ロシアンブルーは、ロシア北西部を原産とした穏やかで静かな猫です。
銀色にも見える青い毛色の猫種であり、絨毯のような柔らかい被毛が特徴的です。特に子猫は静かで可愛らしく、飼いやすいため人気がありますよ。
この記事ではロシアンブルーの性格や飼い方、目の色や餌、しつけや抜け毛についてまとめました。
目次
ロシアンブルーの歴史は?
ロシアンブルーはロシア原産の自然発生種であるともいわれていますが、諸説ありはっきりしたことは分かっていません。
18世紀ごろには北欧やイギリスで人気を博したものの、第二次世界大戦で大幅に個体数が減り絶滅の危機に陥ってしまいます。
この状況に危機感を覚えたアメリカやイギリスのブリーダーによる繁殖計画(シャム猫、ブリティッシュショートヘアとの交配を重ねる)のもとで個体数は次第に回復、本来のロシアンブルーの姿を取り戻すことに成功しました。
様々な名前で呼ばれていた
アメリカやイギリスのブリーダーによる懸命な交配によって、第二次世界大戦による絶滅の危機を回避したという歴史があります。
そのため、ロシアの地名が含まれる「アルハンゲルキャット」や「アークエンジェルキャット(アルハンゲルの英語名)」、ロシア外で付けられた「スパニッシュキャット」「フォーリンブルー」「マルティーズキャット」などと呼ばれることもありましたよ。
ロシアンブルーの特徴は?
優雅で上品な姿をしているロシアンブルーには、多くの人を魅了する様々な特徴があります。
瞳はエメラルドグリーン色で楕円形をしており、耳は先が尖ってピンと立っています。口元が微笑んでいるように見えることからロシアンスマイルと呼ばれることもありますよ。頭を持ち上げたような首の姿勢はコブラヘッドともいわれます。
大きさと体重
体長:30~40cm前後
体重:3~5kg
ロシアンブルーの体長は、30~40cmほどで、体重は3~5kgです。
活発に動き回ることも少なく休んでいることも多いことから運動不足になりやすいです。肥満に注意してあげてくださいね。
寿命
平均寿命は、10~12年前後です。
一般的な猫の寿命である15年と比べると短命ですが、健康に気をつけてあげれば17~18歳まで長生きさせてあげることもできますよ。
ロシアンブルーの被毛や目の色は?
こちら
ロシアンブルーと同じ銀灰色の御三家、コラットについてはこちら
ロシアンブルーの性格は?子猫はおとなしい?
おとなしい
飼い主に忠実
警戒心が強く臆病
ロシアンブルーは猫を初めて飼う方でも飼いやすい猫種といえます。特に子猫はおとなしく、「みゃーみゃー」と鳴いてかわいいと人気ですよ。ロシアンブルーの性格を3つにまとめて紹介します。
おとなしい
ロシアンブルーは別名「ボイスレスキャット」と呼ばれるほどおとなしい性格です。あまり鳴かず、鳴き声は静かなので、住宅密集地でも十分飼いやすい猫種ですよ。
飼い主に忠実
自由気ままでマイペースな性格の種類が多い猫ですが、ロシアンブルーは飼い主に忠実で献身的に接する犬のような性格をしています。
猫を飼うのが初めての方でも飼いやすい猫ですよ。飼いはじめのうちは人見知りをしますが、慣れてくれると愛情深く接してくれることから、「ツンデレな猫」ともいわれています。
警戒心が強く臆病
飼い主には献身的な性格ですが、警戒心が強くて臆病な一面もあります。見知らぬ人が家にくると、すぐに身を隠してしまいます。あまり騒がしい場所は好まない性格で、「信頼している飼い主と、二人だけで時間を過ごしたい」というタイプの猫です。
ロシアンブルーの飼い方、注意点は?
厚い被毛により寒さに強く、暑さに弱いため、夏は特に注意が必要です。夏の外出時に家でお留守番をさせておくときには、クーラーを27~28℃くらいに設定してあげてくださいね。
人見知りをして飼い主以外には触れられることを嫌がる傾向にあるので、猫が慣れていない人を家に迎えるときにも、充分に配慮をしてあげてください。ストレスに強くなく繊細な猫なので、飼い方には注意が必要です。
また、短毛種でありながら定期的なブラッシングやコーミングが欠かせない猫種です。しかし、我が強く嫌なことに対しては徹底して嫌がる一面もあるので、子猫の頃から定期的なケアを施し慣らしておくことも忘れないで下さいね。
ストレス
ロシアンブルーは大人しい性格をしていますが、ストレスが溜まると凶暴化することがあります。
繊細な心の持ち主で静かで落ち着いた場所を好む猫種なので、ロシアンブルーの気持ちを汲み取った環境で飼育してあげることが大切ですよ。
ロシアンブルーにストレスを感じさせない接し方についてはこちら
ストレスで凶暴化したらどうする?
