主婦A
もしかして今、突然吠える愛犬に困っていますか?
愛犬の吠える行動は、よく「無駄吠え」「吠え癖」と問題行動として挙げられます。どうして突然吠えるの?辞めてくれるにはどうしつけたらよい?と悩む飼い主さんも多いのではないでしょうか。
しかし、しつけを始める前にひとつ質問をさせてください。
愛犬がなぜ吠えているのか
そのキモチを考えたことはありますか?
この記事では一般的なしつけの方針は紹介しません。メンタルドッグコーチ中西典子さんの「しつけの常識にしばられない犬とのよりそイズム」の考え方を参考に、愛犬によりそう新しいしつけの考え方についてパターン別に解説しています。
目次
なぜ犬は吠えるの?問題行動なの?
まずそもそもどうして犬は吠えるのでしょうか。人間は吠えることが無いので、そのキモチははじめ理解しにくいかもしれません。
犬が吠える行動は、人間でいう話す行動にあたります。
・思ったことを飼い主さんに伝える
・仲間の犬に危険を知らせる
・遊んでほしいとじゃれる
などなど、コミュニケーションを取るために犬は吠えます。
人間の場合、話すことが「問題だ」と言われることはまずありません。しかし犬の場合は吠えるだけで問題行動と言われることが多々あります。
これは会話の仕方が犬と人では違うため、なぜ愛犬が吠えているのか飼い主さんが理解できず「問題行動のように感じてしまう」ことが原因です。
犬にとっては吠えること自体決して問題行動ではないので、即座に「吠えるな!」としつけようとする行為は間違っています。
「無駄吠え」は存在しない理由
吠えざるをえない「理由」が必ずある
よく聞く「無駄吠え」という言葉。とにかく「無駄に吠えているだけ」としつけの対象になることが多いですが、上記の通り犬が無駄に吠えることなどありません。
野生下において余計な音を出すことは敵に自分の位置を知らせるに等しいので、犬が吠えるときには必ず理由があります。
具体的には「楽しい」「怖い」「不安」「暇」「お腹すいた」など感情を表現することが多いです。
大切なことは愛犬の行動を「無駄吠え」と単純に理解するのではなく、なぜ吠えているのかと愛犬のキモチを想像することが大切です。
吠える犬種、吠えない犬種はいる?
「吠える」という漢字は口編に犬と書きます。犬は吠えることでコミュニケーションを取るため、全く吠えない犬種など存在しません。
もちろん個体差はあるので無口な子、声が小さい子は存在しますが、それは犬種による差ではなくその子の性格によるものです。
たまに「この子は吠えない犬種です」とペットショップで紹介することもあるようですが、これは誤解の多い表現です。一言も話さず生涯を終える人間がいない(*)ように、全く吠えない犬は存在しないというのが正しい理解です。
(*)先天的な理由で話すことができない方は例外です。
愛犬が吠えているときのしつけ方針
愛犬が吠えることで「社会、他人に迷惑をかけてしまう」「飼い主や愛犬に危険が及ぶ」場合にのみしつけを検討します。
またしつけを行う際も、いきなり愛犬を直接しつけるのではなく、
①愛犬の吠えたいキモチを理解、承認
②環境や飼い主さんの考えを変えることで解決しないか検討
③解決しなければしつけを実施
上記のステップを必ず踏むようにします。以下では実際に愛犬が吠えやすいパターン別にしつけの考え方を解説しています。
愛犬が吠えるパターン1:散歩中他の犬に吠える
あいさつ
興味を引きたい
怖くて威嚇
散歩中に愛犬が他の犬や通行人に吠える場合、上記の理由が考えられます。それぞれ他にはどんな行動が見られるかやおすすめな対策法については以下の記事でまとめています。
生き物ではなくても「標識」や「電柱」「看板」などに吠える場合もありますので、何に吠えているのかは生き物以外の可能性も考慮して探してあげることが必要です。
愛犬が吠えるパターン2:ハウスに入れると吠える
閉じ込められたくない
もっと遊びたい
そろそろ出してよ
ハウスに入った途端吠える、ハウスに入っていたら急に吠える場合には上記の理由が考えられます。状況からどの理由で愛犬が吠えているのか推測してみてください。
5つの基本しつけの1つ「ハウス」のトレーニングがうまくできているかも重要です。
愛犬が吠えるパターン3:ドアホンが鳴ると吠える
身の危険を感じている
ドアホンが鳴ると吠えてしまうという子の悩みは、多くの飼い主さんがもっています。愛犬は身の危険を感じており、飼い主さんを守ろうとしてくれているというキモチをくみ取った上でしつけに向き合うことが大切です。
愛犬が吠えるパターン4:食事中に触ると吠える
食事を守りたい
食事を邪魔されたくない
愛犬がフードを食べているときに体をなでたりお皿を触ったりすると吠えられるという場合は、「食事を取られる」「邪魔されている」と思っているケースが多いです。
この行動は「フードガード」と呼ばれ、真っ先にしつけの対象になりやすいですが本当に愛犬は悪いことをしているのでしょうか。
愛犬が吠えるパターン5:遊んでいると突然吠える
遊び慣れていない
飼い主さんや犬友達と一緒にじゃれ合って楽しく遊んでいたのに、様子が急変して激しく吠えられてしまったというご経験ないですか?
