日本で二番目に多い柄の猫といわ、額の「八(はち)」の字模様が特徴的な「ハチワレ猫」をご存知ですか。
ハチワレは猫の種類だと思われることが多いですが、模様の名称を指します。
この記事ではハチワレ猫の特徴や毛色、性格、寿命、飼い方、注意点、探し方などをまとめました。
目次
ハチワレ猫とは?
ハチワレとは、額の部分の被毛が八の字のように鼻に沿って割れて見える柄を持つ猫のことを指します。
ハチワレ柄の猫は、キジトラについで日本で2番目に多い柄です。
血統書があり正式名称のついた猫の種類は100種類を超えるといわれますが、模様のことを指すハチワレ猫は純血種、MIX種ともに多数存在します。
代表的なハチワレは白黒!
もっともポピュラーで模様がはっきり出やすいのは白黒のハチワレ猫です。模様やハチワレの割れ具合が髪の毛のように見える模様で、人間の顔に似て見える子もいます。
ハチワレは額から鼻にかけての模様のことで、柄や毛色の種類がいくつかあります。ハチワレ猫の種類は多彩で、遺伝子の組み合わせにより現れ、先天的に性格の特色があると考えられます。
ハチワレを英語名でいうと?
ハチワレは英語で、黒白猫という意味で「Black and White」「Bicolor Cat」と呼ばれます。
また、顔の八の字模様と背中の黒い被毛がマスクとマントを着用した姿に見えることから「Mask and Mantle」、黒いタキシードのような柄の見た目から「Black Tuxedo」と呼ばれることもあります。
ハチワレ猫の由来
「鉢割れ」から「八割れ」になった
元々は鉢(=兜)が割れたように見えることから漢字で「鉢割れ」とされていました。
しかし頭(兜)が割れるとは縁起が悪いということで、末広がりで縁起が良いとされる漢数字の八にも見える模様であったため「八割れ(ハチワレ)」と呼ばれるようになりました。
「八」は末広がりで縁起がよい
末広がりとは「次第に栄えること」を意味し、縁起の良い言葉とされ慶事に使用されることが多いです。
漢数字の八は裾が左右に開いた形をしていることから、その見た目の通り末広がりといわれています。
そのため、ハチワレ猫の八の字模様は縁起が良いとされます。
ハチワレ猫の特徴は?毛色は?
ハチワレ猫は色々な柄がいる
白黒猫に多く見られるハチワレですが、サバトラや茶トラ、キジトラ、三毛猫でも額が八の字に割れて見える模様であればハチワレと呼ばれます。
ハチワレは模様の名称なので、サバトラやキジトラに白毛が混じってハチワレになっている際はサバシロ、キジシロと呼ばれる場合もあります。
額から八の字に割れている模様ならば、毛色に関係なくハチワレとなります。
白い靴下模様?
足先が白く、まるで白い靴下を履いているように見える子がいますが、ハチワレでもよく見られます。昔の日本では、白い靴下模様の猫を白足袋と呼んでいました。
白足袋は死装束のため死を暗示させることから縁起が良くないといわれ、白靴下模様の猫は捨てられていました。
一方でイギリスやアメリカなどでは「Socks」と呼ばれ、幸運を呼ぶ猫といわれ愛されています。
ハチワレ猫の毛色のタイプ
2色タイプ
3色タイプ
ハチワレの毛色タイプは「2色タイプ」「3色タイプ」にだいたい分かれます。ハチワレは両親の遺伝子によって決定するので、柄や毛色は産まれてくるまでわかりません。
同じ母親から産まれた子猫でも、4匹のうち1匹だけがハチワレである場合もあり、両親共にハチワレだからといって産まれてくる子もハチワレであるとは限りません。
2色タイプ
2色タイプの王道は「黒×白」ですが、「茶×白」「薄茶×白」「灰×白」といった組みあわせのパターンもあります。黒白のハチワレはマスクキャットとも呼ばれることもあります。
3色タイプ
3色タイプの王道は「黒×薄茶×白」ですが、「灰×茶×白」といった組みあわせのパターンもあります。
ハチワレ猫の鼻の色は肉球と同じ!
ハチワレの鼻の色は「薄ピンク一」「黒一色」「薄ピンクに黒斑」の3種類です。基本的には肉球と鼻は同一の色をしています。
ハチワレ猫の性格は?色によって違う?
