由があり、主に「好みの味ではない・食べにくい」「体調不良や季節による食欲の低下」「食器や環境が気に入らない」「ストレスが溜まっている」「病気」などが挙げられます。
この場合は、以下の方法を取り入れてみてくださいね。
トッピングをしてみる
まずはドッグフードにササミなどをトッピングして与えてみて、食欲が改善されるかを確認してみてください。新鮮な生肉を原材料に利用しているドッグフードに切り替えるのも手ですよ。
フードを食べやすくする
食べづらさが原因の場合は、飼い主さんがひと手間加えてあげましょう。ドライフードであれば、ぬるま湯でふやかして香りを立たせるのも手です。ニオイで食欲を刺激することができます。
また、粒が大きいようであれば砕いてあげるのもいいでしょう。ウェットタイプとドライタイプを組み合わせれば嗜好性が高まり、また水分も一緒に摂取することができます。
食器や環境を変える
食べやすい食器に変更したり、食事する場所を変えてみるといいかもしれません。ストレスを抱えている場合もあるので、遊びや散歩の時間を増やして発散させるのもいいですね。
動物病院で診てもらう
食べない原因が病気の可能性もあります。食べたくても、食べられないのかもしれません。「好きなおやつも食べない」「ぐったりしている」「元気がない」といった様子が見られるようであれば、かかりつけの動物病院で診てもらいましょう。
ケリーブルーテリアを迎え入れる方法は?
ジャパンケネルクラブによると、犬種別犬籍登録数は2023年で7頭いますので、飼育不可能ではなさそうです。
ただ、ペットショップなどで気軽に出会うことは難しいため、ケリーブルーテリアを迎え入れる場合は「ブリーダー」「里親制度」の利用を検討しましょう。
どちらにもメリットとデメリットがありますので、自分に合った方を選択してくださいね。
アイルランドが生んだアイリッシュブルー
いかがでしたでしょうか?
ブルーの被毛が印象的なケリーブルーテリアは、成長とともに毛色の変化を楽しむことができます。
購入には大体25万円ほどかかる高価な犬種ですが、世界中の人々を魅了した美しい被毛に、あなたもきっと虜になりますよ。
ただ、運動量はたくさん必要になりますので、充分な運動時間を確保できる方や、体力に自信がある方に向いている犬種といえます。
被毛の手入れも定期的に必要になりますので、そうした部分が苦にならない方におすすめしたい犬種です。