手を叩いて驚かせたり、霧吹きなどで水を体にかけるようにします。
引っ掻いたり噛み付くなど凶暴化したときに嫌な思いを経験させることで、同じような行動を取りづらくさせるのです。
ただ、大きな声で叱ったり体罰を与えるようなことはしてはいけませんよ。感情的になるのではなく、冷静になって対処することが大切です。
外出時
頭がよく独立心も強い猫種なので、留守番を苦手としている子も少ないです。
イタズラされると困るものを隠す、火の元のチェックを欠かさないようにすれば大人しく留守番してくれますよ。
ロシアンブルーの気をつけたい病気は?
糖尿病
泌尿器系疾患
関節疾患
猫エイズ
ロシアンブルーが気をつけたい病気は、「糖尿病」「泌尿器疾患」「関節疾患」「猫エイズ」の4つです。
肥満は糖尿病や関節疾患の原因になるので、食事量や運動量にも注意し、最適な体重を維持できるように気をつけるようにします。ストレスを与えない環境づくりや、水分を多めに摂取させることも泌尿器系のケアに繋がります。
ロシアンブルーの病気について詳しく知りたい方はこちら
ロシアンブルーのしつけは?
トイレのしつけにはあまり困らないでしょう。子猫のときにケージで育ててなかに砂場を作ってあげれば、自然にそこをトイレと認識して、放し飼いにしても覚えていてくれます。爪研ぎも、荒縄やダンボールをひっかく癖をつけてあげれば、壁や床で爪研ぎをすることも少ないです。
専用グッズにマタタビをふりかけて誘導すれば、すぐに覚える頭の良い猫なのです。物わかりもよく言うこともよく聞いてくれて、犬がよくやる「取って来い」ができるロシアンブルーもいるそうです。
ロシアンブルーの餌は?
ロシアンブルーはよく動き、よく食べます。運動と食生活を管理して、太らせないように気をつけてください。上下運動のできるキャットタワーや階段、登り木などを設置するのがおすすめです。
餌は、高タンパクでグレインフリー(穀物不使用)のキャットフードがおすすめです。猫は完全な肉食動物なので、タンパク質が不足する食事は猫本来の食事ではなく、健康的とはいえません。また猫は、人間のように炭水化物から栄養素を摂取できません。
炭水化物を消化する消化酵素もなく、消化管も炭水化物を消化するのに適さない体のつくりなのです。炭水化物の摂取は、猫の消化器官に負担をかけるだけでなく、肥満や糖尿病の原因にもなってしまいます。
その意味でもグレインフリーのキャットフードを選ぶことをおすすめします。
ロシアンブルーを飼育するのにかかる費用は?
ロシアンブルーを飼育するのにかかる費用は、総額で130万前後を見込んでおくようにします。
初期費用である「猫の販売価格+飼育環境の整備費用」が19万円前後、「餌代」「医療費」「ケア用品」「トイレ用品」などを合わせた年間費用が寿命分必要になります。
ロシアンブルーを飼育に必要な費用について詳しく知りたい方はこちら
ロシアンブルーの値段相場は?
10~15万円
ロシアンブルーの販売価格は、10~15万円前後です。
ブリーダーから購入する場合はペットショップから購入するよりも安く入手できることも多いですが、チャンピオン血統だったりすると20万円を超える値がつくこともあります。
ロシアンブルーの販売価格について詳しく知りたい方はこちら
ロシアンブルーを飼うならブリーダー、里親?
ペットショップでの購入のほかに、ブリーダーや里親制度を利用することでも入手することができます。
それぞれの方法にメリット・デメリットがあるので、最適な方法で一生のパートナーになるロシアンブルーを探してみてくださいね。
ロシアンブルーの入手方法について詳しく知りたい方はこちら
ロシアンブルーの抜け毛は?
普段は特に注意することはありませんが、細い被毛がびっしりと生えていますので、季節の変わり目には大量の抜け毛が出ます。抜け毛のシーズンは、よくブラッシングしてあげてください。特にラバーブラシは、毛を絡め取りやすいのでおすすめです。ブラシや手で撫でてかわいがってあげることで毛づやがよくなり、更に光沢を帯びていくのです。
ロシアンブルーは一人暮らしや年配の方におすすめ
ロシアンブルーは静かな猫種なので、集合住宅やマンションでも飼うことができます。
小さな子どものいる家庭や、いつもワイワイしているような大家族よりは、一人暮らしや年配の方の家庭の方が向いている猫種です。ロシアンブルーとともに過ごす穏やかな時間は、癒しと安らぎをもたらしてくれるのです。