猫は多胎動物であり、一度に複数の子猫を産む動物なので、人間の出産とは違う点が多くあります。猫は基本的に自分で出産しますが、人の手を借りなければ無事出産できない場面もあります。万が一に備えて、猫の出産を控えている飼い主さんは一通り知識を持っておきましょう。
目次
猫の妊娠はどうやって見分ける?
猫の発情期は、生後6~9ヶ月ごろに訪れます。
発情期になると、他の生物に対して優しくなるなどの精神面での変化や、乳首が大きくなるなどの肉体面での変化がメス猫に見られるようになります。妊娠すると床でゴロゴロ転がるなどの行動を見せはじめるため、普段の様子を観察することで愛猫の妊娠をいち早く察知することもできますよ。
猫の出産、時期と兆候は?
妊娠したメス猫は、妊娠60日を過ぎた頃から出産に向けての準備を始めます。
「食欲が落ちる」「攻撃的になる」「警戒心が強くなる」などの変化が分娩の24時間前ごろから次第にみられるようになりますよ。また、出産に適した場所を探す素振りをみせるようになるので、暗くて落ち着く場所にタオルなどを敷いた巣を作ってあげるようにします。
猫の出産にかかる時間は?
3時間程度
猫の出産にかかる時間は、最大で3時間ほどです。
およそ20~60分程度の陣痛を経て出産が始まりますが、1時間以上経過しても出産が始まらない場合は逆子や微弱陣痛などのトラブルが考えられます。すぐに獣医師に判断を仰ぐようにしてください。
お産は合計で1~2時間ほど、15~30分間隔で子猫を次々と産み落とします。大量出血や頭だけが出ている状態で5分以上経過している場合なども、動物病院へ連絡を取り受診するようにしてください。
猫の出産、何を準備すればいい?出産後はどうする?
巣作り
子猫の世話
巣作り
出産のための巣は、「暗い場所」「柔らかい毛布などが敷かれている」「周囲が囲まれている」の3つを満たした場所に設置します。ペット用のサークルやダンボールなどを使用して作ってあげてください。
子猫の世話
基本的に、生まれた子猫の世話は母猫がやりますが、母猫がやらない場合は飼い主さんが処置をしなければなりません。
生まれた子猫の羊膜を母猫が除去しない
清潔な布やタオルで子猫を羊膜ごと包み、母猫の側に連れて行くようにします。
それでも母猫が子猫の羊膜を除去しない時は、布ごと子猫の体の表面をなでるようにすることで羊膜が剥がれてきますよ。
へその緒の処理
体から5cmほどの場所を木綿糸で縛って止血したあと、母猫の胎盤側を清潔なハサミで切るようにします。このとき、止血点を切らないように十分注意してください。
はじめてのことで気が動転してしまうかもしれませんが、あらかじめシュミレーションしておくといざという時に慌てずに対応できるようになりますよ。処置に不安がある場合は、時間を空けることなくかかりつけの獣医師さんなどに相談するようにしてくださいね。
猫の出産、一度に産む数は何匹くらい?
3~5匹
猫が一度に出産する子猫の数は、3~5匹が最も多いです。
ただ、母猫の体のサイズによっても変わってくるため、1~8匹の間で生まれてくると考えておくことをおすすめします。数ある猫の中でも小型に分類されるシンガプーラだと2匹前後が多いですね。
飼い主も猫の出産準備
猫のお産トラブルを見極めるのは難しいですが、基本的にお産の進行は母猫に任せるのが大切です。あまり人が手を出しすぎると、まるでスイッチが切れたように、母猫は子猫の面倒をみなくなってしまいます。あくまでも流れに任せ、母猫の体力的に無理があるような場合だけ手助けをするようにします。
母猫の妊娠に気づいたときから、猫の出産と子猫の成長に関する最低限の知識は得るようにしたいですね。