猫は気ままな生き物で、基本的には飼い主さんから自立した行動をとります。しかし、中には困ってしまうくらい甘えん坊な猫がいます。愛猫を甘え猫に育てることはできるのでしょうか?
この記事では、猫が甘える理由や甘えん坊に育てるコツをまとめました。
甘えん坊はオス猫に多い
オスはメスの気をひくためのアピール能力に長けているため、オス猫の方が甘えん坊になりやすいといわれています。
去勢したオスの場合、生殖活動のためにメスを求めることはなくなりますが、飼い主にご飯や遊びをねだるために、甘えるようになることも多いです。
また、早くに去勢すると精神的に成熟することがなく、子猫の気分が大人になっても残っていて甘えん坊になりやすいともいわれています。
猫が甘えん坊になるときの気持ちは?目的はある?
猫は「甘えると要求が通る」ことを覚えると、自分の望みを叶えるために飼い主につきまとい、困ってしまうくらい頻繁に甘えてくるようになります。
「遊んでほしい」「ごはんが欲しい」「なでて欲しい」といった明確な意思を伝えるために甘えてくるならまだ良いのですが、飼い主が家にいるときずっとつきまとう行為は困りものですよね。
猫のしつけは犬と異なり、その場で叱っても長期的に見るとおすすめできる方法とは言えません。甘えん坊な猫とうまく付き合う方法について、ご紹介しますね。
甘え猫とうまく距離を取る方法
猫が甘えてくるまま要求に応じ続けていると、わがまま猫になってしまいます。つらいかもしれませんが、自立心を持たせるためにも適度な距離を取ることは大切です。具体的な方法は以下を参考にしてくださいね。
猫が安心できる場所を作ってあげる
まず、猫だけの安心できる場所を作ってあげることから始めます。2〜3段のケージや、外出用キャリーケースを利用するのがおすすめです。
猫は暗いところや狭いところを好むので、人通りが多い部屋ではなく、家の中でもリビングや廊下に近いところは避け、人通りが少ない角部屋や洗面所などにおいてあげてください。
猫が運動できるキャットタワーを設置してあげる
猫は縦移動を好む動物なので、キャットタワーや高い棚などを利用して、室内でも動き回れるようにしてあげてください。
猫は高いところに上りたがるのですが、高い所から飼い主やテリトリーを見下ろして状況把握をしたいという気持ちがあります。
特に、同居犬や小さな子供が居る家庭の場合、だれにも邪魔されず、周囲の行動を見ていられるような場所を作ってあげると愛猫の気持ちを満たしてあげることができます。
猫のストレスの原因に気をつける
猫は繊細な生き物で、少しの変化が大きなストレスになります。部屋の模様替えをしたり、食事用の器を変えたりするだけでも猫には違和感が大きいのです。
トイレやキャットタワーなどの場所を変えるとなると、もう一大事です。猫がどうしても気に入ってくれず、生活に支障が出るという場合以外は、一度決めた場所を変えないようにしてあげてください。
やむを得ずトイレの場所を変えるなど、しつけに関するポイントは関連記事を参考にしてくださいね。
ごはんや遊ぶ時間に規則性を持たせて、習慣化させる
ごはんの時間、遊ぶ時間、相手をしない時間など、時間を決めてメリハリのある生活を心がけます。遊ばない時間を決めたら、どんなに猫がアピールしてきても無視します。
何か作業をしているときに邪魔をしてきたら、小さく「後で遊ぼうね」というように声を掛けながらケージに戻すか、膝の上から降ろすようにします。遊ぶと決めた時間以外は極力関わらないようにすることが大切ですよ。
中途半端にやっても意味がないので、心を鬼にしてやり通してくださいね。すぐに習慣が変わるわけではありませんが、猫も徐々に学習してくれますよ。
一方で、遊ぶときはたっぷり遊んであげてくださいね。メリハリをつけるのが目的なので、手を変え品を変え、猫を満足させてあげてください。猫用のおもちゃを使うのもおすすめですよ。
猫の甘えん坊が続くときは病気の可能性も
もし、数週間にわたり自立を促しても変化が見られない場合は「分離不安症」の可能性があります。分離不安症は、飼い主が留守になり、ひとりになってしまうことに対し強い不安を感じ、その不安やストレスを物にぶつけたり、自分自身を傷つけたりすることで紛らわせるようとする精神的な病です。
対策としては、以下のようなものが挙げられます。
・ケージ内を猫のテリトリーにして、基本的にケージ内で過ごさせる
・毎日決まった時間に遊んであげる
・外出するときは、猫を刺激しないように静かに外出する
・帰宅して猫がすり寄ってきても、構ってあげるのは猫の興奮が冷めてからにする
・多頭飼いをして、飼い主がいない間の寂しさを紛らわせてあげる
飼い主が部屋から出るときに急に甘えてくる行為が目立つときは、動物病院で獣医に診てもらってください。