猫の尿路結石症は、人間と同じで腎臓から尿道へとつながる管に結石ができる病気です。
尿道が長くて狭いオス猫にみられることが多い病気ですが、メス猫でも発症することがあります。また、水をあまり飲まない猫や肥満の猫は尿路結石のリスクが高まるため注意が必要です。
この記事では、尿路結石の症状と原因、治療や対策、飼い猫が尿路結石症になった飼い主の体験談をまとめました。
猫の尿路結石症、症状は?
猫が尿路結石症になると、トイレの回数が多くなりますが、尿の量は減ります。排尿時に痛みで鳴き声を上げたり、トイレ以外で尿をこぼしたり、血尿が出たりなどの症状も見られます。
尿と一緒に砂状の結晶や結石が排出されると、トイレ砂がキラキラ光って見えたりすることがあります。尿路結石症は最悪の場合、尿道が塞がり尿毒症になることがあります。
尿毒症は命に関わる病気なので注意が必要です。
猫の尿路結石症の原因は?
食べ物に含まれているカルシウムや、マグネシウムなどのミネラルが尿の中で増えると結石ができ、尿路結石症の原因になります。
日頃から水を飲む量が少ないことや尿のpHバランスが崩れることで結石ができやすくなります。
人間向けの塩分の多い食べ物を食べるのも尿路結石症の原因となりますよ。
猫の尿路結石症の治療は手術?
治療方法は症状により異なり、食事管理や投薬、手術のいずれかを行います。
軽い尿路結石症であれば、ミネラル分の少ない専用フードによる食事管理や、結石を溶かす薬を使いながら経過を観察します。点滴で体に水分を入れ、尿の量を一時的に増やして流す治療もあります。大きめの結石ができている場合は手術が必要です。
手術費は、入院や処方される薬も含め3~5万円程かかります。手術でも結石が取り除けないケースや、再発を繰り返すときは、尿道を短くする手術を行います。
猫の尿路結石症、対策は?
尿路結石症の対策は、生活習慣の見直しです。
新鮮な水をいつでも飲めるようにしてあげてください。水を飲む量が少ない場合は、運動させると適量を飲むようなってくれますよ。
食事はミネラル分の少ないフードを中心に与えるのがおすすめです。食事で注意が必要なのは、猫におねだりされて人間の食べ物を与えてしまうことです。人間の食べ物は猫にとって塩分が強すぎるので、絶対に与えないようにしてください。
猫が快適にトイレを使えるようにすることも併せて重要です。トイレを清潔に保つために頻繁に掃除していれば、異変に早く気づき対策がとれますよ。
猫の尿路結石症の体験談
猫を飼い始めて数年、猫に与えて良いフードの知識が欠けていた飼い主の方。猫が欲しがるままに人間の食べ物を与えてしまってことが原因で、飼い猫は尿路結石症になりました。
はじめは、トイレで尿があまり出ずに苦しそうな表情をしたり、尿を床にたらしたりするなどの症状がでました。数日経つと、尿が全く出なくなり、お腹が膨れたように見え、触られるのを嫌がりました。
気になり動物病院に連れて行くと、尿管に詰まった結石が見つかり、緊急手術となりました。手術の内容は、ガスによる全身麻酔をかけた状態で尿道にカテーテルを通し尿道を洗浄するというもので、手術後は経過観察のため一泊入院しました。
その後、獣医師のアドバイスに従った食事管理などで尿路結石症が再発することはなく、無事完治することができました。
気になったらすぐに動物病院へ
猫の尿路結石症は、症状が見てわかるようになったときにはかなり悪化しています。
普段から飼い猫をよく観察し、異常を感じたらすぐに動物病院を受診してください。フードの選び方や水をこまめにあげること、トイレを清潔に保つことも重要です。普段から対策できることをしてあげてくださいね。