猫は基本的に夜行性の動物ですが、夜中に鳴かれると寝不足になるなど困ってしまいますよね。今回は、猫の夜鳴きに関して、鳴く理由と対策についてまとめました。
猫の夜鳴きに悩む飼い主は多い?
寝不足やストレスになる
猫の夜鳴きは、実は多くの飼い主を困らせる問題行動のひとつです。
夜鳴きが続くと飼い主も寝不足になる上、隣近への騒音の心配からストレスがかかってしまいますよね。
さらに、猫は犬のようにしつけることが難しいため、対応次第でますます悪化しますし、猫は賢いので、飼い主がイライラしている表情や感情を読み、余計に鳴き続けることもあります。
飼育の断念やご近所トラブルになる
実際に夜鳴きがひどくて飼うことを断念して手放してしまったり、苦情のトラブルから引越しを余儀なくされたりなど、猫を飼い続ける上で大きな障壁となることも少なくありません。
猫の夜鳴き、原因は?
寂しさや不安
子猫に多い「寂しさ」「不安」から夜鳴きを繰り返すことがあります。特に子猫を迎え入れた直後では、母猫と離れたことや住み慣れない環境が原因で鳴き続けるようです。
生活環境の不満
「室温が不快」「トイレが清潔でない」など、生活環境を改善して欲しいという訴えの場合でも、夜泣きをすることがあります。
ストレス
「かまってほしい」「運動不足」などが原因でストレスが溜まり夜鳴きをする場合があります。遊び足りない・お留守番が多い・新しい猫を迎え入れた環境の変化などが、ストレスの原因になるようです。
空腹・ご飯が足りない
成長期である子猫や成猫に多い夜鳴きの原因です。明け方4時や5時に夜鳴きをする場合は、お腹がすいたアピールかもしれません。
病気
老猫の夜鳴きに多い「ホルモン異常」や「腎不全」、あるいは「認知症」といった病気が原因で夜鳴きをしている場合があります。
発情行動
去勢手術をしていないオス猫や、避妊手術をしていないメス猫の場合は、発情行動が原因で鳴くことがあります。実際は夕方から明け方の時間帯で発情行動を起こすため、夜に鳴くわけではありません。猫によっては夜に鳴く行動が見られるためにそれを夜鳴きと感じる方もいるようです。
外へ行きたいサイン
外の世界を知っている猫の場合は、「外に出して」という欲求を訴えるために騒ぐ場合もあります。
猫の夜鳴き、対策は?
安心させる環境を作る
子猫が夜鳴きをする原因である「寂しい」「不安」などは、日中にたくさん遊ぶ時間をとり、人や環境に慣れさせて安心させましょう。安心することで夜鳴きが徐々に減っていきますよ。
それでも夜鳴きが収まらない場合は、夜でも小さい音や暗めの電気をつけて寂しさを感じさせないようにしてみましょう。新しい環境に馴染めていない場合は、母猫のにおいがついた毛布や以前の環境で使っていたものを入れてあげる、タオルを巻いた湯たんぽを置いておくといった方法もおすすめですよ。
生活環境が整っているかどうか確認
「猫が空腹ではないか」「室温は快適か」「トイレは快適か」など、生活環境が整っているかどうか確認しましょう。
空腹を訴えてくる場合は、ご飯の回数を増やしてみましょう。回数が増えれば満腹感も得られます。
飼育環境である室内は、暑すぎても寒すぎてもストレスになりますので、見直してみましょう。
猫は綺麗好きなので、トイレが汚いと使ってくれません。毎日の掃除が大切になります。
ストレスを発散させる
運動をさせたりたくさん遊ばせたりして、ストレスを発散させましょう。
キャットタワーの設置で運動できる環境を作るのもオススメです。また、飼い主さんが家にいる時はねこじゃらしなどのおもちゃを使って体を動かしてあげることが大切です。
日中にたくさん行動させることで、夜鳴きをしないでぐっする眠ってくれるようになります。
スキンシップを増やす
「かまってほしい」などが原因の場合は、日中のスキンシップが足りないのかもしれません。
おもちゃを使って遊ぶ時間を増やすようにしましょう。時間が作れない場合は、電動のオモチャなどで遊ばせる手もありますよ。
寝る前のブラッシングなどもスキンシップになりますので、話しかけながら取り入れてみて下さい。
去勢・避妊手術をする
発情期による夜鳴きの場合は、手術を行うことで落ち着く場合があります。手術を行うと発情期によるストレスから解放されたり、生殖器の病気予防にも繋がります。
認知症の老猫とはコミュニケーションを増やす
認知症と判断された老猫とは、より多くのコミュニケーションをとるようにしましょう。
一緒にいる時間を増やし、撫でたり抱きしめたりとスキンシップを増やして安心させてあげてくださいね。また、病気によってうまくできないことがストレスになり夜鳴きに繋がることも。
粗相で汚れた体を綺麗にしてあげると鳴き止む、ということもあるので、生活しやすい環境を作ることも大切になりますよ。
老猫には環境の配慮を
老猫が夜鳴きをする場合は、目や耳の老化から周囲の様子をうまく把握できないことで不安になり、夜鳴きを始めることもあります。
そういった場合は「テレビやラジオなどの音を出す」「明かりをつけたままにする」などの工夫が必要です。ただ、老猫の夜鳴きは体の異常のサインである可能性もあるので、夜鳴きが続くときは一度動物病院で診てもらいましょう。
猫の夜鳴き、やってはいけない対策は?
「怒鳴る」「叩く」は絶対やらない
猫の夜鳴きの対策として、やってはいけない行動は「怒鳴る」「叩く」などして叱ることです。叩いてしまうと、恐怖やストレスでさらに環境に馴染めなくなってしまいます。
毎回要求に応じない
「かまってほしい」などの夜鳴きの場合、かわいそうだからと過剰に反応し毎回応じることもやめましょう。「夜鳴きをすれば構ってくれる」と猫が覚えてしまい、ずっと夜鳴きを続けてしまいますよ。
猫が「外に出して」という欲求から鳴いている場合も、欲求に応じるのではなく、心を鬼にして無視するようにしてくださいね。
多頭飼育は慎重に
寂しくないようにと、新しい猫を迎え入れるという対策はあまり望ましくありません。先住猫によっては、環境が変わることでストレスを溜めてしまい、夜鳴きがひどくなる可能性も。また、相性が合わないとお互いストレスが溜まります。迎え入れる場合は、慎重に行いましょう。
寝る前のトイレ掃除は控える
猫は自分の匂いが無くなることで不安を感じる場合があります。汚いからと完璧に掃除をしてしまうと、匂いが無くなった不安から夜鳴きがひどくなることもあるようですね。とはいえ、汚いままでも夜鳴きに・・・。どの程度の掃除が必要か難しいところですが、まずは猫砂を変える程度から始めてみましょう。
猫の夜鳴きを克服してもっと仲良くなろう
いかがでしたでしょうか?
猫は求めている欲求によって鳴き方が変わります。
夜鳴きを克服する中で、猫の声から「お腹がすいているのか」「遊んでほしいのか」など猫の気持ちがわかるようになると、日常のコミュニケーションも取りやすくなりますよ。
猫の夜鳴きを根気よく克服し、大切な家族としてさらに大きな愛情を注いであげましょう。