短い足でちょこまかと動き回る姿が可愛らしいマンチカン。
可愛らしい振る舞いで私達を癒やしてくれますが、突然変異の個体から交配を繰り返して固定された猫種であることも知っておかなければなりません。
この記事では、マンチカンを飼う上で知っておきたい病気や症状などをまとめました。
目次
マンチカンはこんな病気にかかりやすい!気を付けるポイント
肥満に注意
胴長短足の体型をしているマンチカンは、短い足で体重を支えなければならないため足や関節に負担がかかりやすいです。
そのため、関節や骨に関する病気には注意しておきましょう。
また、体重が重くなると負担がさらに増えるので肥満にならないように気をつけてあげることも大切です。
マンチカンがかかりやすい病気の原因、症状、診断方法と治療法
椎間板ヘルニア
毛球症
外耳炎
猫伝染性腹膜炎
マンチカンがかかりやすい病気には、「椎間板ヘルニア」「毛玉症」「外耳炎」「猫伝染性腹膜炎」があります。
症状などを知っておくと病気の早期発見に役立つので、ぜひ覚えておいてくださいね。
椎間板ヘルニア
椎間板ヘルニアは、背骨と背骨の間にある椎間板が変形して飛び出したり、背骨近くの神経に当たったりすることにより脊髄を圧迫してしまう病気です。
放置すると歩行困難になってしまうので、「足を引きずる」「運動しなくなる」「失禁する」といった症状がみられる場合は一刻も早く病院に連れていくようにしてください。
治療法
ヘルニアが軽度の場合は非ステロイド系や抗炎症の投与を行いますが、重症の場合は外科手術が必要になります。
毛球症(もうきゅうしょう)
マンチカンには短毛種と長毛種がいますが、長毛種のマンチカンが特に気をつけたいのが毛球症です。
毛球症は、毛づくろいの時に飲み込んだ自分の体毛が胃や腸などの消化器官で塊となり溜まってしまう病気。
ひどくなると開腹手術が必要になる場合もあるので、「食欲がない」「吐き気」「便秘」「下痢」などの症状がある場合は早めに病院で診断を受けるようにしてください。
普段からブラッシングでムダ毛を取ったり、ヘアボールケアのフードを試してみるのもおすすめです。
治療法
軽度の場合は毛玉除去剤を使用し、毛玉を体外に排出させます。
症状が重く腸閉塞などを起こしかねない場合は、胃や腸を切開する開腹手術を行い毛玉(ヘアボール)を取り出さなければなりません。
外耳炎
「外耳炎」は外耳道に炎症が起こる病気で、耳ダニや細菌・真菌・アレルギーなど様々な原因によって発症します。
かゆがる様子を見せたり耳垢やにおいが気になったりするときは、外耳炎を患っている可能性が高いでしょう。放っておくと中耳炎や内耳炎を引き起こすこともあるので早期治療が大切です。
治療法
洗浄剤の使用や異物の除去、抗菌薬の投薬などで治療を行います。
猫伝染性腹膜炎
「猫伝染性腹膜炎」は、多くの猫が持っている「コロナウイルス」が「FIPウイルス」に突然変異して起こる感染性疾患です。
多頭飼いによるストレスやウイルスの突然変異などによって発症し、「腹水(お腹に水が貯まる)」「高熱」「黄疸」などの症状がみられます。
治療法
根本的な治療は難しいので、ステロイド剤と抗生物質を使って症状を和らげる対処療法を行います。
慢性腎不全
「慢性腎不全」は腎機能が低下する病気です。多くの場合他の病気が引き金となって発症します。
腎機能が低下すると嘔吐や下痢、高血圧など様々な症状が現れます。
治療法
慢性腎不全は一度発症すると治すことができません。
慢性腎不全の治療法は、主に内科的治療と食事療法が行われます。進行をできるだけ抑え、症状を緩和することが目的です。
スコティッシュフォールドとの交配種は注意が必要?
マンチカンの中には、耳の折れたスコティッシュフォールドとの交配種もいます。
とても可愛く人気もありますが、スコティッシュフォールド特有の遺伝疾患「遺伝性骨形成異常症」を受け継いでいることもあるので注意が必要です。
「遺伝性骨形成異常症」は2歳くらいまでの若いうちに発症する病気で、骨が変形したり軟骨が増えて瘤のようになるなどの症状がみられます。
変形した部分が元に戻ることはなく、完治も難しいため鎮痛剤を与えるなどの対処療法を続けていかなければなりません。
マンチカンもかかる!一般的な猫の病気を知ろう
上記で紹介した以外にも猫を飼育していく上で気をつけたい病気はたくさんあります。
少しでも様子がおかしいと感じたら、すぐに動物病院で診断を受けるようにしてくださいね。
猫風邪
慢性腎不全
皮膚糸状菌症
膀胱炎
結膜炎
猫風邪
猫風邪は、猫ヘルペスウイルス・猫カリシウイルス・クラミジア・マイコプラズマなどに感染することで発症します。
「くしゃみ」「せき」「鼻水」「発熱」など人間と同じような症状が出ますが、子猫や高齢猫・免疫力が低下している猫が感染すると重症化することもあるので早めに動物病院へ行き診察をうけるようにしてくださいね。
慢性腎不全(まんせいじんふぜん)
慢性腎不全は、腎臓のろ過機能が低下することで起こります。
初期症状は「多飲多尿」ですが、徐々に「尿毒症」や「脱水症状」を引き起こすようになり、さらに進行すると「高血圧」や「貧血」などの症状がみられるようになります。
他の腎臓疾患やウイルス性疾患・尿路結石などが慢性腎不全の引き金になることもあるので、ワクチン接種や毎日の食事管理を怠らないことが大切です。
皮膚糸状菌症(ひふしじょうきんしょう)
皮膚糸状菌症は、皮膚糸状菌(白癬菌)によって起こる皮膚疾患です。
子猫や免疫力が低下した猫が感染しやすく、顔・耳・足などの「円形脱毛」や「フケ」「かさぶた」などの症状がみられます。
他の動物や飼い主さんからの接触感染が主な原因なので、感染している動物との接触を避けたり部屋を清潔に保つことが一つの対策なります。
膀胱炎
膀胱炎は、膀胱に炎症が起こる病気です。
細菌感染による炎症やストレス・尿結晶・結石によって膀胱粘膜が傷つくことで発症し、「トイレの回数が増える」「尿の量が減る・出にくくなる」「血尿が出る」といった症状が現れます。
早期発見のためにも、日頃からトイレの回数や量をチェックしておくようにしてくださいね。
結膜炎
「結膜炎」は、まぶたの裏側から眼球前方を覆う結膜に炎症が起こる病気です。
ホコリやシャンプーなどの異物による刺激や細菌・ウイルスによる感染がおもな原因で、「目の充血」「涙の増加」「目やにの増加」などの症状がみられます。
重症化すると、「鼻水」「発熱」「チェリーアイ」「膿でまぶたがくっつく」といった症状が出ることもあります。
炎症を抑えるための点眼薬や眼軟膏を塗る、目の周辺の毛をカットする、目を洗浄するなどの治療を行います。