これは遊びによって体が興奮している状態で「楽しい」と表現することに慣れておらず起こることが多い行動です。
愛犬が吠えるパターン6:窓の外に向かって吠える
好奇心
警戒心
窓の外に向かって愛犬が吠える場合、窓の外にあるものに対して「なんだあれ!」という好奇心で吠えているか、「こっちにくるな!」という警戒心で吠えているかのどちらかであることが多いです。
愛犬が吠えるパターン7:留守番中に吠える
不安、寂しい
警戒
お留守番中に吠える行動はとてもしつけが難しいです。お留守番中にも愛犬が吠えずにすむ環境づくりと、日頃からひとりでいる練習を根気よく行うことが大切です。
愛犬が吠えるパターン8:外出した瞬間に吠える
不安
寂しさ
留守番中に吠える子の多くは、飼い主さんが外出したときにも激しく吠えることがあります。これは「これからまたひとりでお留守番しなくてはいけない」ということに対して抵抗をしている状態です。
上で紹介したお留守番中のしつけ対策を行ったうえで、以下の記事で紹介している4つの対策法をためしてみてください。
よくあるしつけグッズの中でおすすめはどれ?
よりそイズムのしつけでは、愛犬のキモチを理解し承認する姿勢がとても大切です。
その観点からこの見出しでは「犬のしつけ おすすめグッズ」と検索するとよく出てくる4つのアイテム「おもちゃ」「おやつ」「スプレー」「無駄吠え防止首輪」について、積極的に使いたいものなのか、使い所をかなり限定したほうがいいのか、使ってはいけないものなのかを解説します。
おもちゃ
積極的に使いたいグッズです。特に愛犬が大好きなおもちゃを把握しておくと、「吠えることよりもおもちゃで遊ぶことのほうが楽しいじゃん!」とおもちゃに気を引くことが叱らないしつけ手段として有効です。
おやつ
おやつも積極的に使いたいグッズです。「うちの子はドッグフード、ささみ、チーズ、牛肉ブロックの順に食べ付きがいい」など愛犬の好物をグレード順に把握しておくことをおすすめします。
食事を楽しみ夢中になる子は多いので、おもちゃ程度では関心を示さず吠え続けてしまうときに有効です。
スプレー
使い所をかなり限定したい商品です。
犬が苦手な柑橘系の香りが噴射されるスプレーが多く販売されています。どうしても近づいてほしくない場所やものに対して振りかける「最終手段」として、なるべく使用しないスタンスを取ってください。
なんでもかんでも「吠えたらスプレーをかける」としてしまうと、スプレーをかける場所を増やすたび愛犬に大きなストレスがかかってしまいます。
スプレーを直接愛犬にかけることもしてはいけません。
無駄吠え防止首輪
どんな状況であれ、使用してはいけない商品です。
愛犬が吠えると首輪から少量の電流が流れ、痛みによって吠えないようにしつけるというもの。この行為は愛犬の「伝えたい、会話したい」というキモチを一切無視しており、よりそイズムの方針に反しています。
使い始めることで飼い主さんの「愛犬の気持ちを理解しよう」という姿勢や「今吠えているのは何が原因なんだろう?」という思考も徐々に薄れてしまう可能性すらあります。
もしこの首輪を利用したい、せざるを得ないと感じたら、使用を控え、首輪の購入金額でしつけのプロに相談を仰ぐことをおすすめします。
まとめ
以上が愛犬の吠える行動に対して、pepyがおすすめしたいしつけの方針です。
吠えるに限らず「噛む」「嫌がる」「怖がる」など問題行動といわれるすべてのシチュエーションについて、よりそイズムの考え方は当てはめることができます。
愛犬にあまり無理強いをしたくない。この方法って本当に合っているの?なんだか愛犬が可哀想かも・・・。としつけの常識とされている行動に疑問を感じたことのある方は、ぜひ以下の記事をご確認ください。