グレートピレニーズは大らかで優雅な雰囲気と、小さな子どもにも優しく接する愛情深さが人気の犬種です。
一度は触ってみたくなる白くてふわふわの被毛が特徴的ですよ。
この記事では、グレートピレニーズの子犬の迎え入れにかかる費用や性格、特徴などについてまとめました。
目次
グレートピレニーズの基本情報
歴史
グレートピレニーズは、アジアのチベタンマスティフが祖先といわれています。紀元前6世紀ごろにヨーロッパに持ち込まれ、活躍した犬種です。
ヨーロッパでは紀元前1800~1000年頃の遺跡に描かれていたほど、我々人間に馴染み深い犬種です。厳しいピレニー山脈で牧羊犬として活躍しながら、オオカミやクマなどから家畜を守る護衛役も担っていましたよ。
イギリスをはじめとするヨーロッパでは「ピレニアンマウンテンドッグ」と呼ばれ、アメリカや日本では「グレートピレニーズ」と呼ばれています。
体重や被毛色の特徴
体高 60~80cm
体重 40~60kg
被毛 ダブルコート
被毛カラー 白、薄いイエロー、オレンジ、グレー
グレートピレニーズは、男の子で体高70~80cm・体重50~60kg、女の子で体高60~75cm・体重40~50kgほどまで成長する「超大型犬」です。
外見の特徴
「分厚く密集したふわふわな被毛」「強靭な筋力」「狼爪(ろうそう)」が特徴的です。
被毛
被毛はダブルコートで、カラーは基本色の「白」に薄いイエローやオレンジ、グレーなどのマーキングが入る子もいます。
グレートピレニーズの性格について
性格
穏やか
愛情深い
勇敢
警戒心がある
やや頑固
グレートピレニーズの性格は、「穏やか」「愛情深い」「勇敢」「警戒心がある」「やや頑固」などです。
活発で愛情深く勇敢
グレートピレニーズは一見するとのんびりとしていますが、牧羊犬としての活躍していたこともあり適度な運動量を必要とする活発な性格をしている犬種です。日常の散歩やドッグランなどの運動などを取り入れ、運動不足によるストレスを溜めないことが重要です。また、飼い主さんに対しては穏やかで愛情深い一面がある一方、責任感が強く家族をおびやかす危険に立ち向かっていく勇敢さを持ち合わせています。
警戒心が強くやや頑固
グレートピレニーズは見知らぬ人間に警戒心をあらわにすることがあります。そのため、子犬の頃から飼い主さん以外の人間や動物と触れ合う機会を作り、社会性を学ばせることが大切になります。また、独立心がありやや頑固な一面もありますので、飼い主さんが頼りなかったりしつけが中途半端だと、言う事を聞かずに勝手な行動をする場合があります。初心者にはしつけが難しい犬種とも言えますね。
グレートピレニーズにおすすめのドッグフード
総合栄養食と一般食
ドッグフードをメインで与えたい場合は、「総合栄養食」と表示されているドッグフードを選びましょう。これは水と一緒に与えるだけで、健康が維持できるドッグフードのことです。選ぶ際は原材料を必ず確認しましょう。主原料が「肉類」であることが望ましいですよ。
手作り食をメインで与えたい場合は、「一般食」と表示されているドッグフードがおすすめです。いわば「おかず」のようなものであり、トッピングとして利用することで手軽に栄養を追加することができます。
食事量
普段与えているドッグフードの裏面に記載されている量をあげるようにします。ただ、体重との換算表は、愛犬が「理想体型」であることを前提としているので、太っている子や痩せている子は量の調整が必要となります。
ごはんを食べない・・・どうすればいい?
