フレンチブルドッグはユニークな見た目によらず、こまめな健康管理が必要な繊細な犬種です。大切な家族だからこそ、正しい知識を身につけ病気から守ってあげてたいですよね。
この記事では、フレンチブルドッグの寿命や病気、健康管理のポイントやブラッシング、シャンプーの仕方をまとめました。
フレンチブルドッグの平均寿命ってどれくらい?
10~14年
フレンチブルドッグの平均寿命は、10〜14歳です。
マズルが短いことで呼吸器系の病気にかかりやすく、ほかの小型犬種に比べてやや短命な傾向にあります。
普段からかかりやすい病気の症状に気をつけ、必要な健康管理を行えば20年近い時間を一緒に過ごせることもありますよ。
フレンチブルドッグを飼う上で気をつけたい病気は?
短頭種気道症候群
口蓋裂
僧帽弁閉鎖症
椎間板ヘルニア
アトピーをはじめとする皮膚病
フレンチブルドッグは、鼻ベチャな顔つきや胴体に比べて頭が大きいことから、病気にかかりやすい犬種です。
フレンチブルドッグを飼う上で特に気をつけたい病気をご紹介します。
短頭種気道症候群
短頭種気道症候群とは外鼻孔狭窄、軟口蓋過長、気管低形成、声門裂狭窄などが1つ、または併発して上部気道障害を起こす症候群です。
症状はいびきやぜいぜいと気管が鳴ったり、咳が出ます。
短頭種気道症候群は空気の通りが悪くなります。犬は呼吸をして体温を下げるため、空気の通りが悪くなると夏は熱中症にかかりやすくなります。
短頭種気道症候群の場合は激しい運動も控えるようにしましょう。
口蓋烈(こうがいれつ)
上あごに亀裂が入ることで、呼吸や食べ物の飲み込みがうまく行えなくなってしまう先天性の病気です。交通事故や口内のやけどの結果、亀裂が入ってしまうこともあります。
「くしゃみをよくする」「ご飯がうまく食べられない」「口臭がひどい」「口から食べたものが鼻に抜ける」などの症状が見られます。外科手術による治療が必要です。子犬期に手術を行った方が治療がうまくいくことが多いので、子犬のうちにご飯をうまく飲み込めないなどの症状が見られた場合、早めに病院に連れて行ってあげてくださいね。
愛玩動物看護師 渡邉鈴子さん
口蓋裂は誤嚥性肺炎を起こしやすので、できるだけ早く治療を行うようにしましょう。治療ができない場合はご飯中に誤嚥をしていないか見守ってあげましょう。
僧帽弁閉鎖症
僧帽弁閉鎖不全症とは、血液が左心室から左心房へ逆流し症状が表れることをいいます。
症状は「運動の時に座り込む」「運動を嫌がる」「心音異常」「腹水」などで、内科的治療がメインになります。
愛玩動物看護師 渡邉鈴子さん
僧帽弁閉鎖不全症の際は激しい運動は避けるようにしましょう。また、心臓の負担を軽減するために塩分を控えた食餌がおすすめです。
椎間板ヘルニア
脊椎と脊椎の間にある椎間板の一部が背中側にある脊髄神経の方へ飛び出す病気です。
犬のヘルニアには「鼠径」「へそ」「会陰」「食道裂孔」「椎間板」の5種類がありますが、フレンチブルドッグは「椎間板」のヘルニアに掛かりやすい犬種です。
原因は激しい運動や肥満などで、発症すると足の麻痺による歩行困難や排泄のコントロールができなくなります。症状が軽ければステロイドなどの内服薬で炎症を抑えたり、外科手術で根本治療をすることもあります。
ヘルニアについては関連記事もご確認ください。
愛玩動物看護師 渡邉鈴子さん
飼い主さんの多くが縦抱きをしますが、これは誤った抱っこの方法です。縦に抱っこをすると背中に負担がかかり、椎間板ヘルニアを助長します。犬を抱っこするときは背中と地面が平行になるようにだっこをしましょう。
アトピーをはじめとする皮膚病
フレンチブルドッグは、かゆみを伴う皮膚の疾患になることが多い犬種です。
「後ろ足で体を頻繁にかく」「何度も体を舐める」という症状がある場合、皮膚病になっている可能性があります。アトピーの場合は、春から秋は症状が悪化することが多く、事前のケアがとても大切です。皮膚病と疑われる症状が見られたら、できるだけ早く病院に連れて行ってあげてくださいね。
そのほかにかかりやすい病気
その他にも、フレンチブルドッグがかかりやすい病気や先天性の疾患として、「僧帽弁閉鎖症」「膝蓋骨脱臼」「膿皮症」「白内障」「眼瞼内反症」などがあります。
フレンチブルドッグは高温多湿による熱中症に要注意!
フレンチブルドッグを飼う上で最も気をつける必要があるのは「高温多湿な環境に身を置かせないこと」です。
肌が薄く、呼吸機能が弱いフレンチブルドッグは暑さに弱いため、熱中症になって夏場に命を落としてしまうこともあります。
気温の高い日はクーラーの効いた部屋に入れておき、散歩も昼間の暑い時間を避けるようにしてくださいね。とくに年齢を重ねたフレンチブルドッグは心肺機能が低下するので、注意が必要です。