コーイケルホンディエはオランダで誕生し、16世紀から鴨の狩りに使われていた犬種です。
この記事ではコーイケルホンディエの性格、体重や被毛の特徴、寿命や病気、飼い方、しつけや歴史についてまとめました。
目次
コーイケルホンディエの基本情報
歴史
コーイケルホンディエは、オランダを代表する画家レンブラント他、中世の絵画に何度も描かれてきました。
戦争に巻き込まれ第2次世界大戦終了後にはわずか25頭まで減少、絶滅危機にあったという悲しい過去があります。
現在では愛好家の努力によって日本でも増加してきてはいるものの、依然として本国オランダ以外では非常に希少な犬種となっていますよ。
外見の特徴
体高と体長がほぼ等しいスクエア型で、「小さめの耳」や「腹にあるフリンジ状の豊富な飾り毛」「羽毛状の豊富な飾り毛があるふさふさの尻尾」が特徴的です。
体高35~41cm、体重9~11kgで小ぶりな中型犬に分類されます。
毛色は、ホワイトの地色に鮮やかなレッドのまだら模様で、被毛の完成には約2年かかるといわれています。
コーイケルホンディエの性格について
コーイケルホンディエの性格
陽気
温和
友好的
飲み込みが早い
コーイケルホンディエの性格は、「陽気」「温和」「友好的」「飲み込みが早い」などです。
おおらかで友好的
コーイケルホンディエは人間環境適応能力に優れた犬種です。陽気で温厚なので無駄吠えも少ないのです。他の犬や動物、小さな子どもとも仲良くすることができますよ。飼い主さん以外の人間に対しては慎重に見極めますが、おおらかで友好的な性格なので番犬としてはあまり向いていないと言えます。
忠実でのみ込みが早い
コーイケルホンディエは飼い主さんに忠実な一面があります。トレーニングの飲み込みも早いので、しつけがしやすい犬種と言えますよ。子犬の頃はやんちゃで元気いっぱいな個体が多いので、しつけはやや大変さを感じるかもしれません。犬の飼育が初めての方に向いている犬種と言えます。
コーイケルホンディエの食事について
ドッグフードをメインで与えたい場合は、「総合栄養食」と表示されているドッグフードを選びましょう。これは水と一緒に与えるだけで、健康が維持できるドッグフードのことです。
選ぶ際は原材料を必ず確認しましょう。主原料が「肉類」であることが望ましいですよ。
手作り食をメインで与えたい場合は、「一般食」と表示されているドッグフードがおすすめです。いわば「おかず」のようなものであり、トッピングとして利用することで手軽に栄養を追加することができます。
食事量
普段与えているドッグフードの裏面に記載されている量をあげるようにします。
ただ、体重との換算表は、愛犬が「理想体型」であることを前提としているので、太っている子や痩せている子は量の調整が必要となります。
ごはんを食べない・・・どうすればいい?
