シェットランドシープドッグは、シェルティの愛称で知られる人気犬種です。
ふさふさの被毛と優しく愛らしい顔つきに魅了される人も多いですよ。
この記事では、シェットランドシープドッグの性格や特徴、子犬の迎え入れ費用や選び方、しつけや寿命についてまとめました。
目次
シェットランドシープドッグの基本情報
シェットランドシープドッグの性格
従順で愛情深い
警戒心が強い
賢く学習能力が高い
従順で愛情深い
シェットランドシープドッグは、家族に対して愛情深い性格です。飼い主や家族を喜ばせることが好きな一面も見られますよ。子供とも仲良くすることができるので、お子さんのいる家庭でも飼育しやすい犬種です。
警戒心が強い
シェットランドシープドッグは警戒心が強い性格でもあります。そのため、飼い主とその家族以外の人間や、犬・動物に対して慣れるのに時間がかかります。社会性は持ち合わせているので、子犬の頃から様々な環境へ足を運び、他の人間や動物に慣れさせるといいかもしれませんね。
賢く学習能力が高い
シェットランドシープドッグはとても賢く、学習能力が高い特徴があります。飼い主との主従関係を築ければ、しつけや指示を早く覚えてくれるでしょう。もともと牧場の番犬として活躍していた犬種で、吠えやすいという側面があります。また警戒心から見知らぬ人に嚙みつこうとする問題行動をする場もがあります。こうした「吠える」「噛む」といったトラブルを起こさないためにも、しっかりしつけを行う必要があります。
大きさや特徴
男の子 | 体高:35~39cm 体重:8~12kg |
---|---|
女の子 | 体高:33.5~37.5cm 体重:8~12kg |
牧羊犬として活躍していたシェットランドシープドッグは、中型犬と小型犬の中間くらいの大きさをしています。
「首から胸にかけての豪華な飾り毛」のほか、「長い鼻」「先端が前に折れた耳」といった特徴があります。
被毛
被毛のタイプはダブルコートで、毛色は
・セーブル
・トライ(ブラック&ホワイト&タン)
・ブルーマール(ブルーマール&ホワイト&タン)
・バイブラック(ブラック&ホワイト)
・バイブルー(ブルーマール&ホワイト)
の5色が認められています。
すべてのカラーには頭、首、胸、四肢、しっぽの先に白いマーキングが入りますよ。
ラフコリーとの違い
ラフコリー | 体高:51~61cm 体重:30kg 毛色:4色 性格:警戒心が強い |
---|---|
シェット ランド シープ ドッグ |
体高:30~40cm 体重:9kg 毛色:7色 性格:友好的 |
上記の表を見ると、ラフコリーとシェットランドシープドッグでは、大きさが全然違うことがわかりますね。
大きさ以外にも、額の部分に「額段」という段差があるかどうかで判断することができますよ。ラフコリーは額段が緩やかという特徴があるからです。
シェットランドシープドッグの迎え入れについて
迎え入れにかかる費用
シェットランドシープドッグの迎え入れにかかる費用は、およそ15万円です。
親犬がスタンダードに近い体型をしていたり、ブルーマールやバイブラックといった珍しい毛色をしていたりすると30万円を超える事もありますよ。
迎え入れ方
迎え入れる方法としては、「ペットショップ」「ブリーダー」「里親制度」の3つがあります。
それぞれにメリット・デメリットがあるので、自分にあって方法を選び迎え入れるようにしてくださいね。
シェットランドシープドッグの寿命・病気について
シェットランドシープドッグの平均寿命は13~15歳です。日本の家庭犬の平均が14歳と考えると、やや長生きする犬種だといえます。
かかりやすい病気は?
