ボストンテリアのしつけや多頭飼いで気をつけることは?

ボストンテリア3

「タキシードを着た紳士」と比喩されるボストンテリア

飼育の際に「こんなはずじゃなかった・・・」と後悔しないためにも、何に気をつけたら良いのでしょうか。特に「しつけ」や「多頭飼い」に関して注意するべきことは知っておきたいですよね。

この記事ではボストンテリアの飼い方について、しつけと多頭飼いについてまとめました。

ボストンテリアの基本情報

ボストンテリアの画像

歴史

ボストンテリアはアメリカで誕生した犬種であり、ブルドッグとテリアを掛け合わせて生まれました。ボストンテリアの祖先は闘犬として活躍していましたが、ペットとして飼育されている小型犬と交配していく過程で闘犬の血は薄れていき、後に性格の穏やかさと忠実さが評価され、家庭犬として人気を博しました。

ボストンテリアはアメリカ合衆国のマサチューセッツ州ボストンが名前の由来であり、州のシンボル的存在ともなっています。現在では、コンパクトで愛らしい外見と友好的な性格から、家庭犬として広く愛されていますよ。

大きさや見た目の特徴は?

ボストンテリアはホワイトが入っているスムースコートが特徴的で、筋肉質でありながらスリムなルックスをしています。顔立ちはブルドッグの系統ですが、その体格にはテリア種の影響が大きく出ていますよ。

ボストンテリアの大きさは3つの区分に分けられており、体重は小:6.8kg未満、中:6.8~9kg未満、大:9~11.35kgとなっています。

性格は?

ボストンテリアの性格

人懐っこい
温厚
快活
活発

人懐っこい家庭犬

ボストンテリアは人懐っこく温厚な性格をしています。飼い主さんとその家族にはべたべたと甘える一方で、知らない人や犬には素っ気ない態度をとることがあります。子犬の頃から多くの人間や動物と触れあう機会を作るといいかもしれませんね。

快活で活発

ボストンテリアは快活で活発な性格をしています。元気いっぱいで常に活動的であり、家族との遊びや散歩を楽しむことが大好きな犬種です。活発なゆえ、「いくら遊んでも足りないみたい」と飼い主さんを困らせてしまうこともあるでしょう。豊富な運動量を必要としますので、十分な時間を確保できる人に向いている犬種です。

多頭飼育の環境でも大丈夫?

ボストンテリアは友好的な一面もあるので、子供や他の犬とも良好な関係を築くことができます。そのため、多頭飼育の環境でも問題ないと考えられます。しかし、個体によってはテリア気質の気の強さを持ち合わせ、嫉妬などで攻撃的になることもあります。子犬の頃からしっかりとしつけやコミュニケーションを取り入れ、均等な愛情を注ぐようにしてあげてください。

多頭飼育の環境では、食べ物やおもちゃ、ベッドなどを巡って争うこともあります。そうした状況を防ぐために、それぞれに十分なスペースと公平な環境を作ることも大切です。

ボストンテリアの運動やしつけは?

ボストンテリア

運動

ボストンテリアは猟犬として活躍していたこともあって、小柄ながら体力も持久力も十分にあります。そのため、少なくとも1日2回30分ずつの散歩を取り入れましょう。休日はドッグランやレジャーに連れていくと喜んでくれますよ。

運動不足はストレスを溜めてしまい、問題行動の原因になります。必要な運動量を毎日こなし、お互いが快適に過ごせる工夫をしてくださいね。

しつけ

しつけのポイント

褒める
叱るタイミングに気をつける
無駄吠えをさせない

ボストンテリアは賢くて学習能力も高いので、しつけで飼い主を困らせることも少ないです。しつける時は「褒める」「叱るタイミングに気をつける」「無駄吠えをさせない」ことが重要なポイントですよ。

褒める

むやみやたらに叱るのではなく、褒めることを心がけるようにします。焦らずにゆっくりと、できるようになるまでじっくり繰り返すことで問題なく学習してくれますよ。

叱るタイミングに気をつける

叱る場合は、現行犯で注意するようにします。犬は30分以上前のことを叱っても理解できないからです。また、名前を呼びながら叱ると名前を呼ばれることに対して恐怖を覚えてしまうことにもなりかねません。「ダメ」など短い言葉で端的に叱るのがおすすめです。

無駄吠えをさせない

必ずしつけておきたいのが、「無駄吠え」。マンションや住宅街で暮らしていると近所迷惑にもなりかねません。無駄吠えをしつける際は端的に叱るか、空き缶などの激しい音がなるものを床などに落として驚かせる方法がおすすめですよ。約束を守れた後は、しっかりと褒めてあげることも忘れないでくださいね。

ボストンテリアの飼育環境やお手入れは?