ご飯を食べない場合はいくつかの理由があり、主に「好みの味ではない・食べにくい」「体調不良や季節による食欲の低下」「食器や環境が気に入らない」「ストレスが溜まっている」「病気」などが挙げられます。
この場合は、以下の方法を取り入れてみてくださいね。
トッピングをしてみる
まずはドッグフードにササミなどをトッピングして与えてみて、食欲が改善されるかを確認してみてください。新鮮な生肉を原材料に利用しているドッグフードに切り替えるのも手ですよ。
フードを食べやすくする
食べづらさが原因の場合は、飼い主さんがひと手間加えてあげましょう。ドライフードであれば、ぬるま湯でふやかして香りを立たせるのも手です。ニオイで食欲を刺激することができます。
また、粒が大きいようであれば砕いてあげるのもいいでしょう。ウェットタイプとドライタイプを組み合わせれば嗜好性が高まり、また水分も一緒に摂取することができます。
食器や環境を変える
食べやすい食器に変更したり、食事する場所を変えてみるといいかもしれません。ストレスを抱えている場合もあるので、遊びや散歩の時間を増やして発散させるのもいいですね。
動物病院で診てもらう
食べない原因が病気の可能性もあります。食べたくても、食べられないのかもしれません。「好きなおやつも食べない」「ぐったりしている」「元気がない」といった様子が見られるようであれば、かかりつけの動物病院で診てもらいましょう。
コーイケルホンディエの散歩やしつけについて
コーイケルホンディエの散歩は、1日2回それぞれ60分を目安にしてください。
もともと猟犬として活躍していたスタミナが豊富な犬種なので、運動をたくさん必要とします。
ドッグランで思いっきり走らせたり、ボール遊びを取り入れたりするといいですね。水遊びを好む子もいますので、夏場は水辺で遊ばせてみて下さい。
運動が少ないとストレスを溜めてしまう場合がありますので十分に時間を確保してくださいね。
コーイケルホンディエのしつけについて
家に迎え入れたときからしつけをはじめましょう。
頭が良く飼い主に忠実でありのみ込みも早いので、しつけは非常にしやすい犬種です。子犬の頃にたくさんの人間と動物に触れ合う機会を作り社会性を学ばせることで、利口で飼育しやすくなります。
失敗や間違いを叱るよりも、成功したことに対してオーバーに褒めてあげるようにしましょう。
コーイケルホンディエの生活環境とお手入れについて
揃えておくもの
飼育スペース・ケージ
食器類・床材
首輪やリード・おもちゃ
ドッグフードとおやつ
トイレ用品
ケア用品
動物病院
コーイケルホンディエとの生活をより快適なものにするために、「飼育スペース・ケージ」「食器類・床材」「首輪やリード・おもちゃ」「ドッグフードとおやつ」「トイレ用品」「ケア用品」「動物病院」などの生活用品や準備を揃えておきましょう。
飼育スペース・ケージ
快適に過ごせるスペースを確保します。サークルは十分な広さを確保できるもので、犬用のベッドやケージ・クレートを用意しましょう。クレートとは箱状の家のようなものであり、犬にとって寝床となったり安心できるものになります。移動するときにも使え、病院へ連れて行くときや災害による避難の際にも活躍します。
食器類・床材
ご飯を食べる時に必要な食器を用意しましょう。水のみ用のボウルとフードのためのボウルを別々に準備してあげてください。食器類を選ぶ際は「耐久性はあるか」「滑りにくくないか」「大きさは適切か」といったことを目安に探してみてください。床材についてはすべりにくい材質のものを選び、思わぬ転倒を防ぐために用意しておくと良いでしょう。フローリングの床で滑って関節を痛めないよう、すべりづらいカーペットを敷くなどの対策をしてあげてくださいね。
首輪やリード・おもちゃ
散歩や運動をするときのために、首輪やリード・ハーネスを準備しましょう。遊ぶためのおもちゃや知育玩具なども用意しておくと、遊びを通して良好な関係性を築くことができますよ。
ドッグフードとおやつ
健康管理のため、年齢に適した高品質の犬用のドッグフードを用意しましょう。初めて犬を飼育する方は、水と餌だけで栄養が賄える「総合栄養食」と書かれたドッグフードを用意するといいですね。飼育に応じて適切な量を与えるようにしてください。絶対に必要というわけではないですが、おやつも同時に用意しておくといいですね。しつけトレーニングの際に「ご褒美」として利用できますよ。
トイレ用品
