愛犬がかかりやすい病気について知っておくこと。やらなきゃとは思っていても後回しになっている人も多いのではないでしょうか。
目を背けたくなる事ではありますが、事前に知識を得ていた事で予防・対策できる病気も多いです。
この記事では、グレートピレニーズのかかりやすい病気についての概要や治療方法、対策などについてまとめました。
目次
グレートピレニーズのかかりやすい病気1:股関節形成不全
体力低下
座り方・歩き方がおかしい
足をかばっている
命の危険こそありませんが、大型犬によくみられる病気です。
「遺伝」のほか「肥満」や「激しい運動」などで発症し、「座り方や歩き方がおかしい」「足を引きずる」などの症状がみられます。
主な治療方法
内科的治療
外科的治療
股関節形成不全の治療には内科的治療と外科的治療があり、愛犬の年齢や体重、症状などによって決まります。
症状が軽い場合は運動や食事の管理を見直し、関節炎が進行しないよう鎮痛剤や抗炎症剤などを長期投与することで痛みを緩和します。
症状が重い場合には外科手術を行います。さまざまな術法がありますが、満足に歩けるようになるまで2~3ヶ月ほどかかります。
日頃の対策
食事管理
適度な運動
我が家に迎え入れる前にブリーダーさんなどに聞き、あらかじめ親犬に股関節形成不全の兆候が見られないか確認するようにします。
生活習慣が原因であれば、肥満にならないように普段の食事管理を徹底したり適度な運動を心がけることが予防・対策になります。
グレートピレニーズのかかりやすい病気2:膝蓋骨脱臼
足をかばう
足を引きずる
足を痛がる
後ろ足の膝蓋骨(関節の皿)が正常な位置からずれてしまう病気です。
初期段階では無症状のことが多いですが、進行すると足に痛みが生じ、患部を上げて歩くなどの様子が見られます。
主な治療方法
外科手術
外科手術で、膝蓋骨を正常な位置に戻します。
変形が重度にまで進行してしまうと手術でも治療が難しいため、なるべく早期に発見し手術を行うことが重要ですよ。特に子犬で先天性の場合は、骨が成長してしまう前に手術することをおすすめします。
脱臼に伴う変形性子関節症を発症している場合は、痛みを和らげる内科的治療(薬投与など)が行われますよ。
日頃の対策
膝に負担をかけない環境作り
日頃から膝に負担をかけないことが大切です。フローリングなどは硬くて滑りやすくいため、室内で飼う場合はカーペットや滑り止め加工などをおすすめします。
室外で飼う場合は、庭に芝生を敷き犬小屋にはマットを敷いてあげるなど、愛犬にとって膝が楽な環境を整えてあげてくださいね。
グレートピレニーズのかかりやすい病気3:胃拡張・胃捻転
お腹が膨れる
ヨダレが多い
呼吸が苦しそう
水をよく飲む
胃にガスや食べ物が詰まって膨れ上がった「胃拡張」の状態に、さらに捻れが生じたのが「胃捻転」です。
「お腹が膨れる」「大量のよだれが出る」「呼吸が荒い・苦しそう」などの症状がみられます。
主な治療方法
点滴
ガスの排出
外科手術で胃の整復・固定
まずはショック症状に対処し身体の状態を安定させるため、血管を確保して点滴を行います。
胃にチューブを挿入して、ガスなどを排出する処置を施します。その後すぐに外科手術を行い、胃の整復や固定を行いますよ。
日頃の対策
食事や水の大量摂取を避ける
食事を数回に分ける
食後すぐに運動させない
胃拡張・胃捻転の原因は明らかになっていませんが、短時間での食事や水の大量摂取や食後すぐに運動することなどが考えられます。
「1回あたりの食事量を減らし数回に分ける」「水の一気飲みをさせない」「食後すぐの運動を避ける」などが対策になります。
この病気は発見が遅れると治癒が難しく、最悪の場合死に至るケースもあるので早期発見がカギです。
グレートピレニーズのかかりやすい病気4:皮膚病
抜け毛
痒そう
元気がない
グレートピレニーズは被毛が多い犬種なので、抜け毛の絡まりや蒸れなどで炎症を起こしやすいです。
基本的な症状としては、抜け毛や肌荒れ、発疹、痒み、赤み、膿が出ているなどが生じます。
主な治療方法
抗生剤等の投与
原因の病気を治療
生活対策
抗生物質や駆虫剤などの投与が基本的な治療法になります。
皮膚病は衛生的要因が多いですが、栄養バランスの偏りでも発症することがあります。適度なシャンプー・ブラッシングの他に栄養の過不足にも気をつけてくださいね。
日頃の対策
清潔にする
ストレスのない環境づくり
定期的なブラッシングやシャンプーを心がけて、愛犬を清潔を保つようにします。
ストレスが原因で発症する場合もあるので、生活環境の見直しも合わせて行ってみてください。
グレートピレニーズのかかりやすい病気5:骨肉腫
足の骨が腫れる
足を引きずる
足を痛がる
骨肉腫は骨にできる悪性腫瘍(がん)で、とても進行の早い病気です。
症状は「足を引きずって歩く」「足をかばう仕草をする」など膝蓋骨脱臼と似ています。
足肺に転移すると命をも脅かしかねない危険な病気なので、異変に気付いたらすぐに動物病院で診てもらってください。
主な治療方法
患部の足を切除
抗がん剤投与
放射線治療
治療はまず外科手術で腫瘍のある足を切断し、術後に抗がん剤の投与を続けることになります。
足を切断せずに放射線治療を行う場合もありますが、あくまでも痛みを和らげるためのもので根治は難しいです。
日頃の対策
対策はできない
対策は困難です。
早期発見・治療が大切な病気なので、少しでも「おかしいな」と思ったら、すぐに動物病院に行くようにしてください。
病気を理解することは、愛犬の長生きにつながる!
愛犬の普段と違った行動や仕草が見られたら、信頼できる動物病院で診てもらうことをおすすめします。
愛犬のわずかな違いに気づけるのは飼い主さんだけだからです。
いつまでも安心して楽しい生活が送れるように、もしもの時のことも考えておくといいですよ。