ふわふわした純白の被毛とつぶらな瞳が愛らしい中型犬、日本スピッツ。
日本原産の犬種で、最近では国内だけでなく国外でも人気が出てきています。
この記事では、日本スピッツの飼い方、歴史や性格やしつけについてまとめました。
目次
日本スピッツの基本情報
歴史
スピッツの起源は諸説ありますが、1920年ごろに日本へ持ち込まれた「ジャーマン・スピッツ」が祖先犬とされており、そこから改良を重ねて誕生したとされています。
昭和20~30年代の高度経済成長期には「小型な番犬」として爆発的な人気を誇り、日本で登録された犬の4割を占めるほど流行しました。
無駄吠えが多いという誤解から人気が下火になることもありましたが、1948年にはJKCでスタンダードが認定。現在では日本のみならず、北欧でも人気を博しています。
大きさや体重
日本スピッツは、体高より体長がやや長いプロポーションをしています。
体高30~38cm、体重7~11kgほどに成長しますよ。
外見の特徴
「小さな三角形の立ち耳」「先細りしたマズル」「豊富な飾り毛(首から胸元にかけて、尻尾)」が特徴的です。
被毛はダブルコートで、カラーは「純白」のみ認められています。
サモエドとの違い
1番の違いは大きさです。
日本スピッツは小型犬に分類されますが、サモエドは大きめの中型犬に分類されますよ。
毛色は日本スピッツは「純白」のみ認められていますが、サモエドは「ホワイト」のほかに「クリーム」や「ホワイトビスケット」も認められています。
日本スピッツの性格について
性格
温厚
人懐っこい
好奇心旺盛
従順
警戒心が強い
日本スピッツの性格は「温厚」「人懐っこい」「好奇心旺盛」「従順」「警戒心が強い」などです。
好奇心旺盛で人懐っこい
日本スピッツは好奇心旺盛で人懐っこい性格をしています。かつては無駄吠えや噛みつきのイメージでしたが、現在は飼い主に従順で人懐っこい家庭犬として多くの人に愛されています。好奇心旺盛で遊ぶことが大好きな一面もありますので、たくさん構ってあげましょう。
警戒心がある
初めて会う人間や犬・動物には、やや警戒心を持ち慎重になる面もあります。慣れるまでに一定の距離で接したり、落ち着かない行動をすることも。そのため、子犬の頃から多くの人間や犬に慣れさせるといいかもしれません。外の環境に慣れることで、過剰に反応したり警戒することを抑え、穏やかに過ごせるようになります。
日本スピッツのしつけについて
しつけについて
信頼関係を構築する
子犬の頃から様々な犬や人と触れ合う機会を作る
日本スピッツのしつけでは、飼い主がリーダーであるという関係性を理解してもらうことが大切です。
賢くて物覚えも良い犬種なので、しつけも難しくないですよ。
遊びを取り入れながらしつけする方法もオススメです。叱るよりもたくさん褒めるようにしましょう。
若干神経質な一面があり、音や初対面の人・動物に対して吠える行動をすることがありますので、子犬の頃から様々な環境に慣れさせておく必要もあります。
日本スピッツの生活環境について
飼育するために準備しておくもの
飼育スペース・ケージ
食器類・床材
首輪やリード・おもちゃ
ドッグフードとおやつ
トイレ用品
ケア用品
動物病院
日本スピッツとの生活をより快適なものにするために、「飼育スペース・ケージ」「食器類・床材」「首輪やリード・おもちゃ」「ドッグフードとおやつ」「トイレ用品」「ケア用品」「動物病院」などの生活用品や準備を揃えておきましょう。
飼育スペース・ケージ
快適に過ごせるスペースを確保します。サークルは十分な広さを確保できるもので、犬用のベッドやケージ・クレートを用意しましょう。クレートとは箱状の家のようなものであり、犬にとって寝床となったり安心できるものになります。移動するときにも使え、病院へ連れて行くときや災害による避難の際にも活躍します。
愛玩動物看護師 渡邉鈴子さん
クレートは普段から慣れさせておくことで、スムーズに動物病院へ連れていくことが可能です。クレートを動物病院へ行くときにしか使用していないと、クレート=動物病院という認識になってしまいます。普段から使用することで防ぐことが可能です。
