猫の認知症、原因と症状、治療と対策。鳴くって本当?

シニア猫
愛玩動物看護師
監修者:渡邉鈴子

栃木県生まれ。帝京科学大学にて4年間、動物看護学をはじめとした動物関連の科目を学び、2023年5月には愛玩動物看護師免許を取得。これまでにうさぎや猫の飼育経験あり。2024年にはペット栄養管理士の資格も取得。

猫も人間と同じく、年をとれば認知症になることがあります。認知症を理解していないと症状を見過ごしてしまうこともありますよ。

シニアな猫の飼い主は、猫の認知症について理解し、疑わしい症状が表れたら落ち着いた行動を心がけてくださいね。

この記事では、猫の認知症の原因や症状、治療法や対策についてまとめました。

猫の認知症、原因と症状は?

猫
認知症は加齢による脳内の変化や、極度のストレスが原因でおこります。猫の場合、8歳を過ぎてから表れやすくなります。症状は、日々の行動の変化に目に見えて表れます。

具体的には、飼い主さんの呼びかけに反応しなくなったり、夜中に突然大きな声で鳴くようになったりします。トイレの場所がわからなくなり、トイレ以外の場所で排泄や失禁をするようにもなります。特徴的なのは、同じ場所をグルグルと回るように歩く行動です。1つでも心当たりがあれば認知症の可能性があります。

甲状腺に異常がある場合も認知症に似た症状がみられるので、いずれにせよ獣医師に相談してください。

 

猫の認知症、対策と治療法は?

猫
認知症対策に大切なのは運動、食事、コミュニケーションの3つです。

猫は、心と体に適度な刺激を与えることでさまざまな機能が活性化します。おもちゃなどを使った遊びを取り入れ、積極的にスキンシップをとってあげてください。

食事では、人間向けのサプリメントとしても有名な、オメガ3脂肪酸を含んだキャットフードを与えるのがおすすめです。

認知症が発症した場合、薬による治療と食事による治療をおこないます。薬は、症状を軽減させてくれるドーパミンの生成を促すものが処方されることが多いです。食事は、抗酸化物質を含むフードを与えます。市販で手に入らないものなので、病院へ連れていってくださいね。

 

猫の認知症の体験談。鳴くってホント?

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最初に気になりだした症状は2つで、急に夜鳴きをするようになったことと、油分の多い食べ物を好むようになったことです。その後症状の種類は徐々に増えていき、最終的に介護生活が始まりました。一番に心掛けていたのは、余生をマイペースに過ごさせることです。

問題行動にもおおらかに対応し、認知症になってから大好きになったオリーブオイルも定期的にあげるようにしていました。毎日のおむつ替えには、慣れるまで苦労しました。体調の良い時期と悪い時期の波があり、体調の良い時期は呼びかけにも答えてくれました。苦労は多かったですが、愛猫に対する愛情は変わらずに過ごすことができましたよ。

 

猫の認知症、心のケアをしてあげてください

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認知症を発症した場合、治療ももちろん大事ですが生活面でのケアがポイントになります。問題行動が多くなりますが、厳しく叱らないようにしてあげてください。可能なかぎり、猫が快適に過ごせるような工夫を生活の中に取り入れていくことが大切です。症状に合わせた対策をとってあげてくださいね。

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