猫で貧血?と感じる方が多いかと思いますが大きな健康問題の1つです。貧血は深刻な病気のサインとなりますので、原因を追求し対策を図ることが必要になります。
この記事では、猫の貧血に関する症状・原因・診断・治療・対処方法・注意点についてまとめました。
目次
猫の貧血、症状は?
元気がない
動くのを嫌がる
食欲がなくなる
呼吸が苦しそう
口の粘膜が青白くなる
目と口の粘膜が黄色くなる
猫が貧血になると「元気がない」「動くのを嫌がる」「食欲がない」「呼吸が苦しそう」「口の中の粘膜が青白くなる」「白目や口内の粘膜が黄色くなる(黄疸)」「おしっこの色が濃く赤茶色になる」といった症状が出ます。
いつもと様子がおかしいなと感じたらすぐに動物病院でみてもらってくださいね。放置してしまうと重症になってしまう可能性があります。
猫の貧血、原因は?
猫の貧血は主に「溶血性貧血」に分類されます。溶血とは赤血球が破壊されてしまうことです。原因には「自己免疫性」「外傷によるもの」「遺伝」があります。
自己免疫性
自己免疫性は、免疫細胞が猫自身の赤血球を破壊することで発症します。本来、免疫細胞は体内に入ってきた異物を排除する役割を持っています。自分の赤血球を攻撃してしまうように異常なプログラムを起こしてしまうことで発生します。原因は解明されていないことがほとんどです。
外傷によるもの
外傷によるものは「外傷性溶血性貧血」と呼ばれます。何度も繰り返して打撃を受ける・衝撃を受けるなどして溶血が起きると発症します。
遺伝で起こるもの
遺伝ではピルビン酸キナーゼ欠損症が原因となります。赤血球の正常な働きを助けるピルビン酸キナーゼという酵素を、生まれつき持っていないことです。生まれつき赤血球が上手に活動することができず、貧血の原因となる溶血を起こしてしまいます。
他には?
他にも「中毒」「猫白血病ウィルス」「ヘモバルトネラ症」「慢性腎不全」「糸球体腎炎」「鉤虫症」「糖尿病」「甲状腺機能亢進症」「悪性リンパ腫」といった病気を発症すると、貧血の症状が出ますよ。
中毒では、殺虫剤・害虫害獣駆除剤・人間用の薬やサプリメント・タマネギ・長ネギなどの誤飲があげられます。
猫の貧血、診断方法は?
貧血の検査では、「体温測定」「粘膜の色を診る」「関節の腫れや内出血の有無」「聴診」「血液検査」「尿検査」「X線検査」などを行います。
どれも家で行うこと、確定的な診断を行うことが難しいので怪しいと思ったら、すぐに動物病院に行くことが大切です。
猫の貧血、治療はどのように行う?
猫の貧血が「溶血性貧血」の場合、免疫を抑えることで貧血を治す治療を行います。合併症で多く見られる「血栓塞栓症」に対する抗血栓療法も行うこともあります。基本的には薬を使用しての治療になります。
症状が重い場合には輸血が行われます。
他の病気を発症して、その症状のひとつが貧血である場合、それぞれの病気に対する治療が行われます。根本的な原因となる疾患を取り除くことが完全治療の糸口になります。
中毒の場合、猫の体内から中毒となる原因をすみやかに排出させる処置が取られます。嘔吐させるか、排泄させるかして、中毒の原因となる毒物の毒性を弱めるのですね。胃洗浄が行われる場合もあります。
猫の貧血、対策はできる?
貧血対策のワクチンはありません。貧血の原因が「寄生虫」「白血病ウイルス」などの場合には、ワクチン接種で対策することもできますよ。
猫の貧血、飼い主が注意することは?
意識的なケアができる貧血の原因には中毒、寄生虫、感染症があります。猫を放し飼いにしていると、屋外で殺虫剤・害虫害獣駆除剤・不凍液などを口にする危険や、寄生虫・ウィルスに感染する危険があります。愛猫を室内で飼育することをおすすめします。
室内でも、殺虫剤・防虫剤・不凍液・人間用の薬やサプリメント・タマネギ・長ネギなどを誤飲しないように、取り扱いに注意してあげてくださいね。
猫の貧血、かかりやすい猫種は?
アビシニアン
ソマリ
アメリカンショートヘアー
貧血の中でも、「ピルビン酸キナーゼ欠損症」という遺伝的な理由で発症する場合、アビシニアン・ソマリ・アメリカンショートヘアがかかりやすい猫種になります。
室内飼育が対策に最適!
猫の貧血は、完全な室内飼育にすることで防げるケースが多々あります。室外で飼育することで触れ合う危険性のある、感染症を持った野良猫などから遠ざけることができるからです。
また、室内飼育の場合でも、猫に与えてはいけない食べ物である玉ねぎやネギは絶対に口にさせないように気をつけてくださいね。