猫の被毛には「キジトラ」や「サバトラ」という柄が存在します。アメリカンショートヘアの被毛カラーにはこの2つは存在するのでしょうか。
この記事ではアメリカンショートヘアと「キジトラ」「サバトラ」の関係についてまとめました。
目次
キジトラとはどんな柄?
別名「ブラウンマッカレルタビー」
茶色ベースに黒の縞模様
「キジトラ」は猫の被毛の柄の1つで、別名「ブラウンマッカレルタビー」とも呼ばれます。茶色ベースに黒の縞模様が特徴的で、野生の血が濃く残った猫に多く見られます。
キジトラには「キジトラ白」「キジトラ黒」「黒×白」の3種類のバリエーションがあります。口まわりは白く鼻は茶色、しっぽは尾の先が濃く、お腹にも縞模様があるのがキジトラの特徴ですよ。
鳥の「キジ」の柄に似ていることからキジトラという名前がつけられました。
キジトラの歴史は?
現在人間の近くで暮らしている猫は、正式には「イエネコ」と呼ばれます。大昔、野生の猫はほとんどがキジトラ柄で、現代のすべてのイエネコのルーツとなっています。
DNA解析によると、イエネコの祖先はアフリカ北部や中近東に生息している「リビアヤマネコ」の可能性が高く、リビアヤマネコもキジトラに似た柄をしていますよ。
出典:at home 教授対談シリーズ こだわりアカデミー「DNAからイエネコのルーツを探る」
キジトラの性格は?
キジトラの性格には次のような特徴があります。
野性的で警戒心が強い
体力があり活発
野生の猫の気質を受け継ぐキジトラは、警戒心が強い傾向があります。
なでられたり抱っこされたりするのが苦手で、飼い主さんにもなつきにくいですが、心を許した相手には甘えることもあります。焦らず気長に付き合うのがおすすめですよ。
また、かつて野生で暮らしていた名残りで、キジトラは体力があり活発です。夜中急に走り出すこともあります。
オス、メスの違いは?
個体差はありますが、オスは野性的かつ好戦的で、メスは警戒心が強く怖がりな子が多いですよ。
キジトラを飼育するときの注意点は?
神経質な面があるキジトラは、相手が自分に危害を加えないかどうか観察しています。かわいいからといって無理になでたり抱っこしたりすると、余計に距離ができてしまう可能性がありますよ。
大きな声や音、急な動きも苦手です。猫のペースでゆっくり仲良くなることをおすすめします。
狩りへの欲求が強い猫でもあるので、狩猟本能を満たすような遊びを用意してあげると良いですよ。ジャンプしたり捕まえたりといった動きは、運動不足の解消にも役立ちます。
キジトラの気を付けたい病気は?
キジトラ特有の病気はありませんが、一般的に猫がかかりやすい病気には気をつける必要があります。
特に「泌尿器症候群」は悪化すると死に至るケースもあるので、猫のおしっこの様子がおかしいと感じたら、早めに獣医さんに相談してくださいね。
猫の気を付けたい病気について、詳しくはこちらの記事で紹介しています。
サバトラとはどんな柄?
別名「シルバーマッカレルタビー」
グレーベースに虎のような黒い縞
「サバトラ」は別名「シルバーマッカレルタビー」と呼ばれ、日本の猫の毛色としては最もポピュラーです。虎のような黒い縞と、魚の「サバ」のようなグレーの被毛を指します。
足先だけが白い「ソックス猫」もいるのがサバトラの特徴です。サバトラの中でもお腹の毛が白いのを「サバ白」と呼びますよ。
サバトラの歴史は?
奈良時代、中国から輸入した猫が日本にいるサバトラのルーツです。大切な書物を食い荒らすネズミの被害を抑えるのが目的でした。
サバトラの祖先はキジトラです。
サバトラの性格は?
サバトラの性格は、大きくふたつに分かれます。
気難しくて警戒心が強い
おっとりしていて友好的
キジトラの気質を受け継いでいるサバトラは、人見知りで慣れにくい性格です。信頼関係を築くのに時間がかかりますが、根気よく接すれば、少しずつ心を開いてくれますよ。臆病なところもあるので、大きな音や知らない人が苦手です。
反対に、人懐っこい性格のサバトラもいます。初対面の相手でも怖がらずに近寄っていきますよ。同時に自由奔放な猫の気質も持ち合わせているので、構いすぎるとストレスになることもあります。
サバトラの性格が二極化したのは、自然界では目立ってしまうグレーの毛色が理由です。外敵から身を守るための警戒心を備えた個体と、人間に守ってもらうために人懐こくなった個体とに分かれました。
アメリカンショートヘアとキジトラ、サバトラの違いは?
アメリカンショートヘア:猫種
キジトラ・サバトラ:柄の名前
アメリカンショートヘアには、キジトラとサバトラ以外にも「ブラック」「ホワイト」「ブラウン」など様々な毛色が存在するので、「アメリカンショートヘア=キジトラ・サバトラ」というわけではありません。
どちらも被毛の柄を指す言葉
アメリカンショートヘアを「キジトラ」と呼ぶ場合もありますが、キジトラもサバトラも猫種を指す言葉ではありません。
キジトラは猫の被毛のベースで、日本の猫に多い柄です。サバトラは、キジトラと外国の猫との交配によって生まれた柄です。アメリカンショートヘアだけでなく、多くの猫にキジトラやサバトラが存在します。