ブリタニースパニエルの性格や特徴、しつけ、寿命や病気、飼い方は?

ブリタニ―スパニエル
愛玩動物看護師
監修者:渡邉鈴子

栃木県生まれ。帝京科学大学にて4年間、動物看護学をはじめとした動物関連の科目を学び、2023年5月には愛玩動物看護師免許を取得。これまでにうさぎや猫の飼育経験あり。2024年にはペット栄養管理士の資格も取得。

ブリタニースパニエルはフランスのブルターニュ地方原産の中型の鳥猟犬です。フランス原産の鳥猟犬種の中で最も頭数の多い犬種で、好奇心旺盛な性格の持ち主。

まだまだ日本では珍しいブリタニースパニエル。そんなブリタニースパニエルの歴史から性格や特徴、しつけで注意したいこと、寿命や病気など幅広くまとめました。

ブリタニースパニエルの基本情報

ブリタニースパニエルの画像

歴史

ブリタニー・スパニエルは1800年代後半、優れた嗅覚・ポインティング能力・回収能力・従順さから、万能犬として重宝され、1907年に原産国であるフランスで犬種として公認。優秀な猟犬で、独特の美しい毛並みを持っており落ち着いた性格からフランスでは人気が高い犬種でした。

1930年にアメリカに輸出されるようになると、数年のうちに人気犬種の仲間入りをします。現地の狩猟に適した改良が続けられ、フレンチ種よりも少し大きな頭部と体になりがっちりとした筋肉質の体格に。

紳士階級の人々から密猟者にまで広く愛されてきました。スパニエルの中では最古の犬種の一つとされており、カナダやアメリカでは健康な猟犬や家庭犬としても人気があります。

特徴

大きさ

ブリタニースパニエルは体高が44~52cm、体重が13~18kgで中型犬に分類されます。スクエア型の骨太で筋肉質な体型で、ポインティング犬種の中では最小の犬種です。

見た目

足が長く、垂れ耳と毛先にゆるくウェーブがかかった被毛を持っています。目の上に密集している細い眉毛は、イバラなどの木立から目を守るために進化した部位です。
筋肉はたくましく、実猟の際にはふさわしいスピードや持久力、跳躍力を存分に活かして動きます。尻尾は遺伝的に生えている個体と生えていない個体がいます。尻尾が長いブリタニースパニエルは9cm程残して断尾することが多いです。

被毛

被毛は滑らかなショートコートで、胸、臀部、尾などにフサフサした毛があります。カラーはホワイトをベースに、オレンジ、ブラック、パイボールド、さらにローンと呼ばれるホワイトに色のついた毛が混ざっている毛色がありますよ。

ブリタニースパニエルの性格

ブリタニースパニエルの画像

性格

陽気で穏やか
人懐っこい
社交的で友好的
独立心が強い

人懐っこく家庭犬向き

ブリタニースパニエルは陽気で人なつっこく、愛情深い性格をしています。飼い主の指示には敏感で的確に反応し環境適応能力が高いため、子どもや他の犬とも仲良くできます。好奇心が旺盛なので、鳥や動くおもちゃなどに反応して、きびきびとしています。部屋を偵察したり、何かに飛びついて遊んだりと、動き回ることが大好きです。正しくコミュニケーションが取れれば、家庭犬として最高の愛犬になってくれますよ。

独立心が強いのでしつけは根気よく

穏やかな性格のブリタニースパニエルですが、独立心が強い一面も持ち合わせています。しつけが中途半端であったり一貫性がない場合、自分の考えで行動するようになり言う事を聞かなくなる可能性も。子犬の頃からのしつけは重要です。猟犬としての歴史から小動物を追いかける行動もみられるので、行動の面でもしつけは徹底しましょう。

ブリタニースパニエルの散歩やしつけ

ブリタニースパニエルの画像

豊富な運動と散歩が必要!

ブリタニースパニエルは好奇心旺盛で猟欲があるため、ゲーム要素を取り入れたスポーツが大好きです。精神的にも肉体的にも刺激になる運動をしてあげてください。他の犬種に比べて運動量が多いので、毎日最低でも1~2時間程度の散歩が必要になります。

運動が足りないとストレスが溜まり、無駄吠えをしたり物を壊したりすることもあります。

しつけは根気よく!

