猫も、人間と同じようにくしゃみをします。
風邪を引いたときや鼻がムズムズするときなどにくしゃみをすることがありますが、くしゃみが止まらない場合や鼻水を伴う場合、何日も止まらない場合は病気の疑いもあります。
この記事では猫のくしゃみから考えられる病気に関してまとめました。
目次
猫のくしゃみ、正常と異常の見分け方は?
連続するか
何日も止まらないか
鼻水を伴う
鼻出血を伴う
顔の様子に変化がある
正常なくしゃみのポイント
くしゃみは鼻腔内に侵入した異物やホコリを取り除こうとして起こる生理現象です。猫の場合、首を左右に高速でひねりながらくしゃみをします。1日に数回する程度のくしゃみは全く問題ありませんよ。
病気によるくしゃみのポイント
生理現象のくしゃみは問題ありませんが、病気の場合は治療が必要です。異常を見分けるポイントは、「連続する」「何日も止まらない」「鼻水も伴う」の3つです。
さらに、食欲の低下や目ヤニなどの症状が伴うと病気の可能性は高いので、動物病院を受診してくださいね。
くしゃみの原因を詳しく調べるための方法
血液検査
X線検査
様子を観察して病気が原因だと考えられる場合は、病院で「血液検査」「X線検査」の検査を行うことでより詳しく原因を調べることもできます。
血液検査は猫風邪かどうかだけでなく、アレルギーであるかどうかも検査することができますよ。費用は20000円ほどです。
X線検査は鼻腔内をレントゲンで検査するので、鼻炎や副鼻腔炎かどうかがわかります。費用はレントゲン1枚で3~4000円ほどです。
猫のくしゃみから考えられる病気1.「鼻炎」
水っぽい鼻水
「室内の乾燥」や「煙やガスの吸い込み」「アレルギー」「ウイルスの感染」が原因で発症する鼻炎は、くしゃみとさらさらとした水っぽい鼻水が出てくるのが代表的な症状です。
症状が重くなると、膿の様な粘ついた鼻水に変化してきますよ。また、鼻水により鼻がつまり息苦しそうな呼吸をすることもあります。他にも、匂いが嗅げないため食欲が落ちてしまう猫ちゃんもいます。
軽度な場合では自然治癒することもありますが、感染症の場合では肺炎に進行することがあります。また、軽度であっても慢性化することが多く、他の呼吸器ウイルス感染と合併してしまうことがありますよ。
食物アレルギーを対策するために
人間と同じで、猫も食物アレルギーを発症します。
アレルギー対策のためにも、普段食べているキャットフードやおやつにどのようなものが含まれているかを事前に調べておくことが大切ですよ。
猫のアレルギー対策について詳しく知りたい方はこちら
猫のくしゃみから考えられる病気2.「副鼻腔炎」
鼻水
鼻筋の炎症
鼻詰まり
鼻の奥にある「副鼻腔」が炎症を起こす副鼻腔炎は「くしゃみ」「鼻水」「鼻筋が炎症により盛り上がる」「鼻がつまり息苦しそう」などの症状があります。
鼻炎から併発することが多いので、鼻炎の症状が出たらすぐに病院へ連れて行くことが得策です。
猫のくしゃみから考えられる病気3.「猫クラミジア感染症」
目ヤニによる結膜炎
呼吸器系の炎症
くしゃみや鼻水に合わせて、目ヤニがたくさん出てくることが特徴的な猫クラミジア感染症。症状が重たくなると目ヤニからくる結膜炎や、呼吸器系の炎症を起こします。
まれにですが、猫クラミジア感染症は猫から人へも感染するため「人獣共通感染症」ともよばれています。特に生後1年未満の子猫がかかりやすく、すでに感染している猫から感染することが1番多いです。
とにかく感染力が強いので多頭飼いをしている場合、1匹が感染すると全ての猫と飼い主さんが一気に感染する恐れもあります。呼吸器系の病気から死に至ることもある重い病気なので十分に注意が必要ですよ。
