ブリティッシュショートヘアは、イギリス最古の猫種です。
略して「ブリショー」と呼ばれ、ルイス・キャロルの「ふしぎの国のアリス」に登場するチェシャ猫のモデルになったともいわれていますよ。
この記事では、ブリティッシュショートヘアの歴史や性格、特徴や被毛の色、エサや価格についてまとめました。
目次
ブリティッシュショートヘアの歴史は?
ブリティッシュショートヘアは遡ること2000年前、ローマ帝国時代に古代ローマ人がイギリスに持ち込んだと考えられています。
当時、ブリティッシュショートヘアは運動能力が高く評価され、ネズミ退治として活躍しました。ローマ軍の海外遠征にも、食料や備蓄品をネズミから守るために一緒に連れていったという話もあります。
半野生の自然繁殖で数を増やします。1871年に有名なブリーダーの手によって、世界初のキャットショーで優勝して、世界中で注目されました。
19世紀が終わる頃にはイギリスで純血種の猫への関心が高まり、ブリティッシュショートヘアのブリーディングが盛んに行われました。
2003年にはキャットフード「シーバ」のCMで起用されるなど、今もなお人気の高い猫種です。
出典:TICA「British shorthair」、タムシン・ピッケラル/五十嵐友子[訳]|アストリッド・ハリソン[写真]「世界で一番美しい猫の図鑑」
長毛種も生まれる?公認の歴史は?
ペルシャ猫とも交配しているため、稀に長毛の子猫が生まれることもあります。
長毛種がブリティッシュショートヘアの血統種として認められることは長らくありませんでしたが、近年になって古い時代のペルシャやアンゴラの特徴を残している長毛のブリティッシュショートヘアを新たな猫主として確立させようとの動きが起こります。
2009年にはアメリカの猫種血統登録団体TICAが「ブリティッシュロングヘア」として公認していますが、イギリスではまだ認められていません。
ブリティッシュショートヘアの性格は?
穏やかで賢い
実は寂しがり
褒められ好き
ブリテッシュショートヘアは、遡ること2000年ほど前、ローマ人がイギリスに食料生産をもたらす際、ネズミ対策のために同時に持ち込んだとされています。
元来、運動能力が高い猫種とされており、ローマ軍の海外遠征においても、食料や備蓄品をネズミから守る役割を担っていたという話もあります。そのため、知的で学習能力の高い性格の持ち主であるといわれています。
穏やかで賢い
賢く運動能力の高いブリテッシュショートヘアですが、自立心が高く、普段は穏やかでのんびりしています。抱っこされることもあまり得意とせず、物静かな姿が印象的です。
寂しがりや
普段は物静かに過ごしているブリテッシュショートヘアですが、あまり独りにしてしまうとストレスを溜めてしまうことがあります。
飼い主さんは、ブリテッシュショートヘアのそんな気持ちに応えてくださいね。普段は物静かで表情を変えずクールな印象ですが、一転して飼い主に甘え喜びを見せる姿に思わず心を奪われてしまうのが、ブリテッシュショートヘアの魅力かもしれませんね。
褒められ好き
一見クールで気高い印象のブリテッシュショートヘアですが、心の中では飼い主に対して甘えたい、寂しいという感情を持っているともいわれています。
その我慢強い性格から普段は感情を見せないものの、ハンターとしてしつけられてきたという環境の影響もあり、他の猫種に比べて褒められることが大好きな性格の持ち主です。
ブリティッシュショートヘアの体重や被毛色の特徴は?
3~5kg
ブルーをはじめ多数
体重
体重は3~5kgほどで、中~大型猫に分類されます。
体はセミコビータイプで、厚みのあるがっしりとした体型をしています。
体の特徴
低めの鼻、丸くて幅広な頭、丸みのある額、丸くて大きい離れ目、少し短くて骨太な足が特徴的です。
ブリティッシュショートヘアの被毛はその名の通り短毛ですが、密度が高く厚みがあります。手触りはやや固めで「ベルベット」に似ています。
目の色も毛色に準じて「ブルー」「グリーン」「ヘーゼル」「ゴールド」「カッパー」「オッドアイ」などがありますよ。
毛色
ブリティッシュショートヘアは別名「ブリティッシュブルー」ともよばれます。「ブルー」の被毛カラーは有名ですよね。
他にも被毛カラーは「ブラック」「ホワイト」「レッド」「ブルー」「クリーム」、パターンは「ソリッド」「タビー」「シルバー」「ゴールデン」「パーティーカラー」など多数あります。
ブリティッシュショートヘアの飼い方は?