飼い主との主従関係をはっきりしつけて、強い自立心を抑える必要があります。子犬の頃から徹底的に教えてあげてください。訓練になれているため、訓練競技会やドッグスポーツなどへのチャレンジもおすすめです。

散歩の時に周りの動くものへの好奇心から、飼い主を引っ張り癖のあるタイプが多いようですが、根気よくしつけてあげてください。

ブリタニースパニエルの迎え入れ方法や価格

ブリタニースパニエルの子犬の画像

迎え入れ方法

ブリタニースパニエルを迎えいれる場合の選択肢に「ペットショップ」「ブリーダーさん(犬舎)」がありますが、ブリーダーさんから家族として迎え入れるのがおすすめです。

ペットショップで扱っている場合は決して多くはなく、特定の犬種についての知識や経験が豊富なブリーダーさんのほうが安心できます。中にはスポーティングドッグ・フィールド系鳥猟犬の専門犬舎もあるため、迷ったら一度犬舎を訪れてみるのが良いでしょう。

価格

ブリーダーさんと成約した場合、およそ30万円かかります。

ブリタニースパニエルの飼育環境やお手入れについて

ブリタニースパニエル1

飼育するために準備しておくもの

準備するもの

飼育スペース・ケージ
食器類・床材
首輪やリード・おもちゃ
ドッグフードとおやつ
トイレ用品
ケア用品
動物病院

ブリタニースパニエルとの生活をより快適なものにするために、「飼育スペース・ケージ」「食器類・床材」「首輪やリード・おもちゃ」「ドッグフードとおやつ」「トイレ用品」「ケア用品」「動物病院」などの生活用品や準備を揃えておきましょう。

飼育スペース・ケージ

快適に過ごせるスペースを確保します。サークルは十分な広さを確保できるもので、犬用のベッドやケージ・クレートを用意しましょう。クレートとは箱状の家のようなものであり、犬にとって寝床となったり安心できるものになります。移動するときにも使え、病院へ連れて行くときや災害による避難の際にも活躍します。

愛玩動物看護師 渡邉鈴子さん
クレートは普段から慣れさせておくことで、スムーズに動物病院へ連れていくことが可能です。クレートを動物病院へ行くときにしか使用していないと、クレート=動物病院という認識になってしまいます。普段から使用することで防ぐことが可能です。

食器類・床材

ご飯を食べる時に必要な食器を用意しましょう。水のみ用のボウルとフードのためのボウルを別々に準備してあげてください。食器類を選ぶ際は「耐久性はあるか」「滑りにくくないか」「大きさは適切か」といったことを目安に探してみてください。床材についてはすべりにくい材質のものを選び、思わぬ転倒を防ぐために用意しておくと良いでしょう。フローリングの床で滑って関節を痛めないよう、すべりづらいカーペットを敷くなどの対策をしてあげてくださいね。

首輪やリード・おもちゃ

散歩や運動をするときのために、首輪やリード・ハーネスを準備しましょう。遊ぶためのおもちゃや知育玩具なども用意しておくと、遊びを通して良好な関係性を築くことができますよ。

ドッグフードとおやつ

健康管理のため、年齢に適した高品質の犬用のドッグフードを用意しましょう。初めて犬を飼育する方は、水と餌だけで栄養が賄える「総合栄養食」と書かれたドッグフードを用意するといいですね。飼育に応じて適切な量を与えるようにしてください。絶対に必要というわけではないですが、おやつも同時に用意しておくといいですね。しつけトレーニングの際に「ご褒美」として利用できますよ。

トイレ用品

屋内で飼育する際は、排泄物を処理するための犬用のトイレトレーを用意します。また、トイレトレーニングのために新聞紙やトレーニングパッドも役立ちますので、一緒に揃えておくといいですね。

ケア用品

健康と衛生を保つために、犬用のシャンプーやブラシ、爪切り、歯磨きセットなどのケア用品を用意します。

動物病院

何かあった際や健康管理のために、かかりつけの動物病院も見つけておくと安心です。獣医師の診察や予防接種、必要な薬やサプリメントなどを考慮し予算を立てておくのもいいですね。

屋内飼育でコミュニケーションを積極的に

人との交流が好きな犬種ですので、飼い主とのコミュニケーションが少ないと、ストレスが溜まってしまいます。室内で飼育するようにして、なるべく多く話しかけてあげてくださいね。

どんなお手入れが必要?

お手入れ項目

被毛ケア
シャンプー
耳掃除
歯磨き
爪切り

ブリタニースパニエルとの生活をともにする上で、日々のお手入れは大切です。「被毛ケア」「シャンプー」「耳掃除」「歯磨き」「爪切り」などを取り入れて清潔を保つようにしましょう。

被毛ケア

被毛は定期的にブラッシングすることが重要です。毛の絡まりや抜け毛を防ぎ、清潔で健康な被毛を保つことができますよ。被毛はダブルコートですが、手入れは難しくはありません。週に2回程度のブラッシングで清潔に保つようにしましょう。

シャンプー

適切な犬用シャンプーを使用し、毛並みや肌に合わせた温度のお湯で洗います。頻度は個体や被毛の状態により異なるため、獣医師のアドバイスを参考にするようにしてください。

耳掃除

耳は定期的にチェックしましょう。見える範囲でいいので耳専用のクリーナーを使用して掃除をしてあげてください。「耳垢が増えた」「悪臭がする」といった普段と違う様子の場合は病院で見てもらいましょう。