ご飯を食べない場合はいくつかの理由があり、主に「好みの味ではない・食べにくい」「体調不良や季節による食欲の低下」「食器や環境が気に入らない」「ストレスが溜まっている」「病気」などが挙げられます。
この場合は、以下の方法を取り入れてみてくださいね。
トッピングをしてみる
まずはドッグフードにササミなどをトッピングして与えてみて、食欲が改善されるかを確認してみてください。新鮮な生肉を原材料に利用しているドッグフードに切り替えるのも手ですよ。
フードを食べやすくする
食べづらさが原因の場合は、飼い主さんがひと手間加えてあげましょう。ドライフードであれば、ぬるま湯でふやかして香りを立たせるのも手です。ニオイで食欲を刺激することができます。
また、粒が大きいようであれば砕いてあげるのもいいでしょう。ウェットタイプとドライタイプを組み合わせれば嗜好性が高まり、また水分も一緒に摂取することができます。
食器や環境を変える
食べやすい食器に変更したり、食事する場所を変えてみるといいかもしれません。ストレスを抱えている場合もあるので、遊びや散歩の時間を増やして発散させるのもいいですね。
動物病院で診てもらう
食べない原因が病気の可能性もあります。口内炎などの痛みを伴う場合、食べたくても、食べられない可能性があります。「好きなおやつも食べない」「ぐったりしている」「元気がない」といった様子が見られるようであれば、かかりつけの動物病院で診てもらいましょう。
グレートピレニーズの散歩や運動、しつけについて
散歩や運動
グレートピレニーズの散歩は、ゆったりとしたペースでいいので1日2回それぞれ1~2時間程度を目安に行うようにします。
運動不足は肥満の原因にもなるので、散歩は楽しいものだと思ってもらえるように工夫するといいですよ。
ダブルコートで暑さを苦手としているので、夏場は涼しい時間帯で行うようにしてくださいね。
しつけ
飼い主がリーダーであることを認識させる
グレートピレニーズ のしつけでは、飼い主がリーダーであるという関係性を理解してもらうことが大切です。
従順で物覚えも良い犬種ですが、一度主従関係を間違えて認識してしまうと、飼い主さんの言うことを一切聞かなくなることがあるからです。叱りつけるのではなく、上手にできた時に思いっきり褒める方法がおすすめですよ。
頑固な一面からしつけがうまくいかず、時間がかかることもあります。諦めずに根気強く行うことが大切ですが、「難しい」「うまくいかない」と不安になる場合は
プロに相談してみてくださいね。
ご褒美を与えてみる
しつけをする際に、褒めることに加えて「ご褒美」を与えてみてもいいですね。好きなおやつを与える他、たくさん遊んであげることでも「ご褒美」になりますよ。
グレートピレニーズの飼育環境、お手入れについて
飼育環境
グレートピレニーズは室内で飼育しましょう。超大型犬なので、飼育スペースも十分な広さが必要です。
あまりにも狭いとストレスが溜まり、問題行動をするようになるかもしれません。快適に過ごせる環境が用意できるのか、迎え入れる前によく確認してくださいね。
揃えておくもの
飼育スペース・ケージ
食器類・床材
首輪やリード・おもちゃ
ドッグフードとおやつトイレ用品
ケア用品
動物病院
グレートピレニーズとの生活をより快適なものにするために、「飼育スペース・ケージ」「食器類・床材」「首輪やリード・おもちゃ」「ドッグフードとおやつ」「トイレ用品」「ケア用品」「動物病院」などの生活用品や準備を揃えておきましょう。
飼育スペース・ケージ
快適に過ごせるスペースを確保します。サークルは十分な広さを確保できるもので、犬用のベッドやケージ・クレートを用意しましょう。クレートとは箱状の家のようなものであり、犬にとって寝床となったり安心できるものになります。移動するときにも使え、病院へ連れて行くときや災害による避難の際にも活躍します。
愛玩動物看護師 渡邉鈴子さん
クレートは普段から慣れさせておくことで、スムーズに動物病院へ連れていくことが可能です。クレートを動物病院へ行くときにしか使用していないと、クレート=動物病院という認識になってしまいます。普段から使用することで防ぐことが可能です。
食器類・床材
ご飯を食べる時に必要な食器を用意しましょう。水のみ用のボウルとフードのためのボウルを別々に準備してあげてください。食器類を選ぶ際は「耐久性はあるか」「滑りにくくないか」「大きさは適切か」といったことを目安に探してみてください。床材についてはすべりにくい材質のものを選び、思わぬ転倒を防ぐために用意しておくと良いでしょう。フローリングの床で滑って関節を痛めないよう、すべりづらいカーペットを敷くなどの対策をしてあげてくださいね。
首輪やリード・おもちゃ
散歩や運動をするときのために、首輪やリード・ハーネスを準備しましょう。遊ぶためのおもちゃや知育玩具なども用意しておくと、遊びを通して良好な関係性を築くことができますよ。
ドッグフードとおやつ
健康管理のため、年齢に適した高品質の犬用のドッグフードを用意しましょう。初めて犬を飼育する方は、水と餌だけで栄養が賄える「総合栄養食」と書かれたドッグフードを用意するといいですね。飼育に応じて適切な量を与えるようにしてください。絶対に必要というわけではないですが、おやつも同時に用意しておくといいですね。しつけトレーニングの際に「ご褒美」として利用できますよ。
