猫も人間と同じようにおならをするってご存知ですか?
猫のおならは音が出ないことが多く、音が出ても「プシュッ」と炭酸の飲み物を開けた時のような音が出る程度です。
そして、猫のおならは、すごく臭いと言われています。
生理現象なのでおならが出るのは仕方がないことですが、臭いおならが続くと、体調を崩しているのではないかと心配になりますよね。
✓最近、おならの頻度が高いし、臭い気がする…
✓お腹がすごく張ってる気がする…
✓まさか何か病気が…?
など、猫のおならについて気になることが解消できるよう、猫のおならが臭いときの原因と対策をまとめました。
病気が疑わしい場合の兆候についても紹介しているので、猫のおならの臭いに困っている飼い主の方はチェックしてみてください。
猫もおならをする?
猫も、人間と同じようにおならをします。そもそもおならというのは、食べたものを腸内で発酵するときに発生したガスが、腸管に吸収されず外に出てくるものです。
食べ物を食べている以上、避けることはできない生理現象となっています。
猫のおならにはほとんど音がないので、おならをしたかどうかわからないことも多いです。
おならをする時のポーズも様々で、うんちの時のようにわかりやすいポーズがありません。寝たまましれっとおならをしていることもありますし、四つ這いで頑張って踏ん張るようなポーズをすることもあります。
そのため、臭い以外に気づく方法がなかなかないのですが、おならも、健康状態のバロメーターのひとつです。
段よりもおならが臭いとか、ガスが溜まってお腹が張っているとか、何度もおならをするとか、そういう変化に気がつけるよう、普段から注意して様子を見てあげてください。
猫のおならが臭いときの原因は?
おならは、小腸で消化されなかった繊維質や食べ物のカスが大腸で分解される際に発生したガスです。
腸を持つすべての動物は消化の過程でこのガスが発生しますが、おならが臭いのは、硫化水素、インドール、スカトール、アンモニアなどの成分が原因です。
そのため、どんな動物でもおならは臭いものですが、中でも猫のおならが臭くなってしまう原因って何なのでしょうか?
肉食動物
猫は肉食動物です。お肉類のタンパク質を体の中で分解する際、臭いの原因となるアンモニアなどの物質が多く発生します。人間も、お肉ばかり食べているとおならが臭くなりますが、猫も同じです。
「じゃあタンパク質を減らせばいいんだ」と思われるかもしれませんが、そうではありません。
猫は犬などの他の動物より、タンパク質を多く必要とします。体重1kgあたり3 〜5gが必要と言われています。犬は1kgあたり1.6〜2.5g、人間は1kgあたり0.8gなので、かなり違いますね。
そのため、猫のおならが臭いのは、ある程度は「仕方がない」ことなのです。
ストレス
ストレスで胃が痛くなったり下痢になったりした経験がある方もいると思いますが、ストレスは、 胃や腸などの消化器官に影響を与えます。猫も同じです。
しかも、猫は、かなりストレスを感じやすい動物です。ストレスを感じる場面には個体差があり、雷などの音や光をストレスに感じる子もいれば、日頃のブラッシングなどをストレスに感じる子もいます。
ストレスなく過ごしてもらうためには、猫にとって快適な環境を整えてあげることが大切です。
例えば、引越しをする場合には前の家で使っていた寝床などをそのまま持ってきて使用したり、キャットタワーなどを用意して十分に運動ができるようにしたりと、ストレスを減らして過ごせる環境づくりが大切になります。
他にも、トイレをこまめに清掃して清潔に保つ、多頭飼いの場合は猫1匹につき1つのトイレを用意する、いつでも爪とぎができるようにしておく、などの対策も必要です。
腸内環境
消化の悪い食べ物を食べていたり、ストレスで胃腸が荒れてしまったりということから、猫も腸内環境が乱れてしまうことがあります。
また、肉食である猫の体は、「消化しにくいものをしっかり消化する」構造になっていません。お肉は比較的、簡単に消化できる食べ物だからです。そのため、猫の小腸は1.7mと短めになっています。
ちなみに、人間は5m、牛などの草食動物は46mほどあると言われています。体の大きさが違うにしても、猫の小腸はちょっと短めだということがわかりますね。
そういう体の構造になっているため、穀物を多く含んだフードをたくさん与えたり、消化の悪い・質の悪いフードを与えたりしていると、猫は消化不良を起こし、腸内環境が荒れてしまいます。
腸内環境が乱れると、悪玉菌が増殖しておならが臭くなってしまうだけでなく、 便秘や軟便、そのほかの病気を引き起こす原因となってしまうこともあるので、要注意です。
猫のおならが臭いときの対策は?
