多様な色の毛を持つオリエンタルは、1950年代にイギリスで誕生した新しい種類の猫です。その名の通り、エキゾチックな風貌を持ち、まるでモデルのような体型をしていますよ。
この記事では、オリエンタルの歴史や特徴、サイアミーズとの違い、性格、寿命や病気、飼い方などについてまとめました。
目次
猫のオリエンタル、歴史や特徴は?
歴史
オリエンタルの祖先であるシャムは、1800年代後半にイギリスにやってきました。
イギリスに来た当時は、ポインテッドカラーに限らずソリッドやバイカラーなど様々な毛色やパターンが存在していました。1920年代に入り、サイアミーズ・キャット・クラブがシャムの認定を「ポイントカラーで青い瞳を持つ猫」に限定したことをきっかけに、それ以外の猫の数が減りはじめたのです。
第二次世界大戦終了後に激減してしまったシャムの数を増やすために、ブリーダーが異種交配を進めました。交配の過程で、ソリッドタイプのオリエンタルが生まれ、続いて純白や様々なカラーのオリエンタルが登場したのです。
正式に「オリエンタル」という品種として認定を受けたのは、1977年のことです。
特徴
体型 | オリエンタルタイプ |
---|---|
体重 | 3〜4kg程 |
被毛タイプ | ショートヘア・ロングヘア |
被毛カラー | 掛け合わせは300種以上 |
オリエンタルは、性格のみならず、外見も祖先であるシャムの特徴を数多く受け継いでいます。体重3〜4kg程度であり、中型オリエンタルタイプの体型をした猫種です。細身ながら筋肉は発達しており、とても引き締まっています。
見た目の特徴
オリエンタルは長くスレンダーな体をしており、手足は長く、先が尖った大きな耳に、直線的で顎がとてもシャープなくさび形の頭をしています。細くて長いシッポは、先端に向けて細くなっています。目の色は基本的にはグリーンですが、毛色により異なり他にブルーや左右の目の色が異なるオッドアイも認められています。
被毛の特徴
オリエンタルには短毛種と長毛種の双方が存在し、「オリエンタルショートヘア」「オリエンタルロングヘア」と呼ばれています。
短毛はサテンのような光沢を持ち、長毛はシルクのような手触りを持っています。長毛種は、アメリカで誕生しました。
猫のオリエンタル、似てるシャム(サイアミーズ)との違いは?
被毛の色が違う?
オリエンタルとシャム(サイアミーズ)との違いは、被毛カラーのバリエーションです。
オリエンタルはすべての色とパターンが認められています。ソリッド、スモーク&シェーデッド、タビー、パーティーカラー、ポインテッドなどその掛け合わせは300種以上になるといわれています。
一方シャムは、国により多少異なりますが、認められている主なポイントカラーは4種類です。
性格に違いはある?
サイアミーズ
サイアミーズは知られているように、非常に社交的で愛情深い性格を持っています。
飼い主に強い絆を持ち、コミュニケーションを楽しむことが好きです。また、活発で遊び好きな性格も特徴的。
オリエンタル
オリエンタルも社交的で活発な性格を持ちますが、一般的にはさらに好奇心旺盛で知識欲が強いとされています。
物事に対して熱心に関心を持ち、知恵を使って遊ぶことや問題解決を楽しむこともできる猫種だといえます。
猫のオリエンタル、性格は?
性格
人懐っこく甘えん坊
社交的で人見知りしない
人懐っこく甘えん坊
シャムの血を引いているオリエンタルは、性格や気質もシャムに似ています。甘えん坊で人によく懐き、飼い主の気をひこうと自分の存在をかわいらしくアピールします。
注目されないと、すねてしまうこともあります。穏やかで愛情深く、賢さも持ち合わせています。
社交的で人見知りしない
オリエンタルは、活発で社交的な性格をしています。あまり人見知りをしないので、初めて会う人間ともしばらく一緒にいれば慣れて甘えてくるようになります。
他の動物とも仲良くできる猫なので、多頭飼育の環境でも問題なく過ごせるでしょう。
猫のオリエンタル、寿命や気を付けたい病気は?