ボストンテリア

ボストンテリアは室内飼育がおすすめ

ボストンテリアは「短頭種で暑さに弱い」「飼い主家族と増え会う時間が少ないとストレスを溜め込んでしまう」などの理由から、室内飼いが理想的です。

夏場は空調や暑さ対策グッズを上手に活用してみてくださいね。

ボストンテリアと快適に暮らすコツ

熱中症対策必須!

ボストンテリアは鼻が短いため、体温調整が上手くできません。どちらかといえば興奮しやすい犬種でもあるため、熱中症対策のために冷房が必須です。

いつでも水が飲めるように、ボウルや自動給水器を複数設置しましょう。

事故を防ぐ環境づくり

飼い主さんが留守のときに入ってほしくない場所に入ったり、配線を噛んだり、思わぬ事故が起きるかもしれません。

普段からサークルやクレートで過ごせるようなしつけ、コード類には噛むのを防止するカバーや塗布剤などを活用してください。

また、滑りやすいフローリングはケガ・足腰への負担の原因になります。ラグやジョイントマットなどを敷いて、走り回っても滑って転倒しないような工夫をしましょう。

飼育するために準備しておくもの

準備するもの

飼育スペース・ケージ
食器類・床材
ドッグフードとおやつ
トイレ用品
ケア用品
動物病院

ボストンテリアとの生活をより快適なものにするために、「飼育スペース・ケージ」「食器類・床材」「首輪やリード・おもちゃ」「ドッグフードとおやつ」「トイレ用品」「ケア用品」「動物病院」などの生活用品や準備を揃えておきましょう。

飼育スペース・ケージ

快適に過ごせるスペースを確保します。サークルは十分な広さを確保できるもので、犬用のベッドやケージ・クレートを用意しましょう。クレートとは箱状の家のようなものであり、犬にとって寝床となったり安心できるものになります。移動するときにも使え、病院へ連れて行くときや災害による避難の際にも活躍します。

食器類・床材

ご飯を食べる時に必要な食器を用意しましょう。水のみ用のボウルとフードのためのボウルを別々に準備してあげてください。食器類を選ぶ際は「耐久性はあるか」「滑りにくくないか」「大きさは適切か」といったことを目安に探してみてください。床材についてはすべりにくい材質のものを選び、思わぬ転倒を防ぐために用意しておくと良いでしょう。フローリングの床で滑って関節を痛めないよう、すべりづらいカーペットを敷くなどの対策をしてあげてくださいね。

首輪やリード・おもちゃ

散歩や運動をするときのために、首輪やリード・ハーネスを準備しましょう。遊ぶためのおもちゃや知育玩具なども用意しておくと、遊びを通して良好な関係性を築くことができますよ。

ドッグフードとおやつ

健康管理のため、年齢に適した高品質の犬用のドッグフードを用意しましょう。初めて犬を飼育する方は、水と餌だけで栄養が賄える「総合栄養食」と書かれたドッグフードを用意するといいですね。飼育に応じて適切な量を与えるようにしてください。絶対に必要というわけではないですが、おやつも同時に用意しておくといいですね。しつけトレーニングの際に「ご褒美」として利用できますよ。

トイレ用品

屋内で飼育する際は、排泄物を処理するための犬用のトイレトレーを用意します。また、トイレトレーニングのために新聞紙やトレーニングパッドも役立ちますので、一緒に揃えておくといいですね。

ケア用品

健康と衛生を保つために、犬用のシャンプーやブラシ、爪切り、歯磨きセットなどのケア用品を用意します。

動物病院

何かあった際や健康管理のために、かかりつけの動物病院も見つけておくと安心です。獣医師の診察や予防接種、必要な薬やサプリメントなどを考慮し予算を立てておくのもいいですね。

お手入れ

お手入れ項目

被毛ケア
シャンプー
耳掃除
歯磨き
爪切り

ボストンテリアとの生活をする上で、日々のお手入れは大切です。「被毛ケア」「シャンプー」「耳掃除」「歯磨き」「爪切り」などを取り入れて清潔を保つようにしましょう。

被毛ケア

被毛は定期的にブラッシングすることが重要です。毛の絡まりや抜け毛を防ぎ、清潔で健康な被毛を保つことができますよ。短毛なのでお手入れは難しくありませんが、抜け毛はこまめに取り除いてあげてください。暑さに弱いので涼しくしてあげましょう。

シャンプー

適切な犬用シャンプーを使用し、毛並みや肌に合わせた温度のお湯で洗います。頻度は個体や被毛の状態により異なるため、獣医師のアドバイスを参考にするようにしてください。

耳掃除

耳は定期的にチェックしましょう。見える範囲でいいので耳専用のクリーナーを使用して掃除をしてあげてください。「耳垢が増えた」「悪臭がする」といった普段と違う様子の場合は病院で見てもらいましょう。

歯磨き

犬の歯の健康は全体的な健康にも関わるため、定期的な歯磨きが必要になります。犬用の歯ブラシで、歯垢・歯石を取り除いてあげてください。歯ブラシが苦手な方は、歯磨き用のおもちゃやパウダー状の食事に混ぜるケア用品も販売されていますので、ぜひ取り入れてみてくださいね。

爪切り

犬の爪は適度な長さに保つ必要があります。必要に応じて爪切りを使用し、適切な長さに切り揃えましょう。

ボストンテリアの寿命とかかりやすい病気は?

