オールドイングリッシュシープドッグは、映画「アニー」やドラマの他、朝の報道番組にも出ていた人気犬種です。
全身を覆うふわふわの被毛や社交的で楽しいことが好きな性格に魅了される方が多いですよ。
この記事では、オールドイングリッシュシープドッグの性格や特徴、子犬の迎え入れ費用や迎え入れ方、しつけや寿命についてまとめました。
目次
オールドイングリッシュシープドッグの基本情報
歴史
オールドイングリッシュシープドッグは、イギリス最古の牧羊犬と考えられています。
1800年代になるとドッグショーでも人気を集めるようになり、1960年代には家庭犬としても愛されるようになりました。
ミュージカル「アニー」やドラマなどにも出演するなど、活躍の場を広げていますよ。
現在では「ボブ・テイル」という愛称で呼ばれています。
性格
友好的
献身的
穏やか
オールドイングリッシュシープドッグの性格は、「友好的」「献身的」「穏やか」などです。
友好的で献身的
オールドイングリッシュシープドッグは、社交的で友好的な性格をしています。家族以外の人間や、他の犬・動物に対しても仲良く接することができますよ。飼育環境は、小さな子供やお年寄りがいる家庭や、多頭飼いをしている家庭でも問題ありません。献身的に子供とも遊んでくれることから、アメリカではナニードッグ(子守犬)としてもしられていますよ。
穏やかで優しい
基本的には穏やかで優しく、飼い主の気持ちを汲み取ることができる賢い犬種です。見知らぬ人をほとんど警戒しないため、番犬には向いていませんが、個体によっては牧羊犬として活躍していた名残から攻撃的な一面も見られます。大型犬で大きくなると力が強くなるため、子犬のうちからしっかりしつけておくことが大切になります。
大きさ・体重
巨大なぬいぐるみを思わせる外見が特徴的なオールドイングリッシュシープドッグは、体高53~60cm、体重25~46kgで大型犬に分類されます。
体長と体高がほぼ同じスクエア型で筋肉質な体型をしており、全身が長毛で覆われていますよ。
被毛の特徴
被毛は防水性に優れたアンダーコートと、豊富で硬いオーバーコートの2種類からなるダブルコートです。
子犬の頃の被毛カラーは「白黒」ですが、成長に従って銀色や灰色のボサボサした毛に生え変わる特性がありますよ。
長毛なので定期的にブラッシングが大切です。顔にかかるぐらい伸びるので、リボンで結んだり分け目をつけたりして視界を広げてあげましょう。
愛玩動物看護師 渡邉鈴子さん
ダブルコートではブラッシングの必要性が高く、特に毛がふさふさしているため、定期的にお手入れをしてあげましょう。大型犬で少し大変だなと思う方は、手袋型のグルーミンググローブも販売されているので、触れ合いながらお手入れをしてみるといいですよ。
オールドイングリッシュシープドッグの快適な飼育環境について
飼育スペース・ケージ
食器類・床材
首輪やリード・おもちゃ
ドッグフードとおやつ
トイレ用品
ケア用品
動物病院
オールドイングリッシュシープドッグとの生活をより快適なものにするために、「飼育スペース・ケージ」「食器類・床材」「首輪やリード・おもちゃ」「ドッグフードとおやつ」「トイレ用品」「ケア用品」「動物病院」などの生活用品や準備を揃えておきましょう。
飼育スペース・ケージ
快適に過ごせるスペースを確保します。サークルは十分な広さを確保できるもので、犬用のベッドやケージ・クレートを用意しましょう。クレートとは箱状の家のようなものであり、犬にとって寝床となったり安心できるものになります。移動するときにも使え、病院へ連れて行くときや災害による避難の際にも活躍します。
愛玩動物看護師 渡邉鈴子さん
クレートを普段から活用して、「怖くないもの」と知ってもらうことが大切です。
食器類・床材
ご飯を食べる時に必要な食器を用意しましょう。水のみ用のボウルとフードのためのボウルを別々に準備してあげてください。食器類を選ぶ際は「耐久性はあるか」「滑りにくくないか」「大きさは適切か」といったことを目安に探してみてください。床材についてはすべりにくい材質のものを選び、思わぬ転倒を防ぐために用意しておくと良いでしょう。