ハチワレの多くは「タフである」「協調性がある」といった共通の性格を持っています。その性格をベースに、毛色によって性格に違いが見られます。
白黒のハチワレ
一般的に生命力があってタフな子が多く、ハチワレ模様の黒い部分が多い場合は温和で協調性が高い、白い部分が多い場合は繊細でクールで頭の良い子が多いといわれます。
キジトラのハチワレ
白毛が混ざったキジトラの猫でハチワレの場合、メスは自身の子供以外の面倒も見るような母性本能が強い子が多く、オスは明るくて能天気な傾向にあります。
サバトラのハチワレ
サバトラの性格は警戒心が強いタイプと逆に楽観的で人懐っこいタイプの2つに大きくわけられます。
また、サバトラのハチワレはお腹の白毛の範囲が広いほど賢くて優雅な振る舞いをします。
茶トラのハチワレ
茶トラは遺伝子的にオスが多く産まれる毛色です。茶トラのハチワレはおっとりしていて甘えん坊な子が多く、警戒心が薄くて天真爛漫、自由気ままな猫らしい性格をしています。
三毛のハチワレ
三毛猫は複雑な遺伝子を持っていて、産まれるほとんどがメスで、オスの三毛猫はとても珍しいです。
三毛のハチワレはプライドの高い気分屋、賢くてガサツな動きはしないといわれます。
ハチワレ猫の寿命は?気を付けたい病気は?
寿命
純血種 10歳~13歳
MIX種 10歳~15歳
ハチワレの寿命は10歳~15歳程度といわれています。
寿命には健康状態や生活環境により個体差がありますが、純血種よりMIX種のハチワレの方が長生きするといわれます。
純血種は近親交配が多くなるため生命力が弱くなりやすく、逆にMIX種は様々な種類の猫の優性遺伝子を受け継ぐので生命力が強くなる傾向にあります。長毛種よりも短毛種の方が寿命が長いとも言われているようです。
病気
ハチワレだからかかりやすいという特定の病気は特にありません。
しかし純血種の場合は、その猫種特有のかかりやすい病気があります。MIX種でも親が純血種の場合、その遺伝子を受け継ぐためその猫種特有のかかりやすい病気には注意が必要です。
愛猫がどのような遺伝子を持っているかを知ることは、健康に長生きさせるためにも重要となります。
MIX種で両親の猫種がわからない場合には、特に定期検診を欠かさず行うことを推奨します。
ハチワレ猫がいる代表的な純血種は?
スコティッシュフォールド
マンチカン
ノルウェージャンフォレストキャット
スノーシュー
ハチワレ猫が存在する代表的な純血種を紹介します。
スコティッシュフォールド
「fold」=「折れ曲がる」の意を持つように、折れ曲がった耳が特徴的なスコティッシュフォールドは、飼いたい猫ランキング1位の人気猫種です。
性格はおっとりしていて人懐っこく、甘えん坊です。綺麗なハチワレ模様を持つ子も多く見られます。
気を付けたい病気
スコティッシュフォールドが気を付けたい病気は、「遺伝性骨形成異常症」「肥大性心筋症」「腎臓障害」などです。
マンチカン
短い手足が特徴的でとても愛らしい姿のマンチカン。性格は穏やかながらも好奇心が旺盛な一面も持ち合わせています。
柄のバリエーションが豊富で、ハチワレ模様の子も人気があります。
気を付けたい病気
マンチカンが気を付けたい病気は、「椎間板ヘルニア」などです。
ノルウェージャンフォレストキャット
ノルウェージャンフォレストキャットは我慢強く穏やかで、鳴くことも少ないため飼いやすい猫種としても人気です。平均してほかの猫種より大きく成長します。
運動量が多くやんちゃな一面もありますが、品のある美しい見た目が魅力的です。
気を付けたい病気
ノルウェージャンフォレストキャットが気を付けたい病気は、「皮膚病」「肥大性心筋症」などです。
スノーシュー
スノーシューはシャム猫の突然変異により誕生した猫種です。チャームポイントは白い手足です。学習能力が高くとても賢い性格ですが、甘えん坊でいたずらっ子な一面もあります。
気を付けたい病気
スノーシューが気を付けたい病気は、「眼疾患」「歯周病」などです。
ハチワレ猫を飼うのに向いている人は?
最後まで愛情を注いであげられる人
ハチワレの王道である黒白の個体はMIX種がほとんどで、MIX種は純血種に比べて決まった性格やかかりやすい病気がわかりづらい特徴があります。
成長段階でハチワレの面積が変わってきたり、大人しいと思っていた子が好奇心旺盛な性格になったりと「あれ?」と思うことも多くあるでしょう。
どのように成長したとしても愛猫の個性だと理解をし、変わらぬ愛情を注いであげられる飼い主さんであることが大切です。
ハチワレ猫の飼い方のポイントは?
