普段はおとなしい猫でも、ときには「シャー!」と威嚇して猫パンチやひっかきなどの攻撃をすることがあります。
とくに猫の多頭飼いをする場合は注意が必要です。先住猫が後から来た猫に怖いくらいの威嚇行動を見せることがあり、飼い主さんも困ってしまうことが多いようです。
この記事では猫がシャーと威嚇する行動の意味や原因としつけの方法をまとめました。
猫の威嚇行動は?鳴き声の「シャー」の意味は?
猫は恐怖や敵意を感じると、頭を低くし唸り声を上げながら背中を丸めて体毛を逆立たせます。体を大きく見せながら防御の姿勢を取っているためだといわれています。
相手にキバをむきながら、「シャー!」という鳴き声を出します。「シャー」という鳴き声は、猫がヘビを真似たもので威嚇を意味しています。
猫が威嚇行動をする原因は?
威嚇行動に繋がる原因
恐怖や敵意を感じた
縄張りに入られた
ストレスを感じたから
弱みを抱えているから
飼い主に不満を感じているから
主な原因は「恐怖や縄張り意識」からくる威嚇ですが、他にも様々な理由が考えられます。
恐怖や敵意を感じた
人や物に対して、恐怖や敵意を感じた際に威嚇行動を見せます。自分を守るためやその場から逃げ出すことが出来ないと判断した際に見られる行動です。威嚇することで状況を何とか打開しようとしているのです。
縄張りに入られた
猫にとって縄張りは、安心できる場所です。この縄張りを何者かが侵入した場合や奪われると感じた場合に、唸ったり噛みついたりする威嚇行動をします。落ち着ける場所を守ろうとするためなのです。
ストレスを感じたから
猫にとって落ち着かない環境であったり、欲求が満たされない場合にストレスが溜まることでストレスが溜まり、威嚇することがあるようです。いわゆる「八つ当たり」「ストレスのはけ口」のようなイメージです。
弱みを抱えているから
猫も防御のために威嚇することがあります。たとえば怪我や病気をしている場合は自分の身を守るために威嚇しますし、母猫は子猫を守るために威嚇を行います。
飼い主に不満を感じているから
飼い主さんが原因を作ってしまっていることも少なくありません。嫌がっているのに構い続けたり餌を十分に与えていなかったりすると威嚇をされることもあります。
必ず理由があって威嚇する
猫が理由もなく威嚇をすることはほとんどなく、多くの場合は何らかの原因があります。
猫が恐怖や敵意を感じた場合、いきなり攻撃を行うのではなく、まずは威嚇して相手を遠ざけようとします。威嚇によって相手がいなくならない場合は、前足を使って「猫パンチ」をし、相手をけん制します。それでも相手が怯まない場合は、爪を出して直接的に攻撃し始めます。先住猫が後から来た猫に威嚇をするのも恐怖や縄張り意識からだといえます。
猫の威嚇はしつけできる?
威嚇はしつけができる
もし原因が見当たらないのにやたらと威嚇行動をする場合はしつけで対処します。猫が威嚇や攻撃をしてきた場合に「下手に機嫌を取る」「怯んだり怒ったりする」事はおすすめしません。猫が「自分の威嚇や攻撃が効いているんだ!」と学習し、攻撃を繰り返すようになってしまうからです。
しつけ方法
驚かす
無視する
猫の威嚇をしつける上で良いとされる方法は「驚かせる」「無視する」の2つです。
驚かせる
威嚇のサインを見せはじめたら「両手をパン!と打ち鳴らす」「風船を割る」「霧吹きをかける」などの方法でびっくりさせると、猫は萎えて威嚇をやめてくれます。驚かせることを何度か繰り返すことで、威嚇や攻撃が通じないということを学習させてくださいね。
無視する
目をそらして無視するのも威嚇行動をおさえる有効なしつけ法の1つです。威嚇行動は飼い主さんに構って欲しくて行う猫も多いので、飼い主さんに反応がないとやめてくれるケースが多いですよ。
猫の威嚇行動、対策はどうしたらいい?
まずは原因を特定する
猫の威嚇行動や攻撃が収まらない場合は、まず猫が威嚇を行う原因を特定し取り除くことが大切です。去勢手術によってホルモンバランスが変わって威嚇をしなくなることも少なくありませんし、母猫が威嚇行動を見せる場合は子猫に下手に近づかなくなれば威嚇行動は減りますよ。
多頭飼育の場合
猫の威嚇行動の中でも、問題になりやすいのは多頭飼いをした際の、先住猫による威嚇行動です。後から来た新入り猫を追い出すわけにもいかないので困ってしまいます。先住猫の威嚇行動はよくある問題ですが、ちょっとした工夫で防止することができます。先住猫と新入りの猫を対面させる前に、「新入りの猫の匂いがついた毛布やタオルを嗅がせておく」ことがおすすめです。
初めて対面するときは短時間で終わらせ、徐々にゆっくりと一緒に過ごす時間を増やしていってくださいね。慣れない猫と長時間同じ空間にいると、猫は大きなストレスを感じてしまいます。先住猫が「自分より新入りが可愛がられている」と思ってストレスを溜めてしまわないように、餌は先住猫からあげる、先住猫から抱っこをするなどの工夫をしてくださいね。
遊んでいるときやスキンシップ中の場合
猫とおもちゃを使って遊んでいる場合や、ブラッシングなどのスキンシップ中に突然威嚇されことはありませんか?猫にとってストレスに感じている行為があるかもしれません。そんな時は嫌がる行為をストップさせ、猫から目をそらして無視しましょう。猫の目をじーっとみるのはNGです。その行動は猫からすると喧嘩を始める意味があり、またストレスを感じる行為でもあります。威嚇が落ち着くまでその場を離れて様子を見ましょう。
懐いていない猫の場合
猫を迎え入れた際、恐怖や不安から威嚇してくる子もいます。その場合は、「慣れるまで離れておく」「騒がしくしない」「匂いに気を付ける」といったことに注意して、懐くまで慌てずに接していきましょう。ご飯の他に「おやつ」を利用して距離を詰めてみてもいいですね。猫にとって安心できる空間であることや、飼い主に恐怖を感じなくていいのだとわかってもらうことが大切です。
気になる威嚇症状は獣医師に相談してみる
いつもは温厚な愛猫がやけに威嚇する、猫同士でよく喧嘩をするといった場合は、何かしらの不調のサインかもしれません。
飼い主さんだからこそ気がつくことを放置せず、些細なことでもまずは獣医師さんへ相談してみてください。うまく医師に伝えられるか不安・・・そう思われる飼い主さんには、様子がわかる動画を撮っておくことをオススメします。
猫の威嚇行動は怒るのではなく冷静に対応を
いかがでしたでしょうか?
猫の威嚇行動は原因を取り除くことやしつけによって軽減することができます。
猫の威嚇には必ず原因があります。怒ったり機嫌をとったりするのではなく、どんなことに威嚇をしているのか、よく確認して冷静に対応するようにしてくださいね。