シベリアンハスキーなど短命だった大型犬の寿命は、近年伸びる傾向にあります。
栄養価の高いドッグフードや室内飼育によって、病気やケガの早期発見早期治療が可能になったことが主な理由ですよ。
この記事では、シベリアンハスキーの寿命や長生きの秘訣に関する情報をまとめました。
目次
シベリアンハスキーの平均寿命は?
12~14才
シベリアンハスキーの平均寿命は12~14年です。
犬は体が大きいほど短命の傾向がありますが、生命にかかわるような遺伝病は比較的少なく、大型犬の中では比較的長寿な犬種といえますね。
シベリアンハスキーは「ブルーアイ」が美しく、左右で目の色が異なる「バイアイ(片青目)」も見かけますね。バイアイは「虹彩異色症」や「オッドアイ」とも呼ばれ寿命が短いとされますが、シベリアンハスキーに限っては例外ですよ。
原産地シベリアでは太陽高度が低く紫外線量が少ないので、シベリアンハスキーは紫外線から体を守るメラニン色素が元々少ないのです。紫外線量の多い土地でペットとして飼われるようになったことで、紫外線から目を守るためにメラニン色素の多い茶色い目の個体も増えましたよ。
シベリアンハスキーは元からブルーアイだったので、目の色が異なっていても色素が欠乏した病気とされず寿命の心配はありません。ただ、先天性疾患である「虹彩異色症」を発症していると、視覚障害・聴覚障害を持ってしまうため健康な個体よりも長生きしにくいとされますね。
シベリアンハスキーの寿命は伸びている?
150年前、世界で初めてドッグフードの原型となる犬用ビスケットが販売されました。
それまで飼い犬は人間の余り物を食べてきましたが、総合栄養食であるドッグフードが出回ったことで効率よく高い栄養を摂取できるようになり、飼い犬たちの平均寿命は2~3年ほど伸びましたよ。
やがてペットも家族の一員という考えが広まり、ペット医療が進歩します。牛や馬などの「家畜を診る動物病院」から、今では当たり前の「ペットを診る動物病院」が増えましたね。シベリアンハスキーは大型犬ですが、室内でも飼われるようになりました。毎日の触れ合いの中で飼い主さんが愛犬の病気やケガにいち早く気づけるようになったことで、寿命も伸びました。
昔のブリーダーは子犬を売るためだけに繁殖を繰り返していたので「血統書付きの犬は雑種よりも体が弱い」といわれましたが、今では遺伝疾患を発症しにくい丈夫な子犬が産まれるようになりました。確かに純血種は遺伝疾患を持っていますが、現在では遺伝疾患を持つ犬を繁殖に使わないなど様々な配慮していますよ。
シベリアンハスキーの寿命、バイアイ(オッドアイ)だと短命?
左右で色が違う眼のことを「オッドアイ」または「バイアイ」とよびます。一般的に「虹彩異色症」という病気が原因なのですが、シベリアンハスキーの場合は少し違います。
もともと日光照射が少ない地域で生まれたシベリアンハスキーは、メラニンが少ない青色の眼をしていました。やがて日光照射が多い地域に移動したことにより、メラニンの多い茶色の眼に変わったといいます。
病気が関係している場合は寿命が短くなりますが、シベリアンハスキーのオッドアイは虹彩異常症によるものではないので、寿命に差はありません。
シベリアンハスキー、長生きの秘訣は?
予防接種
ストレス対策
室内飼育
愛犬の寿命を伸ばすためには、毎日の気遣いが欠かせません。
質の高いドッグフードを与えることや毎日のブラッシングに加え、予防接種やストレス対策室内飼育に気をつけてあげることが寿命の伸びに繋がりますよ。集団行動を好むことから、一緒に過ごす時間を増やすこともおすすめです。
予防接種
とくに「フィラリア」の予防接種はうけることをおすすめします。感染症の代表的なもので、犬の平均寿命を下げている大きな原因のひとつです。
ストレス対策
シベリアンハスキーはそり引きやボート引きなどで活躍していた犬種なので、相当の運動量を必要とします。運動不足によるストレスも他の犬種の比ではなく、体調不良や無駄吠え、脱走などの問題行動にもつながります。
もちろん、ストレス性の病気にもかかりやすくなってしまうので、運動量を確保することは大切ですよ。また、しつけの際に叱り過ぎないことも、ストレスを溜めさせないポイントです。
運動量を確保することの大切さや散歩について詳しくは関連記事をご確認ください。
室内飼育
野外よりも室内で飼育したほうがペットの寿命が伸びることは、長年の統計調査で明らかになっています。とくに北方出身のシベリアンハスキーは被毛が厚く、夏場「熱中症」にもなりやすいです。室内の快適な環境で飼育してあげてくださいね。
季節に関わらず犬が快適に過ごせるのは「室温23~24度」「湿度50%」といわれています。エアコンはただ温度を下げるのではなく、ドライ設定などで湿度を下げる設定がおすすめです。
シベリアンハスキーの気をつけたい病気は?
てんかん
股関節形成不全
皮膚病
白内障
シベリアンハスキーが気をつけたい病気は、「てんかん」「股関節形成不全」「皮膚病」「白内障」です。
てんかん
てんかんは脳に異常が見つからないにも関わらず、けいれん発作などを起こす病気です。前ぶれもなく四肢が硬直して転倒したり、体全体の筋肉が震えたりします。中には口から泡を吐き出して意識を失う子もいます。
「急激な気温の変化」や「精神的ストレス」などが発症原因の1つといわれているので、普段の生活で気を使ってあげてください。
股関節形成不全
大型犬がかかりやすい症状で、「腰を振るように歩く」「足を痛がる」「足を引きずる」のが特徴です。親からの遺伝が主な原因とされていますが、肥満や激しい運動が原因で発症することもあります。
対策としては、肥満にならないように運動と食事のバランスを考えてあげてくださいね。遺伝性疾患としてすでに持っていないか、事前に確認しておくことも大切ですよ。
皮膚病
皮膚病の中でも「脂漏症」に注意が必要です。脂漏症は「皮膚がベタつく」「独特の脂漏臭がする」「脱毛が起きる」などの症状がみられます。
細菌の感染が原因になる場合が多いですが、脂肪酸・ミネラル・ビタミンなどの「栄養不足」も原因になります。定期的なシャンプーだけでなく食事のバランスをとることも大切です。
白内障
白内障は眼の水晶体が白く濁ることで、視力が低下して失明につながる病気です。「歩き方がぎこちなくなる」「よく壁や物にぶつかる」「階段などの段差につまづく」などの視力低下による症状が現れます。
視力が残っている場合には点眼薬や内服薬で進行を抑える内科的治療を行いますが、失明してしまうと手遅れです。そうなる前にとにかく早期発見・早期治療が大切です。
長生きが一番!
せっかくの縁で飼い始めたシベリアンハスキーですから、長生きしてほしいですよね。
健康維持に気を配りいつまでも美しい姿を保ってあげてくださいね。