トイレ用品
屋内で飼育する際は、排泄物を処理するための犬用のトイレトレーを用意します。また、トイレトレーニングのために新聞紙やトレーニングパッドも役立ちますので、一緒に揃えておくといいですね。
ケア用品
健康と衛生を保つために、犬用のシャンプーやブラシ、爪切り、歯磨きセットなどのケア用品を用意します。
動物病院
何かあった際や健康管理のために、かかりつけの動物病院も見つけておくと安心です。獣医師の診察や予防接種、必要な薬やサプリメントなどを考慮し予算を立てておくのもいいですね。
お手入れについて
被毛ケア
シャンプー
耳掃除
歯磨き
爪切り
グレートピレニーズ との生活をより良いものにするためには、日々の小まめなケアが欠かせません。「被毛ケア」「シャンプー」「耳掃除」「歯磨き」「爪切り」などを取り入れて清潔を保つようにしましょう。
被毛ケア
グレートピレニーズは大型犬の中でも抜け毛の多い犬種です。ブラッシングは毎日、換毛期であれば1日2回を目安に行います。スリッカーブラシで余計なアンダーコートを取り除いた後にコームで仕上げます。
シャンプー
シャンプーは、1ヶ月に1回を目安に行います。人間用だと刺激が強すぎるため、必ず犬用のシャンプーを使用してください。シャンプー後はタオルで良く拭いてしっかりと水を切り、ドライヤーで完全に乾かします。
耳掃除
耳掃除は、耳が汚れているタイミングで行います。見える範囲でいいので耳専用のクリーナーを使用して掃除をしてあげてください。「耳垢が増えた」「悪臭がする」といった普段と違う様子の場合は病院で見てもらいましょう。
歯磨き
定期的な歯磨きは口腔疾患のケアに繋がります。指に巻いたガーゼで歯の表面に付着した汚れをふき取ったり、犬用の歯ブラシで歯垢・歯石を取り除いてあげてください。歯ブラシが苦手な方は、歯磨き用のおもちゃやパウダー状の食事に混ぜるケア用品も販売されていますので、ぜひ取り入れてみてくださいね。
爪切り
血管を傷つけないように、爪の先端から少しずつ切るようにします。万が一の時のために止血剤も用意しておくといいですよ。
愛玩動物看護師 渡邉鈴子さん
日々のお手入れが自宅で行うのが難しい場合は動物病院やトリミングサロンなどにお任せすることも視野にいれるといいでしょう。
グレートピレニーズの寿命、病気について
寿命
10~12年
グレートピレニーズ の平均寿命は10~12年で、大型犬としては平均的です。「適切な飼育環境・温度管理」「適度な運動量」「かかりつけ医を見つける」ことが長生きにも繋がりますよ。
病気
胃捻転
股関節形成不全
膝蓋骨脱臼
グレートピレニーズ は比較的病気にかかりにくい犬種といわれますが、「胃捻転」「股関節形成不全」「膝蓋骨脱臼」などの大型犬特有の病気などには注意が必要です。
胃捻転
何かしらの原因で胃がねじれてしまう病気です。ねじれたことで他の臓器が圧迫され、血液の循環がうまくいかなくなるので、最悪命を落とす場合もあります。原因は、食後の急な運動や大量の水のみ、早食いなどが関係しています。遺伝的な要因も持ち合わせていますが、日ごろの生活でも発症するリスクは潜んでいます。食事の回数や運動の方法について、飼い主さんがしっかりコントロールする必要がありますよ。
股関節形成不全
股関節の骨の形が変形してしまう関節の病気です。変形した箇所が嚙み合わず炎症を起こし、痛みで動くのを嫌がるようになります。原因は遺伝的なものと、肥満や激しい運動でも発症することがあります。飼い主さんの食事や運動管理が大切になりますよ。
愛玩動物看護師 渡邉鈴子さん
股関節形成不全では、うさぎ跳びのような歩き方やモンローウォークと呼ばれる腰を左右に振る歩き方をします。このような歩き方をしていたら動物病院を受診しましょう。
膝蓋骨脱臼
膝のお皿が、正常な位置から脱臼してしまう関節病の1つです。原因は先天的と外傷的の2つからな要因から発症します。また、肥満になると膝に負担がかかり発症する確率も上がるので、体重管理や栄養のある食事が重要になります。
グレートピレニーズの迎え入れについて
迎え入れにかかる費用
20~60万円
グレートピレニーズ の迎え入れにかかる費用は、およそ20~60万円です。
両親の血統によってはさらに高くなることもありますよ。
迎え入れ先
グレートピレニーズ の迎え入れ先は、「ブリーダー」「里親」の2種類があります。
それぞれの方法にメリット・デメリットがあるので、自分に合った最適な方法で迎え入れるようにしてくださいね。
子犬の選び方
グレートピレニーズは意思や縄張り意識がやや強いので、社会性を身につけているかは必ずチェックしたいポイントです。
そのほか、「目に輝きがあるか」「歩き方に異常はないか」「声かけに反応するか」「抱っこを嫌がらないか」も合わせて確認してください。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
この記事では、グレートピレニーズ の飼い方について紹介しました。
すでに飼育している、これから飼育を考えている皆様のお役に立てる情報があれば幸いです。