ベルジアングローネンダールはベルギー原産の牧羊犬種で、主に羊の誘導や農場の見張り、レシーバードッグとして活躍していました。
海外では警察犬としても活躍しています。
今回の記事では、ベルジアングローネンダールの歴史、性格や特徴、しつけ、寿命や病気、飼い方についてまとめました。
目次
ベルジアングローネンダールの基本情報は?
特徴
ベルジアングローネンダールは、元々は主に牧畜犬として愛されていました。近年では家畜を管理統率する能力と知力、飼い主に対して忠実な性格、適度に警戒心を持ちつつ周囲に気を配れる防衛本能の高さから、国内外で警察犬として採用されることも多いです。
4種いるベルジアンシェパードの中でも一番人気の犬種で、ペットやショードッグとしても数多く飼育されています。
見た目や行動
ベルジアングローネンダールの外見は、がっしりとした骨格とほぼ正方形に近い形の胴体をしており、思慮深い表情と優雅な身のこなしが特徴的です。知的で用心深く、キビキビとしたすばやい動きをします。自らのテリトリーを示すために、大きく輪を描くようにグルグルと動くことがよくあります。
体高・体重
ベルジアングローネンダールの体高は56~66cm、体重27~29kgの大型犬に分類されます。
被毛の特徴
被毛は長くて豊かな直毛の上毛と、体全体に密集している下毛のダブルコートです。カラーは光沢のある黒で、ベルジアングローネンダールの外見の魅力を引き立てています。
ベルジアングローネンダールの性格は?
性格
愛情深い
忠実
人懐っこい
警戒心が強い
独立心が強い
忠実で愛情深い家庭犬
ベルジアングローネンダールは飼い主には従順で愛情深く、忠実に家族や飼い主を守ろうと努力する性格をしています。子供の面倒をみることも大好きなので、良い家庭犬と言えるでしょう。自分のテリトリーや家族を守ろうとする守備本能が強いので、番犬にも向いていますよ。
警戒心や独立心が強い
ベルジアングローネンダールは警戒心が強く、飼い主のよきパートナーになりたいという気持ちが強くなる傾向にあります。そのため、飼い主以外の人間や他の犬・動物に対して攻撃的になってしまうことがあります。子犬の頃から他の人間や動物に触れ合う機会を作り、慣れさせるといいかもしれませんね。独立心も強いため勝手に判断して行動させないよう、子犬の頃から徹底してしつけを行う必要があります。他のペットや子どもを家族の一員として認識させるようにしておきましょう。
ベルジアングローネンダールの散歩やしつけは?
散歩
ベルジアングローネンダールは毎日運動や散歩が必要です。朝晩2回、駆け足を取り入れた散歩を1時間程度行ってください。ドッグランや大きい広場で、周りの安全を確保したうえで思いっきり遊ばせてあげると喜びますよ。記憶力が優れた頭の良い犬種で、飼い主の指示に従いたがるので、フリスビーやアジリティーにチャレンジさせるのもおすすめです。
運動量が少ないとストレスを溜めてしまうことがあります。また、運動不足が原因で肥満となり、関節系の病気などを発症してしまう可能性もありますので、日々の運動を欠かさないようにしましょう。
しつけ
ベルジアングローネンダールは賢くて集中力も高いのでしつけやすい犬種です。
支配欲が強くなり飼い主ではなく自分がリーダーだと思い込むこともあるので、子犬の頃から主従関係をはっきりさせ、服従訓練は欠かさないようにしてください。飼い主の態度に敏感で、常にしかめっ面をしている飼い主さんですとストレスを感じてしまうので注意が必要です。できるだけたくさん愛情表現をしながら、褒めて伸ばしてあげるしつけが大切です。
ベルジアングローネンダールの寿命や病気は?
寿命
10~12年
ベルジアングローネンダールの平均寿命は10~12年です。大型犬としては平均的です。
食事や運動などで健康を意識することでもっと長い時間を共に過ごせるでしょう。
病気
股関節形成不全てんかん
アレルギー性皮膚炎
ベルジアングローネンダールは病気にかかりにくい犬種ですが、「股関節形成不全」「てんかん」「アレルギー性皮膚炎」などには注意が必要です。
股関節形成不全
「股関節形成不全」は股関節の骨の形が変形してしまう関節の病気です。犬の中でも特に大型犬に多い病気と言われています。変形した箇所が嚙み合わず炎症を起こし、痛みで動くのを嫌がるようになります。治療法は年齢や状態で様々な方法が提案されます。
「股関節形成不全」になると歩き方が変になります。散歩中愛犬の歩き方に違和感を覚えたら、なるべく早く獣医さんに診てもらってください。肥満が原因であることが多いので、食事と運動のバランスに注意してあげてくださいね。
てんかん
シェパード種は突発性の「てんかん」を発症しやすい犬種でもあります。「てんかん」は脳機能に異常が見られる病気であり、原因ははっきりわかっていません。普通は短時間で回復しますが、長時間回復しなかったり、頻繁に起こる場合は病院で診てもらうようにしてください。
アレルギー性皮膚炎
「アレルギー性皮膚炎」は、食べ物や環境などのアレルギーにより、皮膚に炎症を起こす病気です。痒みや肌荒れの他、個体によってはべた付いたりすることもあります。
ベルジアングローネンダールの飼い方は?迎え入れる方法は?