歯磨き

犬の歯の健康は全体的な健康にも関わるため、定期的な歯磨きが必要になります。犬用の歯ブラシや、歯垢・歯石を取り除いてあげてください。歯ブラシが苦手な方は、歯磨き用のおもちゃやパウダー状の食事に混ぜるケア用品も販売されていますので、ぜひ取り入れてみてくださいね。

爪切り

犬の爪は適度な長さに保つ必要があります。必要に応じて爪切りを使用し、適切な長さに切り揃えましょう。

愛玩動物看護師 渡邉鈴子さん
日々のお手入れが自宅で行うのが難しい場合は動物病院やトリミングサロンなどにお任せすることも視野にいれるといいでしょう。

ブリタニースパニエルの寿命や病気

ブリタニースパニエル2

寿命

平均寿命

12歳~15歳

ブリタニースパニエルの平均寿命は12歳から15歳です。

中型犬の平均寿命は10歳~14歳くらいと言われているので、平均的と言えますね。

かかりやすい病気は?

病気

皮膚糸状菌症
眼瞼炎
突発性激怒症候群

ブリタニースパニエルが気を付けたい病気は「皮膚糸状菌症」「眼瞼炎」「突発性激怒症候群」などです。

皮膚糸状菌症

皮膚糸状菌症は、皮膚の角質に細菌が感染してしまう後天性の病気です。円形の脱毛や脱毛部にかさぶたができている場合は注意が必要です。

人にも感染する可能性があるので、普段からコートのお手入れと皮膚のチェックをこまめにしてケアしてあげてください。

眼瞼炎

眼瞼とはまぶたのことで、このまぶたに炎症がおきてしまうことを眼瞼炎といいます。目の周りが赤くはれる、脱毛する、涙・まばたきが多くなるなどがみられたら、すぐに動物病院を受診しましょう。

原因としてはまぶたに植物等のトゲが刺さったりケガしたり、生まれつき異常があったり、結膜炎やドライアイなどが考えられます。日頃から目をチェックして、早期発見できるようにしてください。

突発性激怒症候群

突発性激怒症候群は、性格が急変して何の前触れもなく何度も激しく咬み付く症状が起きる病気で、脳神経の病気として獣医学的に知られていますが治療法がありません。

飼い主さんが突然咬まれたとき、病気によるものなのかどうかを正しく見極めるためにも、日ごろから甘やかさずにきちんとしつけを行う習慣が大切です。

総合栄養食と一般食

ドッグフードをメインで与えたい場合は、「総合栄養食」と表示されているドッグフードを選びましょう。これは水と一緒に与えるだけで、健康が維持できるドッグフードのことです。選ぶ際は原材料を必ず確認しましょう。主原料が「肉類」であることが望ましいですよ。

手作り食をメインで与えたい場合は、「一般食」と表示されているドッグフードがおすすめです。いわば「おかず」のようなものであり、トッピングとして利用することで手軽に栄養を追加することができます。

おすすめした2つのドッグフードはどちらも「総合栄養食」になります。

食事量

ドッグフードの裏面に記載されている量をあげるようにします。ただ、体重との換算表は、愛犬が「理想体型」であることを前提としているので、太っている子や痩せている子は量の調整が必要となります。

ごはんを食べない・・・どうすればいい?

ご飯を食べない場合はいくつかの理由があり、主に「好みの味ではない・食べにくい」「体調不良や季節による食欲の低下」「食器や環境が気に入らない」「ストレスが溜まっている」「病気」などが挙げられます。

この場合は、以下の方法を取り入れてみてくださいね。

トッピングをしてみる

まずはドッグフードにササミなどをトッピングして与えてみて、食欲が改善されるかを確認してみてください。新鮮な生肉を原材料に利用しているドッグフードに切り替えるのも手ですよ。

フードを食べやすくする

食べづらさが原因の場合は、飼い主さんがひと手間加えてあげましょう。ドライフードであれば、ぬるま湯でふやかして香りを立たせるのも手です。ニオイで食欲を刺激することができます。
また、粒が大きいようであれば砕いてあげるのもいいでしょう。ウェットタイプとドライタイプを組み合わせれば嗜好性が高まり、また水分も一緒に摂取することができます。

食器や環境を変える

食べやすい食器に変更したり、食事する場所を変えてみるといいかもしれません。ストレスを抱えている場合もあるので、遊びや散歩の時間を増やして発散させるのもいいですね。

動物病院で診てもらう

食べない原因が病気の可能性もあります。食べたくても、食べられないのかもしれません。「好きなおやつも食べない」「ぐったりしている」「元気がない」といった様子が見られるようであれば、かかりつけの動物病院で診てもらいましょう。

様々な魅力に溢れた犬

ブリタニースパニエルの画像
猟犬としてのたのもしい性格ながら、ブリタニースパニエル独特の少し巻き毛の入った美しい毛並みをもっています。家庭犬としても優秀で、落ち着いた性格は飼い主を癒やしてくれます。

外見の美しさとしつけのしやすさや性格の両方で楽しみたい飼い主さんにおすすめの犬種ですよ。

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