猫のくしゃみから考えられる病気4.「猫ウイルス性鼻気管炎」
くしゃみや咳
鼻水
目の充血
発熱
涙や目ヤニの頻発
これらの症状が症状が見られたら、猫ウイルス性鼻気管炎の疑いがあります。重症化すると、角膜炎や結膜炎といった目の病気や鼻炎を引き起こす場合もあります。
猫ウイルス性鼻気管炎を引き起こすウイルスは感染力が強く、飼育グッズを介して感染したり、感染した猫に触れた飼い主さんの手から感染したりと感染経路も無数に存在します、くしゃみやよだれから感染することも多いですよ。
症状が目、鼻、口に出やすいので、気になる方は注意して観察してみてください。
猫のくしゃみから考えられる病気5.「猫カリシウイルス感染症」
鼻水
発熱
口内炎
くしゃみ、鼻水、発熱の症状が出る猫カリシウイルス感染症。症状が重たくなると、口内炎に伴い、食欲低下やよだれが増えてきます。
感染の原因はすでに感染している猫との接触の場合が多くあります。さらに猫カリシウイルス感染症ウイルスは感染力が強く、空気感染もします。
感染した猫に触れた人間の皮膚や衣服から感染することもあります。感染力が高いので、免疫力が十分でない生後1年未満の子猫は特にかかりやすいといわれます。
特に乾燥する冬の季節はウイルスが繁殖しやすいので注意が必要です。
猫のくしゃみから考えられる病気6.「クリプトコッカス症」
膿のような鼻水
血の混じった鼻水
運動失調
視神経炎や網膜剥離
クリプトコッカス症の症状としては、くしゃみのほかにも上記のようなものがあります。また、呼吸器系に影響が出ることによりいびきをかき始めることもあります。
症状が重くなると中枢神経系に影響をおよぼし、痙攣(けいれん)や運動失調を起こしたり、視神経炎や網膜剥離といった目の病気を引き起こしたりします。
クリプトコッカスウイルスは「ハトの糞」に多く存在しているため、主な感染経路がハトの糞で汚染された「土」や「空気」です。
人間や犬にも感染する病気なので、室内飼いや多頭飼いをしている方は特に注意をしてくださいね。
猫のくしゃみから考えられる病気7.「猫エイズウイルス感染症」
風邪や下痢
リンパ節の晴れ
少し厄介な猫エイズウイルス感染症。原因は、交尾や喧嘩による体液からの感染です。特に、唾液を介した感染が多いですが、エイズウイルス自体は感染力が低く、空気感染や飼育グッズを介しての感染はないとされています。
症状は、感染後「急性期」「無症状キャリア期」「エイズ発症期」と3段階に別れて症状が出てきます。まず、急性期が1ヶ月~1年間続きます。風邪や下痢、リンパ節の腫れが主な症状です。
次に、無症状キャリア期が5年ほど、長い場合は10年ほど続きます。この時期は、症状が治ったと思うくらい、目立った症状が何も出ません。ただ、ウイルスは体の中でリンパ球を破壊し続けています。
最後のエイズ発症期では、歯周辺の炎症や口内炎、よだれが止まらない、口臭が気になるなど多くの症状が出てきます。風邪や下痢、嘔吐が頻繁に見られます。
他にも免疫力が落ち、ダニが原因で皮膚炎を発症したり、肺炎やガンに感染したりしてしまいます。
くしゃみは兆候!大事なのは病気対策
紹介した病気の中には、子猫のうちからきちんと予防接種をすることで防げる病気もあります。
他にも、飼育環境を清潔に保ってあげることや、猫自体を綺麗にしてあげることなど、人間の病気対策と変わらないことを猫にもしてあげてください。
たかがくしゃみと軽く考えていたら思わぬ病気にかかっていた、ということもありえます。毎日、猫の状態をよく見て健康管理をきちんとしてあげてくださいね。万が一に備えて保険加入を検討するのも選択のひとつですよ。