寿命
12~15年
オリエンタルの平均寿命は12~15年程です。一般的には猫の寿命は15年なので、平均よりやや短いといえますね。
長生きの秘訣は運動量を充分に確保できる環境を整え、肥満などの生活習慣病にならないように気をつけてあげることです。高タンパク・低カロリーのエサを与え、細身で筋肉質な体型を保てるようにしてあげましょう。
病気
尿毒症
糖尿病
リンパ腫
オリエンタル気を付けたい病気には「尿毒症」「糖尿病」「リンパ腫」などがあり、シャム系がかかりやすい病気に注意が必要です。
尿毒症
尿毒症は腎障害によって体内の老廃物がうまく排泄されず、血液中に老廃物が回ることで全身の臓器が深刻な状態になってしまう状態のことです。無気力、ぐったりしている、意識障害、痙攣や発作、などの症状が見られる場合はすぐに病院へ連れていきましょう。
糖尿病
血流中の糖分が増えてしまう病気で、私たち人間でも馴染みのある病気ですね。きちんと食事療法を行えば、将来的にインスリン投与をしなくて済むこともありますので、飼い主さんの食事管理が大切になります。
リンパ腫
リンパ球と呼ばれる細胞がガン化してしまう病気で、体の様々な箇所で発症します。全ての猫に発症する可能性がありますが、中でもシャム系の猫は他の猫よりも発症する確率が高い傾向にあると言われています。
猫のオリエンタル、飼い方は?
飼い方
運動できる環境
定期的な被毛ケア
食事・キャットフード
運動できる環境
オリエンタルは活動量が多いため、室内での飼育の際にはしっかり運動ができる環境を整えてあげるのがポイントです。上下運動もできるよう、キャットタワーの設置などもおすすめ。
また、人間の動きを見て動作を覚えてしまうこともあります。イタズラや思わぬ事故を防ぐためにも、危険なものは避けておくか鍵のかかった場所へしまっておくようにしましょう。
お留守番はストレスが溜まるかも
オリエンタルは甘えん坊で寂しがりやで、依存性がやや高い傾向にあります。長時間のお留守番はストレスを溜めてしまう恐れがありますので、なるべく一緒にいる時間を作るようにしましょう。どうしてもお留守番の時間が長くなってしまう場合は、多種も含め多頭飼いを検討してもいいかもしれませんね。
定期的な被毛ケア
綺麗な毛艶を継続させるためにも、定期的なブラッシングやコーミングを行いましょう。短毛種と長毛種それぞれの状態に合わせて、ブラッシングの回数を変えてくださいね。お手入れの時間は愛猫とのスキンシップの時間でもありますよ。
食事・キャットフード
成長期には、健康的な体作りのためにも、高タンパク質なフードを与えて下さい。タンパク質が不足すると免疫力が低下し、感染症や病気になりやすい体になってしまいますよ。成猫期以降は食事量をコントロールし、肥満にならないよう気を付けましょう。
猫のオリエンタル、オススメのキャットフードは?
キャットフードをメインで与えたい場合は、「総合栄養食」と表示されているキャットフードを選びましょう。これは水と一緒に与えるだけで、健康が維持できるキャットフードのことです。選ぶ際は原材料を必ず確認しましょう。
手作り食をメインで与えたい場合は、「一般食」と表示されているキャットフードがおすすめです。いわば「おかず」のようなものであり、トッピングとして利用することで手軽に栄養を追加することができます。
フードを選ぶときのポイントは?
オリエンタルには、栄養バランスが取れていて高品質なキャットフードを与えることがおすすめです。
以下に、一般的なオリエンタル向けのキャットフードの特徴をいくつか挙げています。
動物性タンパク質源に注目!
オリエンタルは活発でエネルギッシュな性格を持っているため、タンパク質が豊富なキャットフードが適しています。
動物性タンパク源(鶏肉、魚など)が主原料として含まれているものを選びましょう。
体型維持のために
オリエンタルはスリムな体型を保つ傾向がありますので、適切な脂肪含量のキャットフードを与えることが重要です。
必要な栄養を補給しつつ、過度の体重増加を防ぐために、低脂肪または脂肪調整されたフードが適しています。
総合栄養バランス
オリエンタルは活発でエネルギー消費量が高いため、栄養バランスが整った総合的なキャットフードが適しています。
ビタミン、ミネラル、オメガ-3脂肪酸などの必須栄養素が適切に含まれていることを確認しましょう。
ブリーダーやキャッテリーを探す
いかがでしたでしょうか?
オリエンタルに興味を持ち飼育してみたいと思った場合、「ブリーダー」を利用することをオススメします。インターネットを利用して、オリエンタルを専門に繁殖しているブリーダーやキャッテリーを見つけましょう。
オリエンタルを長年飼育しているブリーダーやキャッテリーならば、飼った後にも色々と相談に乗ってくれ安心です。
もし飼育をすることになった際は、たくさん愛情を注いでかまってあげてくださいね。オリエンタル以外の猫の種類や、猫の人気が気になる!という方は、下記の記事を参考にしてください。