食器類・床材
ご飯を食べる時に必要な食器を用意しましょう。水のみ用のボウルとフードのためのボウルを別々に準備してあげてください。食器類を選ぶ際は「耐久性はあるか」「滑りにくくないか」「大きさは適切か」といったことを目安に探してみてください。床材についてはすべりにくい材質のものを選び、思わぬ転倒を防ぐために用意しておくと良いでしょう。
首輪やリード・おもちゃ
散歩や運動をするときのために、首輪やリード・ハーネスを準備しましょう。遊ぶためのおもちゃや知育玩具なども用意しておくと、遊びを通して良好な関係性を築くことができますよ。
ドッグフードとおやつ
健康管理のため、年齢に適した高品質の犬用のドッグフードを用意しましょう。初めて犬を飼育する方は、水と餌だけで栄養が賄える「総合栄養食」と書かれたドッグフードを用意するといいですね。飼育に応じて適切な量を与えるようにしてください。絶対に必要というわけではないですが、おやつも同時に用意しておくといいですね。しつけトレーニングの際に「ご褒美」として利用できますよ。
トイレ用品
屋内で飼育する際は、排泄物を処理するための犬用のトイレトレーを用意します。また、トイレトレーニングのために新聞紙やトレーニングパッドも役立ちますので、一緒に揃えておくといいですね。
ケア用品
健康と衛生を保つために、犬用のシャンプーやブラシ、爪切り、歯磨きセットなどのケア用品を用意します。
動物病院
何かあった際や健康管理のために、かかりつけの動物病院も見つけておくと安心です。獣医師の診察や予防接種、必要な薬やサプリメントなどを考慮し予算を立てておくのもいいですね。
日本スピッツの食事について
ドッグフードをメインで与えたい場合は、「総合栄養食」と表示されているドッグフードを選びましょう。
これは水とドッグフードだけで健康が維持できるフードとなっています。原材料や成分一覧などを必ずチェックしてから選んでくださいね。
原材料表示の主原料が「肉類」であることが望ましいですよ。
手作り食をメインで与えたい場合は、「一般食」と表示されているフードがおすすめです。
いわば「おかず」のようなものであり、トッピングとして利用することで手軽に栄養を追加することができます。
食事量
普段与えているドッグフードのパッケージ裏面に記載されている量をあげるようにします。
ただ、体重との換算表は、愛犬が「理想体型」であることを前提としているので、太っている子や痩せている子は量の調整が必要となります。
ごはんを食べない・・・どうすればいい?
ご飯を食べない場合はいくつかの理由があり、主に「好みの味ではない・食べにくい」「体調不良や季節による食欲の低下」「食器や環境が気に入らない」「ストレスが溜まっている」「病気」などが挙げられます。
この場合は、以下の方法を取り入れてみてくださいね。
トッピングをしてみる
まずはドッグフードにササミなどをトッピングして与えてみて、食欲が改善されるかを確認してみてください。新鮮な生肉を原材料に利用しているドッグフードに切り替えるのも手ですよ。
フードを食べやすくする
食べづらさが原因の場合は、飼い主さんがひと手間加えてあげましょう。ドライフードであれば、ぬるま湯でふやかして香りを立たせるのも手です。ニオイで食欲を刺激することができます。
また、粒が大きいようであれば砕いてあげるのもいいでしょう。ウェットタイプとドライタイプを組み合わせれば嗜好性が高まり、また水分も一緒に摂取することができます。
食器や環境を変えてみる
食器や食事の場所が関係する場合は、これらを変えるようにしてみましょう。フードを入れる容器や水飲み場を食事しやすい食器に変更したり、落ち着いて食べられるスペースを確保してあげるといいかもしれません。「飼い主さんと過ごす時間が足りない」「運動不足」などでストレスを抱えている場合もあるので、たくさん遊んだり散歩の時間を増やしてストレスを発散させてみるのもオススメです。
動物病院で診てもらう