首輪やリード・おもちゃ
散歩や運動をするときのために、首輪やリード・ハーネスを準備しましょう。遊ぶためのおもちゃや知育玩具なども用意しておくと、遊びを通して良好な関係性を築くことができますよ。
ドッグフードとおやつ
健康管理のため、年齢に適した高品質の犬用のドッグフードを用意しましょう。初めて犬を飼育する方は、水と餌だけで栄養が賄える「総合栄養食」と書かれたドッグフードを用意するといいですね。飼育に応じて適切な量を与えるようにしてください。絶対に必要というわけではないですが、おやつも同時に用意しておくといいですね。しつけトレーニングの際に「ご褒美」として利用できますよ。
トイレ用品
屋内で飼育する際は、排泄物を処理するための犬用のトイレトレーを用意します。また、トイレトレーニングのために新聞紙やトレーニングパッドも役立ちますので、一緒に揃えておくといいですね。
ケア用品
健康と衛生を保つために、犬用のシャンプーやブラシ、爪切り、歯磨きセットなどのケア用品を用意します。
動物病院
何かあった際や健康管理のために、かかりつけの動物病院も見つけておくと安心です。獣医師の診察や予防接種、必要な薬やサプリメントなどを考慮し予算を立てておくのもいいですね。
オールドイングリッシュシープドッグの食事について
ドッグフードをメインで与えたい場合は、「総合栄養食」と表示されているドッグフードを選びましょう。
これは水と一緒に与えるだけで、健康が維持できるドッグフードのことです。
選ぶ際は原材料を必ず確認しましょう。主原料が「肉類」であることが望ましいですよ。
手作り食をメインで与えたい場合は、「一般食」と表示されているドッグフードがおすすめです。
いわば「おかず」のようなものであり、トッピングとして利用することで手軽に提要を追加することができます。
食事量
普段与えているドッグフードの裏面に記載されている量をあげるようにします。
ただ、体重との換算表は、愛犬が「理想体型」であることを前提としているので、太っている子や痩せている子は量の調整が必要となります。
ごはんを食べない・・・どうすればいい?
ご飯を食べない理由としては、主に「好みの味ではない・食べにくい」「体調不良や季節による食欲の低下」「食器や環境が気に入らない」「ストレスが溜まっている」「病気」などが挙げられます。
トッピングをしてみる
まずはドッグフードにササミなどをトッピングして与えてみて、食欲が改善されるかを確認してみてください。新鮮な生肉を原材料に利用しているドッグフードに切り替えるのも手ですよ。
フードを食べやすくする
食べにくさの場合は、飼い主さんがひと手間加えてあげましょう。ドライフードであれば、ぬるま湯でふやかして香りを立たせるのも手です。ニオイで食欲を刺激することができます。ウェットタイプとドライタイプを組み合わせれば嗜好性が高まり、また水分も一緒に摂取することができます。
食器や環境を変える
食べやすい食器に変更したり、食事する場所を変えてみるといいかもしれません。ストレスを抱えている場合もあるので、遊びや散歩の時間を増やして発散させるのもいいですね。
動物病院で診てもらう
食べない原因が病気の可能性もあります。食べたくても、食べられないのかもしれません。「好きなおやつも食べない」「ぐったりしている」「元気がない」といった様子が見られるようであれば、かかりつけの動物病院で診てもらいましょう。
オールドイングリッシュシープドッグのお手入れについて
被毛ケア
シャンプー
歯磨き
爪切り
耳掃除
オールドイングリッシュシープドッグとの生活をより良くするためには、日々のこまめなケアが欠かせません。
被毛ケア
ブラッシングは、毎日、換毛期であれば1日2回を目安に行います。
スリッカーブラシで余計なアンダーコートを取り除いた後にコームで仕上げます。
愛玩動物看護師 渡邉鈴子さん
