
家庭のなかに小さいものが散らかっていると、愛犬が誤飲してしまう恐れがあります。実際に愛犬が飲み込んでしまって、手術が必要になったケースを耳にすることもよくあります。
そんな誤飲事故のなかでも特に多いのが「タバコ」。タバコには有害な成分が詰まっているので、愛犬が誤飲するのは避けなければなりません。
飼い主さんがタバコを吸っていなくても、散歩中に吸殻を食べてしまう可能性もあります。
この記事では愛犬がタバコを食べてしまったときの対処法について詳しくご説明します。
目次
犬がタバコを食べてしまったときの対処法
水を絶対に飲ませない
タバコを食べてしまった際に一番やってはいけないことは、水を飲ませることです。
本来異物や中毒を起こすものを食べてしまった時は水を飲ませて吐かせることが多いですが、タバコは例外です。
水を飲ませると体内にニコチンが吸収されるスピードが早くなり、危険です。
水を飲ませて吐かせるのは逆効果なので、タバコを誤飲した犬には水を飲ませてはいけません。
動物病院を受診する
症状が出た、出ていないに関わらず、動物病院を必ず受診しましょう。
動物病院では、誤飲直後であれば催吐剤などを使用して吐かせる処置をします。
深夜や休診日の場合は、救急対応をしている動物病院に連絡をしてみましょう。
犬がタバコを食べたらどんな症状がでる?
タバコを誤飲した場合は主に次のような症状がみられます。
●下痢や嘔吐
●唾液が大量に出る
●幻覚症状
●血尿や血便
●嘔吐や発汗、眩暈
●血管収縮や血圧上昇
●呼吸困難
●死亡
時間が経つにつれて症状が重くなっていくので、下痢や嘔吐が見られたときはすぐに動物病院へ連れて行ってあげてください。
特にタバコのニコチンは水に溶けやすい性質があるので、タバコを消した「水」を飲み込んでしまった場合は約15分ほどで危険な状態に達するので注意が必要です。
ニコチン中毒について
ニコチン中毒とは、タバコや電子タバコに含まれるニコチンを過剰に摂取することで起こる中毒症状です。ニコチンは中枢神経に強い作用を持つ化学物質で、過剰摂取すると中毒症状を起こします。
中毒症状は15分〜45分以内に出ますが、腸へ進むと急速に吸収が進みます。
致死量ってどのくらい?
体重1kgあたり10㎎以上で致死量になるといわれていますが、はっきりとはわかっていません。
人のこどもでは、1㎎/kgで中毒が起こります。
タバコであればどれも有害ですが、「セブンスター」をはじめニコチン量の多いタバコは特に危険。子犬なら1本、成犬であれば小型犬は2本、中型犬は4本、大型犬は8本で死に至るといわれています。
ですが、散歩中に誤飲してしまった吸い殻の銘柄はほとんどわからないですよね。
1本でも飲み込んだ時点で危険なので、とにかく愛犬をタバコには近づけないようにしましょう。
犬がタバコを食べても症状が出ないことも?
愛犬がタバコを誤飲した場合、「嘔吐」することでタバコを吐き出せれば軽症もしくは無症状ですむことがあります。
ただ、有害物質が体内に残っている可能性は否定できないので、症状の有無にかかわらずタバコを食べたと考えられるときは一度動物病院で診てもらってください。
犬のタバコの誤飲は散歩中も要注意!
タバコを飲み込んでしまった場合、吸い殻が小腸に届く前に吐き出させなければなりません。30分以内に動物病院へ連れて行ってくださいね。
また、タバコの誤飲は散歩中に多く報告されていますので、リードをしっかりともって変なものを飲み込まないように気をつけてあげてくださいね。

愛玩動物看護師 渡邉鈴子さん
タバコ自体、犬にとって有害なものになりますが、副流煙にも気を付けましょう。副流煙による肺がんや鼻腔がん、副鼻腔がんの発生率の増加が報告されており、がんだけではなくぜんそくや気管支炎などの呼吸器疾患のリスクもあります。できるだけ犬の近くでタバコを吸うことはしないようにしましょう。
犬がタバコを誤飲しないために近づけないこと
愛犬が下に落ちているものを口に入れたりなめたりすることはよくありますよね。どんなに注意していても、目を話しているすきに…ということはよくあります。
まずは愛犬をタバコに近づけないことが重要です。タバコを消した「水」であってもニコチンが溶け出しているので、それを飲んでしまうと非常に危険です。
タバコが落ちている状況をつくらない、タバコが落ちている場所に留まらないようにしましょう。