運動できる環境
トイレはいつも清潔に
猫の食事管理を徹底する
たくさん遊んであげる
爪の伸びすぎに注意する
ブラッシングを欠かさない
愛猫の性格を理解する
ハチワレ猫を飼う際のポイントや注意点を紹介します。
運動できる環境
健康のためにも運動ができる環境を作りましょう。しっかり固定できるキャットタワーの設置などがオススメです。
また、飼い主さんがおもちゃを使って遊んであげることでも運動になりますよ。
トイレはいつも清潔に
猫はとても綺麗好きな動物のため、トイレが汚れていると排泄を我慢することもあります。自然な排泄を我慢すると、泌尿器系の病気を患う恐れもあります。
猫のトイレは毎日掃除をし、清潔を保ってあげてくださいね。また、愛猫の好みにあった排泄しやすいトイレを見つけてあげることも大切です。
猫トイレ本体
猫のトイレには屋根が付いたドーム型と屋根なしのオープン型のものがあります。
ドーム型には砂が周りに飛び散らないという利点がありますが、中に臭いがこもるため愛猫が嫌がる可能性があります。
猫トイレの砂
猫砂にはベントナイトや粘土鉱物、再生紙、木材、おから、シリカゲルなど様々な素材を使用したものがあります。
それぞれに粒の大きさや固まり方、消臭力が違うため、色々なタイプのものを試して愛猫の好みに合った砂を見つけてあげると良いですね。
シートタイプ
犬にはメジャーなシートタイプのトイレですが、猫は戸惑ってしまうかもしれません。シートタイプを使用したい場合は、子猫の頃から慣れさせておくことが望ましいです。
また処理は簡単ですが、こまめな取り替えが必要なため割高です。
猫の食事管理を徹底する
成長期には、健康な体づくりのためにも高タンパク質なフードを与えるようにしましょう。不足すると免疫力が低下し、病気や感染症にかかりやすくなります。
成猫以降は、肥満に気を付けて食事量をコントロールしてくださいね。猫は太るとダイエットをさせることが大変なため、デブ猫にしないためにも飼い主さんが食事の管理が大切です。
穀物が豊富なフードは選ばない
安価なキャットフードは、エネルギー源のほとんどが穀物でまかなわれている商品が多いです。基本的に猫は穀物を消化しづらく、下痢や嘔吐の原因になることもあります。
また、個体によっては、穀物アレルギーを起こす可能性があります。
たくさん遊んであげる
猫は基本的に遊ぶことが大好きです。飼い主さんと遊びながらスキンシップをとることが、運動やストレスの解消になります。
たくさん遊んであげることが好ましいですが、愛猫が乗り気でない場合はそっとしておいてあげると良いですね。
複数のおもちゃを用意
毎回同じおもちゃでは猫も飽きるので、複数のおもちゃを用いて愛猫が飽きない工夫をすると良いですね。ペットショップで売っているおもちゃ以外にも、家にある紐やビニールなどでも楽しく遊べます。
猫によって好みのおもちゃは違うため、色々な種類のおもちゃを試して愛猫のお気に入りを見つけてあげてくださいね。
爪の伸びすぎに注意する
猫は自分で爪研ぎをしていますが、爪を短くするために研いでいるのではなく、古い爪を剥がして新しくてより鋭い爪にするために行っています。
爪を短くするには、飼い主さんが定期的に切る必要があります。子猫の頃から慣らしておくと、大人になってからも嫌がらずスムーズに爪を切ることができます。
爪切りは猫用で行う
猫の爪を切る際には、人間用の爪切りではなく猫用の爪切りを使用します。愛猫の爪のタイプによっても使用する爪切りをかえてあげることが好ましいです。
柔らかい爪にはハサミタイプ、しっかりとした爪にはニッパータイプ、そして万能型のギロチンタイプなどその種類は豊富です。
ブラッシングを欠かさない
猫は自分でグルーミングを行いますが、特に長毛種はそれだけでは毛の手入れとしては不十分です。週に1回を目安にブラッシングしてあげてください。
換毛期にはたくさんの毛が抜けますので、回数を増やしても良いですね。ブラッシングを怠ると、その抜け毛を猫が大量に飲み込み、体内で大きなヘアボール(毛玉)を作ってしまう可能性があります。
ブラッシングはスキンシップにもなりますので、ぜひ取り入れてあげて下さい。
毛球対策ができる猫用ブラシ
猫用ブラシには様々な種類があります。「獣毛ブラシ」「ラバーブラシ」「三トン」「スリッカーブラシ」「ピンブラシ」「コーム」など、愛猫の毛質や毛量などにより使い分けると良いですよ。
愛猫の性格を理解する
ハチワレは性格によって配慮しなければならないことが違います。
例えば活発な性格の愛猫の場合は、家具の配置やものの置き場所に配慮しなければなりませんし、一人を好むタイプの愛猫に対しては必要以上に体に触れるとストレスになることがあります。
「ハチワレだから」ではなく、「この子の場合は」と考えることが大切です。
ハチワレ猫におすすめなキャットフードは?