猫のおならが臭いときは、以下の2つが対策がおすすめです。
キャットフードを見直す
最も有効なのはキャットフードを見直すことです。キャットフードは動物性タンパク質を中心に構成されています。動物性タンパク質のほとんどは小腸で吸収され、通常大腸へは少ししか運ばれません。
ただ、猫の体質にキャットフードのタンパク質が合わなかったり、タンパク質が過剰だったりすると、多くのタンパク質が大腸まで達します。これにより、大腸で動物性タンパク質(アンモニア、インドール、スカトール、硫化水素など)が分解され、おならの原因となるガスを発生させてしまうのです。
猫のおならが臭いときは、タンパク質の成分や量を見ながら、キャットフードを選んでみてください。
ストレスに注意する
ストレスが溜まると腸の働きはにぶくなります。人間も緊張するとお腹がゆるくなりますが、猫もストレスで腸の働きに支障をきたすことがあります。猫はストレスで病気になってしまうほど繊細な動物ですから、猫の生活環境に注意をし、ストレスを感じないようにしてあげてくださいね。
猫の臭いおならが続くときは病気なの?
猫のおならは普段からある程度臭いものですが、
「でもいつもよりだいぶ臭い気がする…」
「頻度が高くない…?」
という場合には病気が隠れている可能性もあります。どういう病気の可能性があるのか、おならの他にどういう症状があるのかについてご紹介します。
腸閉塞
腸閉塞はイレウスとも呼ばれる病気です。誤飲した異物や、消化器官にできた腫瘍、腸捻転などが原因で腸がふさがり、 消化器官の運動が止まってしまいます。
腸の中で発生したガスもうんちも外に排出されないため、お腹がパンパンに膨れ上がり、便秘になります。おならはほとんど出なくなりますが、たまに出るおならがかなり強烈な臭いを放ちます。
「最近、おならが臭いと思っていたけど、今度はおならをしなくなった…」
「お腹がパンパンに膨れている…」
という場合には腸閉塞の疑いがあるので、病院へ連れていきましょう。
慢性下痢
腸内環境が悪化して、腸炎を引き起こしている状態が続いていたりして、慢性的に下痢が続いている場合には、おならも頻度が高くなり、臭くなってしまいます。
おならや下痢だけでなく、嘔吐をすることもあり、食欲も減ってしまいます。下痢が続くとほかの病気を引き起こす原因にもなってしまうので、病院へ連れていってあげましょう。
寄生虫症
胃の中で寄生虫が大量発生したり、腸壁に寄生虫が噛み付いたりすると、軟便になったり、血便が出たりします。
寄生虫は、感染してもしばらくは症状が出ないことが多く、症状が出る場合は、おならが臭くなるほか、お腹が異様に膨れ、元気がなくなり、便秘や下痢、嘔吐などの症状が出ることが多いです。
感染経路は母子感染や、うんちに含まれる虫卵が原因で感染します。人間に感染するものもありますので、犬猫に触れた後は必ず手を洗うなど、注意が必要です。
症状が出たらすぐに病院へ連れていくことも大切ですし、ワクチンなどで予防することも大切です。
愛猫の腸内環境も日々見てあげよう!
猫のおならは、健康な猫でもある程度臭いものです。そのため、おならがただ臭いだけでは猫に病気があるかどうかはわかりません。問題は、「普段とどう違うか」です。
いつもより臭い場合や、おならの頻度が高い場合には病気が隠れている可能性もありますので、注意が必要です。おなら以外にも様子がおかしい場合は、病院を受診するようにしてください。
また、普段食べているキャットフードを見直すだけでもおならの臭いを抑えることができます。合成添加物不使用、グレインフリー、質のいいタンパク質が含まれているなど、猫の腸内環境を悪くしない、健康にいいフードを選ぶようにしましょう。
ストレスのない環境を整えて、適度に運動させてあげることも大切です。
愛猫のおならが臭くても可愛くて許しちゃうと思いますが、その裏にある病気を見逃さないように気をつけてあげてくださいね。