一般社団法人ペットフード協会の「平成30年度全国犬猫飼育率調査」によると、日本における犬の飼育頭数は、約890万匹になるそうです。約10人に1人が犬を飼っていることになりますね。
チワワやミニチュアダックスフントといった正統派の人気犬種ももちろんかわいいですが、個性的な犬種を飼いたい!という方におすすめなのがパグです。
この記事ではブサカワイイ!と人気のパグの特徴や飼うときの注意点についてまとめました。
出典:一般社団法人ペットフード協会「平成30年度全国犬猫飼育率調査」
目次
パグの特徴は?
見た目
パグは、鼻がぺちゃっとしていてシワがあるルックスが特徴の短頭種の小型犬です。筋肉質でがっちりとした体つきをしています。背中は直線的で、胸が広く、しっかりとした骨格を持っています。頭部は大きく、短いマズルと丸い眼が特徴的です。
また、顔の中央にある垂れ下がったしわは特徴的で目立ちます。しわは品種の特徴であり、パグの個体によってしわの数や深さは異なります。
大きさ
子犬~成犬の理想的な体重は約6〜8キログラムです。体高は約25cm~28cmで、比較的コンパクトな体つきをしています。
被毛
パグの被毛は短く密度があり、一見お手入れが楽そうに見えますが、ダブルコートで抜け毛の量が多い特徴があります。毛色はさまざまで、フォーン(淡いクリーム)、アプリコット、ブラックなどが一般的です。被毛は光沢があり、なめらかさのある触り心地をしています。
パグはどんな性格?
社交的で友好的
陽気で人懐っこい
頑固
寂しがりや
社交的で友好的
パグは社交的で友好的な性格を持っています。そのため、飼い主家族以外の人間や、犬・その他の動物に対して交流を楽しむことができます。しつけや社会化が十分に行われていれば、多頭飼育の環境でも仲良くできますよ。
陽気で人懐っこい
パグは陽気で人懐っこい性格なので、飼い主さんやその家族と一緒に遊ぶことが大好きです。また、比較的吠えることが少なくおとなしいため、わんちゃんと初めて暮らしたいと思っている方におすすめの犬種です。吠えることが少ないことから、番犬には不向きとも言えます。
頑固
パグは頑固な一面もあることからブレずに一貫したしつけが必要になります。自立心を持ち合わせているため、なかなか譲らない一面もみられます。興奮しやすいこともあるのでしつけの際は注意が必要です。
寂しがりや
パグは寂しがりやな一面も持ち合わせています。人と過ごすことを好むので、長時間のお留守番などには向いていません。長時間家を空けることが多い場合は、寂しくならないような環境を作ってあげることが重要になります。
パグを飼うときの注意点1「暑さ対策」
パグは暑さに弱いのが難点です。短鼻の犬種は呼吸が苦手なため、体温調整がしにくいのです。
特に真夏は、熱中症になりやすいので、室内の温度調整は忘れないでくださいね。家に誰もいなくなるときも、日中はエアコンを常に稼働して室内を適温に保ちましょう。また、日中は散歩に出かけないようにしましょう。暑いと呼吸が荒くなり、ぐったりしてしまいます。
愛玩動物看護師 渡邉鈴子さん
夏の散歩は日が昇る前と落ちた後の朝や夕方に行うのがおすすめです。日中のコンクリートの温度は50~60度にもなるそうです。犬は体高が人よりも低いことから暑さを感じやすいです。熱中症になると、最悪死亡してしまう可能性もあるため、散歩時間には気を付けましょう。
パグを飼うときの注意点2「抜け毛対策」
パグの毛は短いので、他の毛足が長い犬と比べて抜け毛が少ないと思われがちですが、実際はかなり抜けます。そのためこまめなブラッシングは不可欠です。
丁寧にブラッシングをしても、季節を問わず毛が抜け落ちます。特に、換毛期である春と秋は大量に抜けますよ。抜け毛対策用のシャンプーを使えば、抜け毛が70%~80%ほど減ることもあるようです。
また服を着せることも、抜け毛を飛び散らせないのでおすすめです。
