バリニーズは、動作がしなやかで優美な猫種です。
バリの伝統的舞踊を踊るダンサーが名前の由来です。名前からインドネシアやバリ島に産まれの猫種と勘違いされることも多いですが、原産地はアメリカです。
この記事では、バリニーズの性格や特徴、誕生の歴史や寿命、飼い方や色、餌について紹介します。
目次
猫のバリニーズ、歴史や特徴は?
歴史は?
バリニーズが誕生した由来は諸説ありますが、ここでは2つの説を紹介します。
1つ目は自然発生的な変異によって、長毛のシャムが誕生したという説です。昔から、短毛種の中に突然長毛種が生まれる現象がときどき見られます。
2つ目はシャム猫の数が激減した第二次世界大戦後に、ブリーダーたちが異種交配を進めたことで、長毛の遺伝子が受け継がれたという説です。
優雅でしなやかな動きが、バリに伝わるダンサーを連想させるということから「バリニーズ」と名付けられました。
出典:TICA「Balinese Breed」、タムシン・ピッケラル著/五十嵐友子訳/アストリッド・ハリソン写真「世界で一番美しい猫の図鑑」
特徴
体型 オリエンタルタイプ
体重 3~4kg
被毛 短めのセミロング
被毛カラー ポイントカラー
見た目の特徴
バリニーズは「長毛のシャム」と呼ばれるほど、シャムによく似ています。体重は3〜4kgほどで、中型のオリエンタルタイプです。筒型で筋肉質な銅に、細長い手足を持っています。
顔は中くらいの大きさで、くさび形をしています。大きくて尖った耳に、アーモンド形の青い目、鼻筋の通った端正な顔立ちをしています。
被毛の特徴
バリニーズの被毛はシャムと異なります。体に密着して生えており、長毛と言われていますが短めのセミロングといったイメージです。シルクのように柔らかな手触りをしており、シッポも羽飾りのようにフサフサの長い毛で覆われています。
被毛パターンは、耳、口周り、尻尾、四肢に色がついているポインテッドのみです。
色がついている部分は、ブラックやチョコレート、ブルーやライラックなどのカラーが認められています。
猫のバリニーズ、性格は?
性格
甘えん坊で人懐っこい
警戒心も持ち合わせている
甘えん坊で少々ワガママ
バリニーズの性格は甘えん坊で少々ワガママながら愛情深く、あまり人見知りをしません。
知的で、とても活発なため、遊ぶことが大好きです。よく鳴きますが、鳴き声もさほど大きくありません。スキンシップが好きで、飼い主さんと寄り添っていたい傾向が強い猫です。
警戒心も持ち合わせている
少々神経質な一面も持ちあわせており、初めて会う人には警戒心から一定の距離で接することもあります。慣れてくれば友好的になります。
容姿はシャムに似ていますが、性格はシャムよりも全体的に穏やかだといわれています。そのため、小さな子供がいる家庭でも飼育しやすい猫と言えます。
猫のバリニーズ、寿命は?気を付けたい病気は?
寿命
10〜13年
バリニーズの平均寿命は、10〜13年といわれています。一般的に猫の寿命は15年程なので、平均よりやや短いといえますね。
長生きの秘訣は運動量を充分に確保できる環境を整え、肥満などの生活習慣病にならないように気をつけてあげることです。
高タンパク・低カロリーのエサを与え、細身で筋肉質な体型を保てるようにしてあげましょう。
病気
進行性網膜萎縮症
糖尿病
リンパ腫
バリニーズが気を付けたい病気には「進行性網膜萎縮症」「糖尿病」「リンパ腫」などがあります。
シャムと同じく、加齢に伴い発症する遺伝性の疾患を多く持っています。もちろん個体差がありますので「健康診断をしっかり受けること」「ブラッシングの際に普段と変わりがないか確認すること」などで、異変を早い段階で見つけてあげることが大切です。
進行性網膜萎縮症
物や形を認識するために必要な膜が薄くなることで、失明へ至る目の病気です。初期症状は暗い環境での視力低下が見られます。昼間は問題なく目が見えるため気付きにくい特徴があります。
「暗闇を怖がるようになった」「暗闇だと反応が遅くなった」といった様子が見られる場合はすぐに病院へ行きましょう。
糖尿病
血流中の糖分が増えてしまう病気で、私たち人間でも馴染みのある病気ですね。
きちんと食事療法を行えば、将来的にインスリン投与をしなくて済むこともありますので、飼い主さんの食事管理が重要になります。
リンパ腫
リンパ球と呼ばれる細胞がガン化してしまう病気で、体の様々な箇所で発症します。
全ての猫に発症する可能性がありますが、中でもシャム系の猫は他の猫よりも発症する確率が高い傾向にあると言われています。
猫のバリニーズ、飼い方は?