飼育環境
飼い主が大好きで家族と一緒に過ごす時間に喜びを感じる犬種なので、室内飼いをおすすめします。
飼育スペースは広い環境を用意しましょう。大型犬なので、あまり狭い場所ではストレスになりますよ。
子犬の頃から外に連れ出してたくさんの人や犬とコミュニケーションをとるように心がけてくださいね。社交性や協調性を育むことで、おおらかな性格を構築できれば、より理想的なペットになってくれますよ。
揃えるもの
飼育スペース・ケージ
食器類・床材
首輪やリード・おもちゃ
ドッグフードとおやつ
トイレ用品
ケア用品
動物病院
ベルジアングローネンダールとの生活をより快適なものにするために、「飼育スペース・ケージ」「食器類・床材」「首輪やリード・おもちゃ」「ドッグフードとおやつ」「トイレ用品」「ケア用品」「動物病院」などの生活用品や準備を揃えておきましょう。
飼育スペース・ケージ
快適に過ごせるスペースを確保します。サークルは十分な広さを確保できるもので、犬用のベッドやケージ・クレートを用意しましょう。クレートとは箱状の家のようなものであり、犬にとって寝床となったり安心できるものになります。移動するときにも使え、病院へ連れて行くときや災害による避難の際にも活躍します。
食器類・床材
ご飯を食べる時に必要な食器を用意しましょう。水のみ用のボウルとフードのためのボウルを別々に準備してあげてください。食器類を選ぶ際は「耐久性はあるか」「滑りにくくないか」「大きさは適切か」といったことを目安に探してみてください。床材についてはすべりにくい材質のものを選び、思わぬ転倒を防ぐために用意しておくと良いでしょう。フローリングの床で滑って関節を痛めないよう、すべりづらいカーペットを敷くなどの対策をしてあげてくださいね。
首輪やリード・おもちゃ
散歩や運動をするときのために、首輪やリード・ハーネスを準備しましょう。遊ぶためのおもちゃや知育玩具なども用意しておくと、遊びを通して良好な関係性を築くことができますよ。
ドッグフードとおやつ
健康管理のため、年齢に適した高品質の犬用のドッグフードを用意しましょう。初めて犬を飼育する方は、水と餌だけで栄養が賄える「総合栄養食」と書かれたドッグフードを用意するといいですね。飼育に応じて適切な量を与えるようにしてください。絶対に必要というわけではないですが、おやつも同時に用意しておくといいですね。しつけトレーニングの際に「ご褒美」として利用できますよ。
トイレ用品
屋内で飼育する際は、排泄物を処理するための犬用のトイレトレーを用意します。また、トイレトレーニングのために新聞紙やトレーニングパッドも役立ちますので、一緒に揃えておくといいですね。
ケア用品
健康と衛生を保つために、犬用のシャンプーやブラシ、爪切り、歯磨きセットなどのケア用品を用意します。
動物病院
何かあった際や健康管理のために、かかりつけの動物病院も見つけておくと安心です。獣医師の診察や予防接種、必要な薬やサプリメントなどを考慮し予算を立てておくのもいいですね。
お手入れ
被毛ケア
シャンプー
耳掃除
歯磨き
爪切り
ベルジアングローネンダールとの生活をともにする上で、日々のお手入れは大切です。「被毛ケア」「シャンプー」「耳掃除」「歯磨き」「爪切り」などを取り入れて清潔を保つようにしましょう。
被毛ケア
被毛は定期的にブラッシングすることが重要です。毛の絡まりや抜け毛を防ぎ、清潔で健康な被毛を保つことができますよ。
日常の手入れは、散歩から帰った後にピンブラシで全身ブラッシングしてあげてください。換毛期にはかなりの毛が抜けるので、抜け毛を除去するためのピンブラシと艶出し用に獣毛ブラシを用意しておくことをおすすめします。
シャンプー
適切な犬用シャンプーを使用し、毛並みや肌に合わせた温度のお湯で洗います。体臭がほとんどないので、シャンプーは月に一回程度で十分ですが、頻度は個体や被毛の状態により異なるため、獣医師のアドバイスを参考にするようにしてください。
耳掃除
耳は定期的にチェックしましょう。耳掃除は、見える範囲で汚れを取り除きましょう。耳専用のクリーナーを使って綺麗にしておくことで、外耳炎などの耳の病気を防ぐことができますよ。「耳垢が増えた」「耳から悪臭がする」といった場合は、すぐに病院で診てもらいましょう。
歯磨き
犬の歯の健康は全体的な健康にも関わるため、定期的な歯磨きが必要になります。犬用の歯ブラシや、歯垢・歯石を取り除いてあげてください。歯ブラシが苦手な方は、歯磨き用のおもちゃやパウダー状の食事に混ぜるケア用品も販売されていますので、ぜひ取り入れてみてくださいね。
爪切り
犬の爪は適度な長さに保つ必要があります。必要に応じて爪切りを使用し、適切な長さに切り揃えましょう。
ベルジアングローネンダールの迎え入れ方法は?