キャットフードをメインで与えたい場合は、「総合栄養食」と表示されているキャットフードを選びましょう。これは水と一緒に与えるだけで、健康が維持できるキャットフードのことです。選ぶ際は原材料を必ず確認しましょう。
手作り食をメインで与えたい場合は、「一般食」と表示されているキャットフードがおすすめです。
いわば「おかず」のようなものであり、トッピングとして利用することで手軽に栄養を追加することができます。
食事量
キャットフードの裏面に記載されている量をあげるようにします。ただ、体重との換算表は、愛猫が「理想体型」であることを前提としているので、太っている子や痩せている子は量の調整が必要となります。
ハチワレ猫を飼いたい!どうすればいい?
MIX種を迎え入れる場合
里親募集サイト
動物保護団体
保健所
野良猫を保護
ハチワレのMIX種を飼いたい場合は、「里親募集サイト」「動物保護団体」「保健所」「野良猫を保護」などがあります。飼育環境が整っていれば比較的簡単に迎え入れることが可能です。
里親募集サイト
MIX種のハチワレは「里親」を募集している件数が比較的多いです。譲渡の際に費用がかかる場合もあるので、確認が必要です。
動物保護団体
「動物保護団体」は譲り受ける際に、飼い主さんの体調や収入、家庭環境、生活リズム、家族構成など厳しい審査を受けることがあります。一人暮らしの場合は審査に通らないことが多いようです。
保健所
「保健所」も様残な手順を踏みます。面談が終わると猫とお見合いしますが、何匹もできるわけではないので事前に希望を考えておきましょう。
野良猫を保護
「野良猫を保護」子猫を保護する際は、周辺に親猫がいないかしばらく様子を伺ってください。また成猫を保護する場合は、本当に野良猫であるか確認することが重要です。
無事に猫を保護できたなら、まずは動物病院へ連れて行き怪我や病気をしていないかの診断をして貰うことが望ましいです。
純血種&血統書付きの場合
ブリーダー
ペットショップ
純血種で血統書付きのハチワレ猫は、「ブリーダー」「ペットショップ」から迎え入れます。
ブリーダー
近年HPを開設しているブリーダーも多くいます。気になる猫がいたら連絡を取ってみると良いですね。
しかし中には劣悪な環境で無理な繁殖を行う悪徳ブリーダーも存在するので、評判をしっかりと調べることが重要です。
猫舎の見学時に飼育環境や親猫、生体情報などを見せてくれて、飼育するにあたってのアドバイスをしっかりとしてくれるブリーダーがおすすめです。
優良なブリーダーは交配の際に遺伝子情報をしっかり考えているので、そのような環境で産まれた子は長生きをする傾向が見られます。
ペットショップ
運が良ければペットショップでハチワレの猫に出会えるかも知れません。ペットショップでは、その場で直接気になる猫を見て触れ合えるメリットがあります。
しかし産まれ育った飼育環境がわからない、値段が高いなどのデメリットもあります。
日本猫のハチワレは販売されていない
日本猫のハチワレは正式な血統ではないため、ペットショップでは販売されていません。ペットショップで扱われているのは外国の純血種が多いです。
日本猫のハチワレを飼いたい場合は、野良猫を保護するか、人から譲り受けるかなどになります。
ハチワレ猫の値段は?
純血種 30〜80万程度
MIX種 20〜50万程度
純血種かMIX種かで値段は変わります。平均価格は血統書付きの純血種の場合は30〜80万円程度、MIX種の場合は20〜50万円程度です。
ペットショップやブリーダーにより値段の幅があります。ハチワレは柄の出具合で値段が左右されることが多く、綺麗なハチワレ模様の子は値段が高く、いびつな柄の子は少し値段が下がる傾向があります。
ユニークな個性を楽しむ
いかがでしたでしょうか?
美人(猫)が多いといわれるハチワレ猫の一番の特徴は、なんといっても額の八の字模様です。
ハチワレ猫は日本で二番目に多いといわれますが、毛色によって性格も変わる猫種なため、そのバリエーション豊かな個性を楽しめます。
ハチワレ猫を迎え入れたならば、その個性をとことん愛して可愛がってあげてくださいね。