運動できる環境
触られたくない場所には鍵を
長時間のお留守番は避ける
定期的な被毛のお手入れ
食事・キャットフード
運動できる環境
活発な性格なので、運動ができる環境を用意してあげて下さい。高いところへ登ることが好きなので、キャットタワーを設置してあげるよ喜びます。
触られたくない場所には鍵を
バリニーズは賢く手先が器用なので、戸や鍵を開けてしまうことが多々あります。壊れ物を閉まっている戸棚にはロックをかけるなど、家の中で安全に過ごせるよう環境を整えてあげてくださいね。
長時間のお留守番は避ける
飼い主に甘えん坊なバリニーズにとって、長時間のお留守番はストレスを溜めてしまいます。なるべく一緒にいる時間を作るようにしてくださいね。
どうしても長いお留守番をさせてしまいがちの方は、他の猫や犬などの動物と一緒に飼育することも検討してみて下さい。
定期的な被毛のお手入れ
バリニーズは長い毛をしているものの、シングルコートで抜け毛が少ないのでお手入れは難しくありません。
定期的にブラッシングやコーミングを取り入れ、埃や汚れを取り除いてあげましょう。お手入れは愛猫とのスキンシップにもなりますよ。
食事・キャットフード
細身の体をキープするために、餌のあげ過ぎには注意してください。ロングヘアーの艶を保つためにも、栄養のバランスに気をつけて食べさせてあげてください。
おすすめは原材料の一番最初に「チキン」や「サーモン」など、動物性タンパク質が表記されているキャットフードを選ぶことです。
「穀物」など炭水化物がかかれているキャットフードはオススメできません。
猫のバリニーズ、オススメのキャットフードは?
キャットフードをメインで与えたい場合は、「総合栄養食」と表示されているキャットフードを選びましょう。
これは水と一緒に与えるだけで、健康が維持できるキャットフードのことです。選ぶ際は原材料を必ず確認しましょう。
手作り食をメインで与えたい場合は、「一般食」と表示されているキャットフードがおすすめです。
いわば「おかず」のようなものであり、トッピングとして利用することで手軽に栄養を追加することができます。
フードを選ぶときのポイントは?
バリニーズは、長毛種のシャム猫に似た猫種であり、活発で社交的な性格を持つことで知られています。バリニーズの健康を維持するためには、栄養バランスの取れた高品質なキャットフードを与えることが重要です。
バリニーズにおすすめのキャットフードは、以下のような特徴を持つものを候補にしてみてください。
動物性タンパク質源に注目!
バリニーズは活発な性格を持ち、エネルギー消費量が高いため、高タンパク質のフードが適しています。
肉や魚などの動物性タンパク源が主原料となっているフードを選ぶと良いでしょう。
ビタミンとミネラル
バリニーズの健康を維持するためには、必要なビタミンとミネラルをバランスよく摂取できるフードが適しています。
フードの成分表を確認し、必要な栄養素が含まれていることを確認しましょう。
無添加かつ自然派食材を使っていること
可能な限り合成保存料や人工添加物が含まれていない、自然食材を使用したキャットフードがおすすめです。
バリニーズの健康を保つためには、添加物の使用が最小限に抑えられたフードを選ぶことが重要になります。
日本では希少な猫
いかがでしたでしょうか?
バリニーズは、日本では希少な猫のため、国内でブリーダーを探すのは難しいかもしれません。
見つからない場合は、海外のブリーダーを探してみてください。直接コンタクトをしたほうが費用は抑えられますが、不安な場合は仲介業者を通す方法もあります。インターネットで情報収集をしてみてくださいね。