白内障
白内障は、黒目の中心にある水晶体が濁ったり白くなったりした状態で、目が見えにくくなる病気です。糖尿病によって併発することもあります。
薄暗い時間帯の散歩や部屋の中で物にぶつかったりつまづいたり、明るいときにはなかった様子がみられます。外傷による発症することもありますが加齢や遺伝でも発症する病気で、症状の進行は比較的ゆるやかです。
早期発見できるよう日ごろから愛犬の目の状態を確認しましょう。
愛玩動物看護師 渡邉鈴子さん
もし白内障になってしまったら、視界が悪くなるため、家の模様替えを控えるようにしましょう。また、ぶつかったら危ない角にはガードを付けるなど二次的な怪我の防止に努めましょう。
甲状腺機能低下症
甲状腺は喉のあたりにある小さな臓器で、甲状腺から分泌されるホルモンは全身の代謝に関係しています。
分泌されるホルモンが少なくなった状態が甲状腺機能低下症で、元気消失、脱毛、太りやすくなる、体温が下がるなどの症状がみられます。
予防方法はないため、定期的な健康診断で早期発見できるようにしてください。
シェットランドシープドッグの食事について
総合栄養食と一般食
ドッグフードをメインで与えたい場合は、「総合栄養食」と表示されているドッグフードを選びましょう。これは水と一緒に与えるだけで、健康が維持できるドッグフードのことです。選ぶ際は原材料を必ず確認しましょう。主原料が「肉類」であることが望ましいですよ。
手作り食をメインで与えたい場合は、「一般食」と表示されているドッグフードがおすすめです。いわば「おかず」のようなものであり、トッピングとして利用することで手軽に栄養を追加することができます。
食事量
ドッグフードの裏面に記載されている量をあげるようにします。ただ、体重との換算表は、愛犬が「理想体型」であることを前提としているので、太っている子や痩せている子は量の調整が必要となります。
ごはんを食べない・・・どうすればいい?
ご飯を食べない場合はいくつかの理由があり、主に「好みの味ではない・形状が気に入らない」「体調不良や季節による食欲の低下」「食器や環境が気に入らない」「ストレスが溜まっている」「病気」などが挙げられます。
この場合は、以下の方法を取り入れてみてくださいね。
トッピングをしてみる
まずはドッグフードにササミなどをトッピングして与えてみて、食欲が改善されるかを確認してみてください。新鮮な生肉を原材料に利用しているドッグフードに切り替えるのも手ですよ。
フードを食べやすくする
食べづらさが原因の場合は、飼い主さんがひと手間加えてあげましょう。ドライフードであれば、ぬるま湯でふやかして香りを立たせるのも手です。ニオイで食欲を刺激することができます。
また、粒が大きいようであれば砕いてあげるのもいいでしょう。ウェットタイプとドライタイプを組み合わせれば嗜好性が高まり、また水分も一緒に摂取することができます。
食器や環境を変えてみる
食器や食事の場所が関係する場合は、これらを変えるようにしてみましょう。フードを入れる容器や水飲み場を食事しやすい食器に変更したり、落ち着いて食べられるスペースを確保してあげるといいかもしれません。
「飼い主さんと過ごす時間が足りない」「運動不足」などでストレスを抱えている場合もあるので、たくさん遊んだり散歩の時間を増やしてストレスを発散させてみるのもオススメです。
動物病院で診てもらう
食べない原因が病気の可能性もあります。食べたくても、食べられないのかもしれません。ぐったりしている、元気がないといった様子が見られるようであれば、かかりつけの動物病院で診てもらいましょう。
シェットランドシープドッグの運動について
牧羊犬として活躍していた犬種で体力があるので、毎日しっかりと運動させるようにします。
1日2回それぞれ1時間程度の散歩に加え、ボール投げやロープ引っ張りなど遊びの要素を取り入れると好奇心を満たしてあげることができます。
エネルギーを発散する時間は必要
必要な運動量が多く欲求が満たせないと、無駄吠えなどの問題行動に繋がる可能性があります。不満が溜まり心身の健康に影響することも考えられるので、運動する時間は必要です。
シェットランドシープドッグのしつけについて
シェットランドシープドッグは従順で学習能力が高い犬種です。飼い主さんとその家族で指示にブレがあると、シェットランドシープドッグとしてどちらの指示が正しいのか分からなくなってしまいます。一貫性のあるしつけをしてください。
また牧羊犬として活躍しつつ、羊から畑を守る番犬のようなポジションにいたこともあって、動くものや音に敏感に反応することも。これらに反応しても「怖くない」と理解してもらうことで、吠えたり追いかけたりしなくなります。
飼い主がリーダーであると教えること
しつけで大切なことは、飼い主がリーダーであるという関係性を理解してもらうことです。
賢い犬種なのでしつけで飼い主さんを困らせることは少ないですが、頼りないリーダーだと思われてしまうと立場が逆転、手に負えない猛犬になってしまうこともあります。