ボストンテリアの画像

寿命

平均寿命

12~14歳

ボストンテリアの平均寿命は12~14歳。あくまで平均寿命で、14歳を超えて長生きする子もいます。

病気

気をつけたい病気

膝蓋骨脱臼
皮膚炎

ボストンテリアが気を付けたい病気は「膝蓋骨脱臼」「皮膚炎」などです。

膝蓋骨脱臼

膝にあるお皿のような形状をしている膝蓋骨が脱臼してしまう病気です。外傷性のものもありますが、遺伝性で発症する可能性が高いとされています。脱臼の度合いが軽い場合は歩きながら脱臼が戻ることがあり気付きにくいですが、進行すると歩き方に異常がみられます。遺伝性の場合は予防するのは困難ですが、少しでも負担を減らせるよう体重管理と足腰に負担をかけない生活環境を整えてあげましょう。

皮膚炎

ボストンテリアは、アトピー性皮膚炎やアレルギー性皮膚炎など、皮膚トラブルが起こりやすい犬種です。顔にあるシワ部分に特に汚れや脂が溜まりやすく、シワをめくらないと確認できないので汚れていても見落としてしまうことがあります。皮膚炎を予防するためにも、毎日顔のシワを含め汚れていないか確認してください。

ボストンテリアにおすすめのドッグフード

総合栄養食と一般食

ドッグフードをメインで与えたい場合は、「総合栄養食」と表示されているドッグフードを選びましょう。これは水と一緒に与えるだけで、健康が維持できるドッグフードのことです。選ぶ際は原材料を必ず確認しましょう。主原料が「肉類」であることが望ましいですよ。

手作り食をメインで与えたい場合は、「一般食」と表示されているドッグフードがおすすめです。いわば「おかず」のようなものであり、トッピングとして利用することで手軽に栄養を追加することができます。

ドッグフードには高温で焼き上げた「ドライフード」や、水分量の多い「ウェットフード」などさまざまな食感のドッグフードがあります。歯や顎の状態や、年齢・好みに合わせて選択して与えて下さいね。

食事量

ドッグフードの裏面に記載されている量をあげるようにします。ただ、体重との換算表は、愛犬が「理想体型」であることを前提としているので、太っている子や痩せている子は量の調整が必要となります。

ごはんを食べない・・・どうすればいい?

ご飯を食べない場合はいくつかの理由があり、主に「好みの味ではない・食べにくい」「体調不良や季節による食欲の低下」「食器や環境が気に入らない」「ストレスが溜まっている」「病気」などが挙げられます。

この場合は、以下の方法を取り入れてみてくださいね。

トッピングをしてみる

まずはドッグフードにササミなどをトッピングして与えてみて、食欲が改善されるかを確認してみてください。新鮮な生肉を原材料に利用しているドッグフードに切り替えるのも手ですよ。

フードを食べやすくする

食べづらさが原因の場合は、飼い主さんがひと手間加えてあげましょう。ドライフードであれば、ぬるま湯でふやかして香りを立たせるのも手です。ニオイで食欲を刺激することができます。
また、粒が大きいようであれば砕いてあげるのもいいでしょう。ウェットタイプとドライタイプを組み合わせれば嗜好性が高まり、また水分も一緒に摂取することができます。

食器や環境を変える

食べやすい食器に変更したり、食事する場所を変えてみるといいかもしれません。ストレスを抱えている場合もあるので、遊びや散歩の時間を増やして発散させるのもいいですね。

動物病院で診てもらう

食べない原因が病気の可能性もあります。食べたくても、食べられないのかもしれません。「好きなおやつも食べない」「ぐったりしている」「元気がない」といった様子が見られるようであれば、かかりつけの動物病院で診てもらいましょう。

“テリア”だということを理解すれば飼いやすい犬

ボストンテリア

ボストンテリアはしつけの覚えが早く、従順な性格です。テリアだということを理解して、性格や必要な運動量を把握すれば飼いやすい犬種だといえます。

賢いので皮膚や被毛のお手入れ、シャンプーなどしやすいともいえますね。

初心者の方がボストンテリアと暮らすにはハードルが高いように感じ、しつけが上手くいかなかったり豊富な運動量についていけなかったり…なんてことが考えられます。

どうしてもボストンテリアと暮らしたい!という方は、ペットショップよりも専門的な知識・経験のあるブリーダーさんに相談するのが良いでしょう。

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