ベルジアングローネンダールを迎え入れる場合、主に「ブリーダー」を通して迎え入れる方法があります。
また、タイミングが良ければ「里親募集」でも見つかるかもしれません。
非常に入手が厳しい犬種なので、ペットショップで出会うことはほぼないと言えます。
ベルジアングローネンダールにおすすめのドッグフードは?
愛犬に合ったフードを!
ドッグフードをメインで与えたい場合は、「総合栄養食」と表示されているドッグフードを選びましょう。これは水と一緒に与えるだけで、健康が維持できるドッグフードのことです。
選ぶ際は原材料を必ず確認しましょう。主原料が「肉類」であることが望ましいですよ。ベルジアングローネンダールは「アレルギー性皮膚炎」に気を付けたい犬種であり、穀物にアレルギーも持つ子は「グレインフリー」の表示があるドッグフードを選びましょう。
手作り食をメインで与えたい場合は、「一般食」と表示されているドッグフードがおすすめです。いわば「おかず」のようなものであり、トッピングとして利用することで手軽に栄養を追加することができます。
ドッグフードには高温で焼き上げた「ドライフード」や、水分量の多い「ウェットフード」などさまざまな食感のドッグフードがあります。歯や顎の状態や、年齢・好みに合わせて選択して与えて下さいね。
食事量について
ドッグフードの場合は裏面に記載されている量を与えるようにしましょう。ただ、体重との換算表は愛犬が「理想体型」であることが前提ですので、太っている子や痩せている子の量は調整が必要になります。子犬やシニア犬の場合も同様で、体形や体質を確認を確認しながら量の調整を行ってくださいね。
ごはんを食べない・・・どうすればいい?
ご飯を食べない場合はいくつかの理由があり、主に「好みの味ではない・食べにくい」「体調不良や季節による食欲の低下」「食器や環境が気に入らない」「ストレスが溜まっている」「病気」などが挙げられます。
この場合は、以下の方法を取り入れてみてくださいね。
トッピングをしてみる
まずはドッグフードにササミなどをトッピングして与えてみて、食欲が改善されるかを確認してみてください。新鮮な生肉を原材料に利用しているドッグフードに切り替えるのも手ですよ。
フードを食べやすくする
食べづらさが原因の場合は、飼い主さんがひと手間加えてあげましょう。ドライフードであれば、ぬるま湯でふやかして香りを立たせるのも手です。ニオイで食欲を刺激することができます。
また、粒が大きいようであれば砕いてあげるのもいいでしょう。ウェットタイプとドライタイプを組み合わせれば嗜好性が高まり、また水分も一緒に摂取することができます。
食器や環境を変える
食べやすい食器に変更したり、食事する場所を変えてみるといいかもしれません。ストレスを抱えている場合もあるので、遊びや散歩の時間を増やして発散させるのもいいですね。
動物病院で診てもらう
食べない原因が病気の可能性もあります。食べたくても、食べられないのかもしれません。「好きなおやつも食べない」「ぐったりしている」「元気がない」といった様子が見られるようであれば、かかりつけの動物病院で診てもらいましょう。
見た目とのギャップも魅力的
いかがでしたでしょうか。
ベルジアングローネンダールは黒い体の大型犬で、強面なイメージがありますが、とても寂しがり屋で甘えん坊な性格をしています。いつも飼い主の近くにいて、どこにでもくっついてくる人なつっこい犬なのです。
警察犬としても活躍しているようにいざというときには心強いパートナーになってくれるので、大型犬を検討している方におすすめです。ベルジアングローネンダールの見た目と性格のギャップに魅了されること間違いなしですよ。