シェットランドシープドッグの飼育環境について
飼育するために準備しておくもの
飼育スペース・ケージ
食器類・床材
首輪やリード・おもちゃ
ドッグフードとおやつ
トイレ用品
ケア用品
動物病院
サモエドとの生活をより快適なものにするために、「飼育スペース・ケージ」「食器類・床材」「首輪やリード・おもちゃ」「ドッグフードとおやつ」「トイレ用品」「ケア用品」「動物病院」などの生活用品や準備を揃えておきましょう。
飼育スペース・ケージ
快適に過ごせるスペースを確保します。サークルは十分な広さを確保できるもので、犬用のベッドやケージ・クレートを用意しましょう。クレートとは箱状の家のようなものであり、犬にとって寝床となったり安心できるものになります。移動するときにも使え、病院へ連れて行くときや災害による避難の際にも活躍します。
愛玩動物看護師 渡邉鈴子さん
クレートは普段から慣れさせておくことで、スムーズに動物病院へ連れていくことが可能です。クレートを動物病院へ行くときにしか使用していないと、クレート=動物病院という認識になってしまいます。普段から使用することで防ぐことが可能です。
食器類・床材
ご飯を食べる時に必要な食器を用意しましょう。水のみ用のボウルとフードのためのボウルを別々に準備してあげてください。食器類を選ぶ際は「耐久性はあるか」「滑りにくくないか」「大きさは適切か」といったことを目安に探してみてください。床材についてはすべりにくい材質のものを選び、思わぬ転倒を防ぐために用意しておくと良いでしょう。
首輪やリード・おもちゃ
散歩や運動をするときのために、首輪やリード・ハーネスを準備しましょう。遊ぶためのおもちゃや知育玩具なども用意しておくと、遊びを通して良好な関係性を築くことができますよ。
ドッグフードとおやつ
健康管理のため、年齢に適した高品質の犬用のドッグフードを用意しましょう。初めて犬を飼育する方は、水と餌だけで栄養が賄える「総合栄養食」と書かれたドッグフードを用意するといいですね。飼育に応じて適切な量を与えるようにしてください。絶対に必要というわけではないですが、おやつも同時に用意しておくといいですね。しつけトレーニングの際に「ご褒美」として利用できますよ。
トイレ用品
屋内で飼育する際は、排泄物を処理するための犬用のトイレトレーを用意します。また、トイレトレーニングのために新聞紙やトレーニングパッドも役立ちますので、一緒に揃えておくといいですね。
ケア用品
健康と衛生を保つために、犬用のシャンプーやブラシ、爪切り、歯磨きセットなどのケア用品を用意します。
動物病院
何かあった際や健康管理のために、かかりつけの動物病院も見つけておくと安心です。獣医師の診察や予防接種、必要な薬やサプリメントなどを考慮し予算を立てておくのもいいですね。
敷地内に放す場合の対策
牧羊犬をルーツに持つため、自転車やバイクなどを追いかけたり吠えたりすることがあります。敷地内に放す際は、衝動的に走って敷地から出ないよう柵などの対策が必要です。
熱中症対策必須!
ダブルコートで被毛が密集しているため、熱中症対策が必須です。常にエアコンで室温を調整し、新鮮な水が飲める場所を複数設置しましょう。
シェットランドシープドッグのお手入れについて
被毛ケア
シャンプー
歯磨き
爪切り
耳掃除
シェットランドシープドッグとの生活をより良くするためには、日々のこまめなケアが欠かせません。
被毛ケア
ブラッシングは、毎日、換毛期であれば1日2回を目安に行います。
スリッカーブラシで余計なアンダーコートを取り除いた後にコームで仕上げます。
シャンプー
1~2ヶ月に1回を目安に行います。
シャンプー前にブラッシングで余計な抜け毛を取り除いておくと、毛が絡みにくくなってシャンプーしやすくなりますよ。
シャンプーが終わった後は流し残しのないように、丁寧にすすぐことも忘れないでくださいね。
歯磨き
定期的な歯磨きは口腔疾患のケアに繋がります。
指に巻いたガーゼで歯の表面に付着した汚れをふき取るようにします。
爪切り
血管を傷つけないように、爪の先端から少しずつ切るようにします。万が一の時のために止血剤も用意しておくといいですよ。
耳掃除
耳掃除は、耳が汚れているタイミングで行います。
「耳垢が増えた」などいつもと違う様子であれば、病院で診察を受けるようにしてくださいね。
愛玩動物看護師 渡邉鈴子さん
日々のお手入れが自宅で行うのが難しい場合は動物病院やトリミングサロンなどにお任せすることも視野にいれるといいでしょう。
まとめ
この記事では、シェットランドシープドッグの飼い方について紹介しました。
しつけをしっかり行うことで、犬にとっても快適で穏やかな生活を送ることができます。
上手くできない・・・不安だ・・・という場合は、プロの力を借りましょう。
すでに飼育している、これから飼育を考えている皆様のお役に立てる情報があれば幸いです。