パグを飼うときの注意点3「トラブルや病気対策」
「顔」「目」「耳」が特徴的なパグですが、それらがトラブルと病気を引き起こすこともあります。
顔のシワの間に汚れが溜まりやすい
パグの顔のしわは汚れが溜まりやすく、その汚れが臭いや皮膚トラブルを引き起こすことがあります。外出後や食後に、清潔なタオルでしわの中を拭きとってあげましょう。
目の充血や目やにに注意
目が飛び出ているため、目の充血や目やにに注意しましょう。目の上の毛を短くカットすることや、目やにをこまかく拭き取るという対策がありますが、専門家以外が目を扱うことは危険なため、異常を感じたらすぐに動物病院へいきましょう。
外耳炎になる可能性
耳が垂れ下がっているため、外耳炎になりやすいです。耳の中を清潔に保っていれば防げる病気ですので、こまめに掃除をしましょう。耳から悪臭がしてきたら、外耳炎の可能性があるため、異変を感じたらすぐに動物病院へ連れていき、治療してあげましょう。
愛玩動物看護師 渡邉鈴子さん
耳掃除をする際に、人用の綿棒を使用する飼い主さんがいますが、人用の綿棒を使用するのはやめましょう。人用の綿棒は犬の耳の皮膚にとって刺激が強いです。犬の皮膚は人の皮膚と比較して薄く傷つきやすいです。犬の耳掃除を行う際には必ず適切な方法で行いましょう。方法は動物病院の獣医さんや動物看護師さん、トリマーさんに聞くといいでしょう。
パグを飼うとき準備しておくものは?
飼育環境
パグが快適に過ごせるスペースを確保します。室内には犬用のベッドやクレートを用意し、屋外にはフェンスやケージを設置しましょう。
食器や散歩用のリード・おもちゃ
パグがご飯を食べる時に必要な食器を用意しましょう。水のみ用のボウルとフードのためのボウルを別々に準備してあげてください。また、犬の散歩や運動のために首輪やリードを準備します。
また、必要に応じてハーネスやお散歩バッグも用意しておくといいですね。遊ぶためのおもちゃや知育玩具なども用意しておくと、遊びを通して良好な関係性を築くことができますよ。
ドッグフードとおやつ
パグの健康管理のため、年齢に適した高品質の犬用のドッグフードを用意しましょう。水と餌だけで栄養が賄える「総合栄養食」と書かれたものを選択してください。
飼育に応じて適切な量を与え、必要に応じておやつも用意するとコミュニケーションとしても利用できます。
トイレ用品
パグを屋内で飼育する際は、排泄物を処理するための犬用のトイレトレーを用意します。また、トイレトレーニングのために新聞紙やトレーニングパッドも役立ちますので、一緒に揃えておくといいでしょう。
ケア用品
パグの健康と衛生を保つために、シャンプーやブラシ、爪切り、歯磨きセットなどのケア用品を用意します。
かかりつけの病院
パグが何かあった際や健康管理のために、かかりつけの動物病院も見つけておくと安心です。
獣医師の診察や予防接種、必要な薬やサプリメントなどを考慮し予算を家計に組み込んでおくと、無理なく飼育することができますよ。
最期まで面倒を見る覚悟が必要
顔のシワや目、耳などパグ特有のトラブルのほか、食欲旺盛で肥満のリスクがあったり、パグに多発する壊死性髄膜脳炎(パグ脳炎)があったり、病気やトラブルが起こる可能性はどのパグであっても等しくあります。
パグはもちろんペットを飼いたいと思っている方は、病気になる可能性や日々のお世話、しつけが重要なことなどさまざまなことを考慮して飼うかどうか決めてください。飼えないから捨てたりお世話をしなかったり、放棄してはいけません。最期まで面倒を見るという覚悟が必要です。
愛玩動物看護師 渡邉鈴子さん
パグ脳炎は、1~3歳での発症が多い傾向にあります。初期症状は、発作や視力障害などが起き、次第に摂食障害や昏睡などを起こします。完治する方法はありませんが、ステロイド投与などによって症状を抑えることは可能です。