被毛ケアが少し大変だと感じたら、ファーミネーターの使用を検討するのもいいかもしれません。ファーミネーターは毛の生え代わりの時期に役に立ちます。刃が背骨に当たると痛いため、ゆっくり優しく行うのがいいでしょう。
シャンプー
1~2ヶ月に1回を目安に行います。
シャンプー前にブラッシングで余計な抜け毛を取り除いておくと、毛が絡みにくくなってシャンプーしやすくなりますよ。
シャンプーが終わった後は流し残しのないように、丁寧にすすぐことも忘れないでくださいね。
歯磨き
定期的な歯磨きは口腔疾患のケアに繋がります。
指に巻いたガーゼで歯の表面に付着した汚れをふき取るようにします。
爪切り
血管を傷つけないように、爪の先端から少しずつ切るようにします。万が一の時のために止血剤も用意しておくといいですよ。
耳掃除
耳掃除は、耳が汚れているタイミングで行います。
「耳垢が増えた」「耳から悪臭がする」などいつもと違う様子であれば、病院で診察を受けるようにしてくださいね。
オールドイングリッシュシープドッグの運動について
牧羊犬として活躍していた犬種なので、見た目とは裏腹に豊富な運動量が必要です。
1日2回それぞれ60分程度を目安に運動させてあげてください。
ボール遊びや犬用のロープの引っ張り合いなどを織り交ぜて遊ぶのもおすすめですよ。
オールドイングリッシュシープドッグのしつけについて
しつけで大切なことは、飼い主がリーダーであるという関係性を理解してもらうことです。
賢い犬種であり飼い主さんを困らせることは少ないですが、大型犬で力が強いですし、興奮しやすい面があるからです。
オールドイングリッシュシープドッグの寿命・病気について
寿命
10~12年
オールドイングリッシュシープドッグの寿命は、およそ10~12年です。
大型犬の平均寿命が10~12年なので、平均的といえますね。
病気
股関節形成不全
外耳炎
白内障
オールドイングリッシュシープドッグのかかりやすい病気として、「股関節形成不全」「外耳炎」「白内障」があります。
股関節形成不全
「股関節形成不全」は、大型犬に見られる関節の病気です。遺伝的な要因のほか、肥満や激しい運動でも発症しますので、健康管理、体重管理が大切になります。
外耳炎
「外耳炎」は、真菌や細菌、アレルギーなど様々な原因で発症する耳の病気です。オールドイングリッシュシープドッグのような垂れ耳で毛量が多い場合、通気性が悪いために炎症が悪化しやすい傾向にあります。定期的な耳掃除が重要です。
白内障
「白内障」は人間でも見られる目の病気です。目が白く濁るようになり視力が低下します。加齢での発症イメージがありますが、生まれつきや若い年齢でも発症します。予防は難しいため、早期発見が重要です。
愛玩動物看護師 渡邉鈴子さん
もし白内障を発症してしまったら、家の模様替えを控えるようにしましょう。また、柱や机の角など危ない箇所があるところはガードを付けて二次的な怪我の防止をしましょう。
遺伝的な病気は防ぎようがないですが、食事や運動によって予防できることもあります。
病院での健康診断と合わせて、飼い主さんができる健康管理をしてあげてくださいね。
オールドイングリッシュシープドッグの迎え入れについて
迎え入れにかかる費用
20万円~35万円
オールドイングリッシュシープドッグの迎え入れにかかる費用は、およそ20万円~35万円です。
迎え入れ先
迎え入れ方法は、「ブリーダー」「里親制度」の2つですよ。
それぞれにメリット・注意点があるので、自分に適した方法で迎え入れるようにしてくださいね。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
この記事では、オールドイングリッシュシープドッグの飼い方について紹介しました。
運動量が多く必要なので、散歩の時間が十分に確保できないと、ストレスを溜めてしまうかもしれません。
そういった愛犬との時間をしっかり作れるのか、飼育を検討する方は考えるようにしてくださいね。
すでに飼育している、これから飼育を考えている皆様のお役に立てる情報があれば幸いです。