垂れ耳の猫は個性的で愛きょうがあり可愛いですよね。垂れ耳ファンの方も多くいらっしゃいます。
しかし垂れ耳の猫は今後いなくなるかもしれないといわれています。知って驚く方、なぜと疑問に思う方は多いです。
この記事では、垂れ耳の猫種、垂れ耳の種類がいなくなる理由について紹介しています。
垂れ耳の猫の特徴は?
垂れ耳とは、小さな耳がペタンと前方に折れ曲がっていることを指します。基本的にはずっと曲がっていますが、成長につれ垂れ耳が立ち上がることもありますよ。
ただし垂れ耳だと、耳の中は通気性が悪く菌が繁殖しやすいので、耳ダニへの注意が必要です。
垂れ耳の種類
シングルフォールド
ダブルフォールド
トリプルフォールド
耳の垂れ具合は個体により少しずつ違っていて、大きく3つに分けられます。
シングルフォールド
シングルフォールドは一番軽い折れ方です。耳の穴が覆いかぶさるほどの曲がり具合ではないので、通気性は悪くないです。
ダブルフォールド
シングルフォールドよりもしっかり垂れていると「ダブルフォールド」と呼ばれます。
耳が頭に付くくらい垂れているので、耳の通気性は悪いです。病気にかからないように飼い主さんが日頃から耳掃除してあげる必要があります。
トリプルフォールド
トリプルフォールドだと、耳すべてが頭にくっついてしまいます。ダブルフォールド同様、通気性が悪く日々の耳掃除が欠かせません。
垂れ耳の猫は遺伝に問題が?今後いなくなる?
垂れ耳になる理由
遺伝的な骨の異常
遺伝的な軟骨の異常により耳が折れ曲ります。
軟骨以外の関節に異常が起きることも考えられ、鼻に発症すると鼻血を出しやすくなります。また、足の関節に発症するとコブができて関節をうまく曲げられなくなったり、神経を圧迫し痛みを感じたりすることがあります。
さらに骨の異常から、内臓疾患や耳の疾患、聴覚の問題に繋がるとも考えられています。
垂れ耳を無くそうとする動き
リチャード・マリク氏の発表
2017年、シドニー大学の獣医内科専門家「リチャード・マリク」博士は「スコティッシュフォールドが骨軟骨異形成症を発症する遺伝子に関する研究」を発表しました。有名誌であるタイムズ紙に対し、スコティッシュフォールドは病気の状態を留めさせている品種で、繁殖させるのは「残酷」で「倫理的に弁解の余地がない」とリチャード氏は語り、大きく取り上げられました。
スコットランド動物虐待防止協会の要請
スコットランド動物虐待防止協会(SSPCA)はスコットランド自治政府にスコティッシュフォールドの繁殖を禁止させるよう求めていますが、今のところ繁殖は禁止、制限されていません。
愛護団体の声を受けスコットランド政府はスコティッシュフォールドの繁殖問題について今考えています。
血統登録団体の動き
英国の血統登録団体の育猫管理評議会(GCCF)は1970年代、耳の疾患や聴覚問題の懸念から、スコティッシュフォールドの登録を認めていません。
その後英国ではスコティッシュフォールドの人気は衰え、GCCFは現在でも登録を禁止しています。
ただし他団体では登録可能です。
ブリーダーの意見
繁殖禁止の声に対し、ブリーダーの間では反論があがっています。「厳選して繁殖すれば骨病変の問題は解決する」「垂れ耳の猫種における健康上の問題数は他の品種と変わらない」という意見がありますよ。
垂れ耳の猫の今後
今のところ垂れ耳の描種の繁殖は禁止・制限されていません。
しかし猫の健康面を尊重し、垂れ耳をなくそうとする流れが強まるかもしれません。そうなれば垂れ耳の猫はいなくなってしまいます。
垂れ耳を持つ猫:スコティッシュフォールド
描種 | スコティッシュフォールド |
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性格 | おっとり、穏やか |
特徴 | 小さな垂れ耳、丸い顔 |
値段 | 10万円前後 |
スコティッシュフォールドといえば垂れ耳が特徴的です。
垂れ耳の他にもまんまるの顔や瞳、ずんぐりむっくりの体といった愛らしい要素が満載で、日本人好みな見た目が大人気です。
足を床にべったりつけ前向きに態勢を起こした、独特の座り方は「スコ座り」といわれています。可愛い一方で、この座り方をしてしまうのは骨が異常にやわらかいからといわれています。
今後、垂れ耳は骨の病気であるという考えから、繁殖が禁止制限され頭数が減る可能性が指摘されています。
スコティッシュフォールドについての詳しい記事はこちらです。
垂れ耳を持つ猫:スコマンチ
描種 | スコマンチ |
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性格 | 好奇心旺盛、臆病 |
特徴 | 短い脚 |
値段 | 15~35万円前後 |
垂れ耳のマンチカンはスコティッシュフォールドとのミックス猫で「スコマンチ」と呼ばれます。スコマンチはマンチカンの短い脚とスコティッシュの垂れ耳を受け継いでいて、それぞれの可愛いところを併せ持った猫です。
スコマンチについての詳しい記事はこちらです。
愛らしいけど……
垂れ耳はとっても魅力的ですが、同時に病気の危険性もあります。
スコティッシュフォールドの繁殖を禁止すべきかは意見が別れています。スコティッシュフォールドの耳のこと、種ごとなくなってしまうかもしれないことについて、皆さんも将来の猫のために一度考えてみてくださいね。