屋内で飼育する際は、排泄物を処理するための犬用のトイレトレーを用意します。また、トイレトレーニングのために新聞紙やトレーニングパッドも役立ちますので、一緒に揃えておくといいですね。
ケア用品
健康と衛生を保つために、犬用のシャンプーやブラシ、爪切り、歯磨きセットなどのケア用品を用意します。
動物病院
何かあった際や健康管理のために、かかりつけの動物病院も見つけておくと安心です。獣医師の診察や予防接種、必要な薬やサプリメントなどを考慮し予算を立てておくのもいいですね。
お手入れについて
被毛ケア
シャンプー
歯磨き
爪切り
耳掃除
コーイケルホンディエとの生活をより良くするためには、日々のこまめなケアが欠かせません。
被毛ケア
ブラッシングは、毎日、換毛期であれば1日2回を目安に行います。
スリッカーブラシで余計なアンダーコートを取り除いた後にコームで仕上げます。
シャンプー
1~2ヶ月に1回を目安に行います。
シャンプー前にブラッシングで余計な抜け毛を取り除いておくと、毛が絡みにくくなってシャンプーしやすくなりますよ。
シャンプーが終わった後は流し残しのないように、丁寧にすすぐことも忘れないでくださいね。
歯磨き
定期的な歯磨きは口腔疾患のケアに繋がります。
指に巻いたガーゼで歯の表面に付着した汚れをふき取るようにします。
爪切り
血管を傷つけないように、爪の先端から少しずつ切るようにします。万が一の時のために止血剤も用意しておくといいですよ。
耳掃除
耳掃除は、耳が汚れているタイミングで行います。
「耳垢が増えた」「耳から悪臭がする」などいつもと違う様子であれば、病院で診察を受けるようにしてくださいね。
コーイケルホンディエの寿命と病気について
寿命
12~14年
コーイケルホンディエの寿命は12~14年で、中型犬としては平均的です。
病気
セロイド・リポフスチン脳症
フォン・ヴィレブランド病
脊髄軟化症
コーイケルホンディエは、遺伝疾患の多い犬種です。そのため遺伝性疾患の「セロイド・リポフスチン脳症」「フォン・ヴィレブランド病」の他、「脊髄軟化症」などに注意が必要です。
セロイド・リポフスチン脳症
伝性疾患の1つで、脳内の老廃物を分解・除去する酵素が欠損し、細胞にダメージを与える病気です。だいたい1歳から2歳のうちに発症します。原因は遺伝性なので、セロイド・リポフスチン脳症を発症する犬種を繁殖させない方法しか予防策はないと言えます。治療法はありません。
フォン・ヴィレブランド病
遺伝性疾患の1つで、止血に必要なフォン・ヴィレブランド因子が機能低下し、血が止まりにくくなる病気です。原因は遺伝性なので、フォン・ヴィレブランド病を発症する犬種を繁殖させない方法しか予防策はないと言えます。症状が起きた際は輸血などで正常な因子を補充する方法がありますので、おかしいなと感じた場合は、すぐに病院へ。
脊髄軟化症
脊髄が壊死してしまう病気で、椎間板ヘルニアなどを発症した場合に起こる可能性があります。治療法はなく、発症すると遅くても1週間以内に死に至ると言われています。遺伝性の場合は、神経が麻痺して次第に歩けなくなり最後は呼吸ができずに死に至ります。遺伝性の場合は予防策がありません。
なお、VWD(フォンビルブラント病)に関しては遺伝子検査が行われており、親犬がその遺伝子を持っていなければ子犬が発症することはありません。迎え入れる前には必ず検査するようにしてくださいね。
コーイケルホンディエの迎え入れについて
迎え入れ費用
30万円前後
コーイケルホンディエの迎え入れにかかる費用は、50〜100万円前後です。
ただ、国内における専門ブリーダーの数は少なく年間に90頭前後しか生まれていないため、50万円を超える事もありますよ。
迎え入れ先
コーイケルホンディエの迎え入れ先は「ブリーダー」「里親」の2つです。
それぞれにメリット・注意点があるので、自分にあった最適な方法で迎え入れるといいですよ。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
この記事では、コーイケルホンディエの飼い方について紹介しました。
日本ではあまり馴染みのない犬種であり、ペットショップなどではほとんどみかけることはありません。
ただ温厚な性格でしつけもしやすい点から、初めての方でも飼育しやすい犬種でオススメです。
日本のブリーダーから出会うことは可能ですので、気になる方は探してみて下さいね。
しつけはしやすいですが、不安な事や疑問に思うことはプロに相談してみましょう。
すでに飼育している、これから飼育を考えている皆様のお役に立てる情報があれば幸いです。