猫の爪切りまとめ!頻度や手順は?嫌がる時はどうする?

猫 爪切り
愛玩動物看護師
監修者:渡邉鈴子

栃木県生まれ。帝京科学大学にて4年間、動物看護学をはじめとした動物関連の科目を学び、2023年5月には愛玩動物看護師免許を取得。これまでにうさぎや猫の飼育経験あり。2024年にはペット栄養管理士の資格も取得。

今や国内のペットは、犬よりも猫を飼う家庭が多い時代です。ペットを飼う上で定期的なケアをしてあげるのは大切なことです。

大切なことの一つが「爪切り」です。家具で爪研ぎをされるのは困るし、一緒に遊んでいて尖った爪が飼い主を傷つけてしまうこともあるので危険ですよね。

この記事では、猫の爪切りについて、頻度や手順、嫌がるときの対処法などをまとめました。

猫の爪の伸びる早さってどのくらい?

猫7
猫の爪の伸びる速さは、生活する環境などで違います。よく使う爪は早く伸び、あまり使わない爪は伸びるのが遅いですよ。

子猫や若い猫は運動量が多いので、伸びる速度が速く、シニア猫は睡眠時間が多く運動量が少ないので、伸びる速度は遅くなるのです。

また、親指の爪は狩りでよく使われるほか、爪切りを見落としがちなことから、伸びやすい爪といわれていますよ。

 

猫の爪切りの頻度は?

猫 爪切り
爪切りの頻度は、子猫・若い猫の場合は週1回、シニア猫の場合は2週間に1回くらいが好ましいですよ。しかし、爪が鋭く尖っている指などを見かけたときは、気づいた都度その爪だけでも切ってあげてください。

爪切りを放っておいた場合、運動不足などで爪の摩擦(まさつ)が少ないと、巻き爪になってしまいます。肉球に爪が食い込んで化膿してしまうこともあるので、特に後ろ足は気を付けてあげてくださいね。

 

猫の爪切り、後足もやるべき?

猫 爪切り
後足の爪は必要がなければ無理に切らなくても大丈夫ですが、愛猫と遊んでいるとき、飼い主さんに甘噛みや後ろ足キックをしてくることがあります。猫の後ろ足キックはなかなか強烈なもので、爪を切っていないとひっかき傷が絶えません。また、体が痒いなどの理由から、自らひっかき傷をつくってしまうこともあるので、注意が必要です。

これらの危険そうな行動に心当たりがある場合は、後ろ足も爪切りを行って、愛猫も飼い主さんもできる限り安全にしておきたいですね。

 

猫の爪切り、自宅でやる場合の手順は?

猫 爪切り

爪切りの手順

1.猫を膝の上に乗せ、後ろから抱える
2.猫の指を軽くつまんで爪を出す
3.尖っている先端だけをペット用爪切りで切る

猫を膝の上に乗せ、後ろから抱えて行う方法が一般的です。猫の指を軽くつまむと爪が出てくるので、付け根のピンク色部分を避けて、尖っている先端だけをペット用爪切りで切っていきます。

猫にとって爪切りの間、長時間我慢するのは難しいことなので、1度ですべて切るのではなく、「2本ずつ切ったら残りは次回」といったように、数日掛けて少しずつ切っていくのがおすすめですよ。

爪の付け根のピンク色の部分は血管や神経があります。切ってしまうと流血や激痛を伴う部分なので気を付けてください。また、人間用の爪切りやハサミは、猫の爪が割れてしまう危険があるので、必ずペット用爪切りを使用してくださいね。

 

猫が爪切りを嫌がり暴れる!どうすればいい?

猫 爪切り

爪切りを嫌がる時の対処方法

寝ているうちに切る
爪切りの後にご褒美をあげる
洗濯ネットに入れる
プロに頼む

猫が爪切りを嫌がり、飼い主の手を噛んでくることもあるので注意が必要です。また、猫は自由奔放で我慢するのが苦手です。爪切りの間ジッとしていることは、猫にとって大変なことだということを理解してあげてくださいね。

 

寝ているうちに切る

起きているうちの爪切りがどうしても難しい場合は、猫が寝ていて無防備になっている隙を狙って実行するのがおすすめです。ただし、猫は警戒する本能から眠りが浅いこともあり、1日にすべて切るのは根気が必要な場合もありますよ。

 

爪切りの後にご褒美をあげる

爪切り嫌いを克服させる作戦もおすすめです。猫の好物を爪切り後に与えることで、「爪切りを我慢すること=嬉しいこと(おいしいものが食べられる)」と理解させてあげることが大切です。

 

洗濯ネットに入れる

洗濯ネットに猫を入れると、普段暴れん坊な子でもなぜか大人しくなる子が多いですよ。そのため、洗濯ネットに入れてネットの網目から爪を出して切ってしまえば、スムーズに済ませられます。

 

プロに頼む

どうしても自分では切れない、あるいは不安、怖い場合には、最終手段としてペットショップや獣医さんに有料で任せるのもいいかもしれませんね。

 

猫の爪切り、やらなかったらどうなるの?

猫5
爪切りをしていない猫の爪は非常に鋭く、細く尖った爪は人の皮ふを簡単に突き抜けます。猫と遊んでいて猫パンチや後ろ足キックによって、飼い主さんの手足は簡単に傷つきすぐに流血してしまいます。爪切りを行って安全に遊んでくださいね。

また、爪切りをせず放っておくと、運動不足などの場合に巻き爪を起こし、肉球に食い込んで化膿してしまう恐れがあります。特に後ろ足は巻き爪になりやすいので、こまめにチェックしてあげてくださいね。

 

爪抜きは絶対にやめて!

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非常に稀ではありますが、猫の爪切りは暴れるし面倒くさいという理由で、愛猫の爪をぬいてしまおうと検討している飼い主さんがいます。爪のピンクの部分は血管や神経が通っているため、猫の爪抜きは激痛でしかありません。その痛みやストレスが原因で、猫砂をかけなくなる、粗相をするといった問題行動に繋がってしまいますよ。

余談ですが、ドリームワークス作品「シュレック」シリーズのスピンオフ映画「長靴をはいたネコ」に登場するキティ・フワフワーテというキャラクターは、モフモフの手が魅力ですが、その背景には元飼い主に爪抜きをされた残酷な理由があります。爪抜きは残酷であり、やるべきではないと考えさせられる設定になっているのです。

 

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