黒猫が横切ると不吉という迷信はみなさん聞いたことありますよね。その由来は中世ヨーロッパにあるとされています。でも実は、日本では古来から黒猫は幸運をもたらすと考えられていました。
この記事では、黒猫が横切ると不吉なのか幸運なのか、その由来や時代背景、黒猫に関する迷信などについてまとめました。
「黒猫が横切ると不吉」といわれるようになったのはいつから?
「黒猫が横切ると不吉」という迷信が生まれた背景は?
黒猫が横切ると不幸という迷信は中世ヨーロッパにおける「魔女狩り」の時代までさかのぼります。魔女狩りの頃に、黒猫は魔女の使い魔という噂が広まりました。それ以来、黒猫の迫害・虐殺などが起きてしまいました。黒猫は悪魔が好む動物であり魔女の象徴であるとし、黒猫を飼っているかで魔女を判断していたようです。
そのような時代背景で、民話に黒猫が横切る場面の描写があり、それが迷信の由来になったと考えられています。由来となった民話では、魔女は黒猫に変身できるといわれていました。夜の町で子供が黒猫の足に石を投げつけてあざをつけたところ、次の日魔女だと疑われていた女があざのある足を引きずって歩いていた、というものです。
夜道で光る目や黒い体に目立つ歯などの見た目が、悪魔や魔女などのイメージと結びつきやすかったようです。見た目とイメージの結びつきやすさから民話ができてしまい、迷信まで広まってしまったと考えられますね。
黒猫が横切るのは不吉なの?幸運なの?
黒猫が横切ると不吉というのは、あくまで迷信です。逆に、日本やニュージーランドなどでは黒猫は幸運をもたらすと考えられてきました。
黒猫が横切った際に不吉か幸運かというのは地域や文化によって違いますが、かわいい黒猫が横切ったらハッピーな気持ちになりますよね。
黒猫に関する様々な迷信を紹介
スコットランド
スコットランドでは黒猫は幸運の象徴と考えられていて、知らない黒猫が玄関先に訪れるとその家が繁栄するといわれていますよ。
イングランド
イングランドでは黒猫は幸運の象徴と考えられています。
黒猫が道を渡ったり自宅に入ってきたら大変縁起が良いとされており、結婚祝いに黒猫を送ると新婦に幸せが訪れるともいわれています。黒猫が家に住みついたら、さらに幸運だともいわれています。
南フランス
南フランスでは黒猫は『魔法の猫』とされ、餌を与え、敬意をもって接する飼い主に幸運をもたらすとされています。
イタリア
魔女狩りが行われていた影響が強く、最近まで黒猫というだけで年間6万匹もの猫が迷信を信じる市民によって殺害されていました。
今日のイタリアでは動物愛護団体が立ち上がったことでこの虐殺の風潮が終わり、11月17日が「猫の日」とされてますよ。
ドイツ
ドイツでは黒猫が乗った樽のワインは美味しいという伝説が残っていて、黒猫が上に乗っていた樽を商人が迷わず買う逸話などもありますよ。
迷信は時代背景や風習から
中世ヨーロッパでは魔女迫害の文化や風習、時代背景などもあったことからたまたま体の黒かった黒猫が魔女狩りに巻き込まれてしいまいました。不幸になるというような迷信も、黒い体のために目立ちすぎてしまう目や歯、口からきたイメージのためだと考えられています。
ただ、黒猫に対するイメージは変わりつつありますし、今では様々なキャラクターとして登場しており、たくさんの人から愛されていますよ。道で見かけたら、かわいがってあげてくださいね。