2015年9月14日に千葉県で紀州犬が飼い主を襲うという事件がありました。
この事件によって「紀州犬=凶暴」というイメージを持たれた方もいますが、本来の紀州犬は穏やかで、飼い主への忠誠心のあふれる性格をしています。
この記事では、紀州犬は凶暴なのか。なぜ人を襲ったり飼い主を噛んだりするのか。しつけをしても危険なのかについてまとめました。
紀州犬が凶暴というイメージがあるのはなぜ?
紀州犬が人を襲ったという内容のニュースが報道されたことが大きいのではないでしょうか。
本来、紀州犬は穏やかで忠誠心に溢れる性格であり、人を襲う目的で誕生した犬種ではありません。ストレス過多など様々な原因が積もり積もって凶暴化してしまったと考えられます。
飼い主が責任を持ってしつけをすれば、本来の優しい性格を引き出すことができますし、人を襲うことはないのです。
凶暴化する2つの大きな原因
親犬と暮らした時間が短い
社会性期に社会性のしつけをしてもらっていない
親犬と暮らした時間が短い
犬は、社会化期に親や兄弟と暮らす中でコミュニケーションの取り方を学びます。
しかし親や兄弟犬たちとの集団生活の時間が短いと十分な社会性を身につけられなくなってしまい、その結果凶暴化してしまうことがあるのです。
社会性期に社会性のしつけをしてもらっていない
紀州犬はじめとした日本犬は、もともと警戒心の強い犬種です。
そのため、社会性期に社会性を身につけられなかった犬は警戒心がさらに強くなってしまい、威嚇や噛みつきといった行動を起こしてしまうことがあるのです。
成犬以上の年齢の紀州犬は要注意
里親制度で成犬になった紀州犬を迎え入れる場合は、特に注意が必要です。
前の飼い主さんの元で十分にしつけられていたとしても、飼い主さんが変わったことで言うことを聞かなくなる可能性があるからです。
しつけでは、飼い主がリーダーであるという関係性を理解してもらうことが大切ですよ。
子犬の紀州犬が凶暴化しないためにできること
人に慣れてもらう
人に慣れていないと、人見知りから攻撃的(唸る、噛みつく、威嚇)になってしまうことがあります。
「人は怖くない」と思ってもらえるように様々な人と触れ合う機会をたくさん作るといいですよ。触られるのを嫌がる場合は飼い主さんがしっかり抱っこして安心感を与えた状態で人と接してみてくださいね。
いろんな体験をしてもらう
散歩ができるようになる時期は、様々なことを体験する絶好のチャンスです。
「散歩のコース、時間帯を変える」「ドッグランに行く」などいつもとは異なる刺激を与えてみるのもおすすめです。
他の犬とのコミュニケーション(社会性)を学ぶ
様々な犬と触れ合う機会をたくさん作ることで、接し方や力加減など犬同士のコミュニケーションの取り方を学びます。
子犬同士や親犬とじゃれ合う中で、相手との力関係やしてはいけないこと・していいことなどを学んでいくのです。
まとめ
事件を受けて「紀州犬は危険だ」というイメージが世間に広がりましたが、きちんとしつけられた紀州犬ほど頼もしい存在はいません。飼い主に対して忠実な姿が本来の紀州犬なのです。
紀州犬を愛犬にしようと考えている方は、必ずしつけをしてください。無責任な飼い主による事件が二度と起こらないようにするのは、飼い主の責任のひとつといえます。
しつけさえしっかりできれば、日本犬の魅力を存分に味わうことのできる犬としておすすめな犬種ですよ。