中国歴代の王朝時代からお寺の守護獣として飼われてきたチャウチャウですが、人間の食用に繁殖された歴史をご存知ですか。
この記事ではチャウチャウの歴史や中国の犬食文化についてまとめました。
犬のチャウチャウの歴史
チャウチャウの歴史は古く、中国では2000年以上前から知られており、歴代の王朝時代より寺院を悪霊から守る守護獣として飼われていました。中国の伝説ではライオンと熊から生まれた子とされ、唐獅子のモデルともいわれています。神社の狛犬にも似ていますね。
発祥においては、北欧タイプのスピッツ犬と多少のマスティフ系の犬が関わっているといわれています。寺院から一般の人々に渡るようになると、番犬や狩猟犬として、あるいは荷物を運ぶソリ犬として活躍しました。
中国の明清時代の「海禁政策」のため、チャウチャウは1800年頃まで他国では見られず、18世紀後半にイギリスに輸入されると「中国から来た野生の犬」として動物園で公開され、青い舌を持った不思議な犬として有名になりました。チャウチャウの特徴である青舌の起源は現在でもよく分かっていません。
出典:JKC「チャウ・チャウ」、藤田りか子 著/リネー・ヴィレス 編集協力「最新 世界の犬種大図鑑」
犬食文化とは?日本でもあった?
犬を食べる文化のことを犬食文化(けんしょくぶんか)といいます。歴史は古く、新石器時代の遺跡から犬の骨が発掘されたことから、その頃から浸透していたとされています。
古代中国では犬の肉は体を暖めるとされ、漢方に薬効も記載されています。他にもベトナムやパラオ、ベトナム、台湾などアジアの国々で犬食文化は浸透していた歴史があります。
日本でも675年に犬を含む「肉食禁止令」を出されたことから、犬食文化の存在が確認されていますよ。
現在では犬のペット文化が世界中で浸透しており、犬食文化についての倫理的な論争が起こっています。多くの国で犬食な規制・禁止され、犬食はマイナーな文化です。
一部、犬食文化が残っている地域も存在します。
犬のチャウチャウ、今でも食用犬?純血は?
チャウチャウは国際畜犬連盟に登録されている犬種で唯一、今でも食用として繁殖されている犬種です。中国の玉林という地域では、たくさんの犬肉料理屋があるといいます。
ただ、純血のチャウチャウは珍しく値段が高いので食用にする文化はありません。あらかじめ食用に改良されたチャウチャウを食用としているようです。
食用のチャウチャウは肉は食用に、骨は漢方に、毛皮はコートなどに利用されます。
犬食文化は中国全土に根付いているものでも、中国に限った文化でもありません。犬食文化に関しては中国国内でも温度差があります。
現在でも伝統的に犬食文化が根付いた地域があることは事実です。
チャウチャウは可愛いルックスが大人気のペット
一部地域で犬食文化が残っているチャウチャウですが、ペットやショードッグとして全世界で広く親しまれています。
日本では1970年代の高度経済成長期の時代にカラーテレビのCMに出演していますよ。
江戸時代中期に徳川綱吉によって出された「生類憐みの令」など、犬を可愛がる文化のある日本では、犬食文化は馴染みが薄いかもしれませんね。