運動させる工夫
ブリティッシュショートヘアはネズミを捕獲するために改良が重ねられた猫種なので、ハンター遺伝子を色濃く受け継いでいます。
成猫になると運動量は減りますが、体を動かすことが好きな猫なので一緒に遊んであげるときは十分に相手をしてあげてくださいね。
キャットタワーを設置するなど運動できる環境を作ってあげることが、運動不足や肥満対策に繋がります。
毛並の手入れ
ブリティッシュショートヘアは短毛種で抜け毛の量も多くないですが、定期的なブラッシングを欠かさないようにします。
換毛期であれば1日1回程度、抜け毛が少ない時期は週2~3回程度のブラッシングをしてあげてくださいね。また、爪の定期的な切り方や耳の清潔さにも注意を払いましょう。
食事の注意点
骨太で筋肉質な体型をしているので、高タンパク・高カロリーの食事を与えるようにします。
ただ、成猫になると運動量が減るため、肥満にならないように注意してあげてください。運動量や食事量に気をつけるだけでなく、少量で十分な栄養が摂取できる良質なキャットフードを選んであげてくださいね。
ブリティッシュショートヘアの飼い方について、詳しく知りたい方はこちら
ブリティッシュショートヘアの寿命、気をつけるべき病気は?
14~17年
皮膚炎
胃腸炎
糖尿病
尿石症
肥大型心筋症
ブリティッシュショートヘアの寿命は14~17年前後です。猫全体の寿命が15年前後なので、やや長寿の猫種といえます。
気をつけたい病気は、「皮膚炎」「胃腸炎」「糖尿病」「尿石症」です。
特に気を付けたいのは…
肥大型心筋症は、心臓が分厚くなり心臓の機能が低下する遺伝的な病気です。
初期は無症状ですが、重症化すると元気がなくなったり食欲がなくなったり、呼吸困難や後ろ足の麻痺などが起こります。
予防方法がないため、定期健診で心臓に異常がないか確認してもらいましょう。
遺伝性の病気
多嚢胞性腎疾患(PKD)
PKDは遺伝性の腎臓疾患であり、腎臓に多数の嚢胞が形成される特徴があります。
ブリティッシュショートヘアの一部の個体ではこの疾患の発症リスクが高くなることが報告されています。
多発性骨軟骨症
多発性骨軟骨症は、骨や軟骨の発育異常を引き起こす遺伝子の変異によって引き起こされます。
この疾患はブリティッシュショートヘアにおいても稀に見られることがあります。
これらの疾患は遺伝的要素が関与する場合がありますが、健康なブリティッシュショートヘアを選ぶためには信頼できるブリーダーや獣医との相談が重要です。
また、定期的な獣医の診察と健康管理、適切な栄養と運動、遺伝的な疾患に対する遺伝子検査などがブリティッシュショートヘアの健康維持に役立ちます。
血液型をチェック?
猫の血液型はA型がスタンダードですが、ブリティッシュショートヘアは、B型が約4割を占めています。これは珍しい猫種といえますが、輸血がほとんどできないデメリットもあります。
手術で輸血が必要な時にはB型だと苦労しますので、ペットとして迎え入れる場合には、血液型検査をしておくことをおすすめします。
もしもの時にB型の血液を用意してもらえるかなども確認しておくと安心です。
ブリティッシュショートヘアの価格は?
10~25万円
30万円以上
ブリティッシュショートヘアの価格は約10〜25万円で、チャンピオン猫の血を引いているなど血統書がついていると30万円を超えるものもいます。
人気の猫ですので、ブリティッシュショートヘア専門のブリーダーもいます。ネット上では子猫の情報も豊富ですので、気になる方は調べてみてくださいね。
ブリティッシュショートヘアの販売価格について詳しく知りたい方はこちら
ブリティッシュショートヘアのごはんは?おすすめキャットフードは?
ブリティッシュショートヘアのごはんを選ぶときのポイントとして、ねこちゃんにとって必須栄養素である「タウリン」に注目してみてください。
タウリンは心臓の健康維持をサポートする働きがあり、心筋の収縮に関係しています。ごはんの中に含まれるタウリンが少ないと「タウリン欠乏症」が起こる可能性があり、拡張型心筋症や進行性網膜萎縮のリスクが。
基本的にどのキャットフードにもタウリンが含まれていますが、原材料や成分表に記載しているかしっかり確認してごはんを選んでください。