食べない原因が病気の可能性もあります。口内炎など痛みを伴う場合、食べたくても、食べられない可能性があります。「好きなおやつも食べない」「ぐったりしている」「元気がない」といった様子が見られるようであれば、かかりつけの動物病院で診てもらいましょう。
日本スピッツのお手入れについて
被毛ケア
シャンプー
耳掃除
歯磨き
爪切り
日本スピッツとの生活をより良いものにするためには、日々の小まめなケアが欠かせません。
被毛ケア
ブラッシングは毎日、換毛期であれば1日2回を目安に行います。
スリッカーブラシで余計なアンダーコートを取り除いた後にコームで仕上げます。
シャンプー
1~2ヶ月に1回を目安に行います。
シャンプーが終わった後は流し残しのないように、丁寧にすすぐことも忘れないでくださいね。
耳掃除
耳掃除は、耳が汚れているタイミングで行います。
耳専用のクリーナーを使って、見える範囲の汚れを取り除きます。
「耳から悪臭がする」「耳垢が増えた」などいつもと違う様子であれば、病院で診察を受けるようにしてくださいね。
歯磨き
定期的な歯磨きは口腔疾患のケアに繋がります。
指に巻いたガーゼで歯の表面に付着した汚れをふき取るようにします。
爪切り
血管を傷つけないように、爪の先端から少しずつ切るようにします。万が一の時のために止血剤も用意しておくといいですよ。
愛玩動物看護師 渡邉鈴子さん
日々のお手入れが自宅で行うのが難しい場合は動物病院やトリミングサロンなどにお任せすることも視野にいれるといいでしょう。
日本スピッツの運動について
日本スピッツには、1日2回それぞれ30分程度程度の運動をさせてあげます。
体型の割に手足が細いので、幼犬のころは関節に負担がかからないように激しい運動を避けるようにしてください。
ダブルコートの犬種なので、夏場の運動は涼しい早朝や夕方に行くといいですよ。
日本スピッツの寿命や病気について
寿命
10~16年
日本スピッツの平均寿命は10~16年で、中型犬としては平均的です。
日々のケアを心がければ、より長く共に過ごすことができます。
病気
膝蓋骨脱臼
皮膚病
流涙症
日本スピッツは体が丈夫で病気になりにくい犬種とされていますが、「膝蓋骨脱臼」「皮膚病」「流涙症」などに気をつける必要があります。
膝蓋骨脱臼
膝のお皿が、正常な位置から脱臼してしまう関節病の1つです。原因は先天的と外傷的の2つからな要因から発症します。
肥満になると膝に負担がかかることで発症する場合もあります。体重管理や栄養のある食事が重要になります。
皮膚病
様々な皮膚トラブルを抱えやすい犬種です。お手入れをしながら皮膚の状態を確認するようにしてくださいね。
流涙症
涙が流れる管が詰まることで、目に過剰に涙が溜まってしまう症状が特徴です。溜まった涙によって「涙やけ」も発症し、目元が茶色く目立つようになります。ひどい場合は動物病院で診てもらいましょう。こまめにケアをすることで、目元の変色は防ぐことは可能です。
早期発見で悪化を防げる病気が多いので、小まめなコミュニケーションを心がけることが大切です。
日本スピッツの迎え入れについて
迎え入れにかかる費用
およそ30万円
日本スピッツの迎え入れにかかる費用は、およそ30万円です。
両親がコンテストのチャンピオンなど優秀な成績を収めている場合などは高くなる傾向がありますよ。
迎え入れ先
日本スピッツの迎え入れ先は、「ペットショップ」「ブリーダー」「里親」などです。
それぞれの方法にメリット・デメリットがあるので、自分に合った最適な方法で迎え入れるようにしてくださいね。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
この記事では、日本スピッツの飼い方について紹介しました。
日本スピッツは皮膚トラブルの多い犬種ですので、清潔を保つようにケアしてあげましょう。
賢くしつけがしやすい犬種なので、初心者でも飼育しやすいですよ。
不安な事や疑問があれば、プロに相談することもオススメです。
すでに飼育している、これから飼育を考えている皆様のお役に立てる情報があれば幸いです。