家族のように大切なペットが亡くなった時、多くの飼い主さんが深い悲しみに襲われます。「ペットロス症候群」とはペットを失ったことからくる「喪失感」や「虚無感」の総称です。ペットを飼っている飼い主さんなら誰でも起こりうることです。
この記事では、ペットロス症候群について、その症状や対策、立ち直る3つの克服法をまとめました。
目次
ペットロス症候群とは?意味は?
愛するペットとの別れに伴う「喪失感」や「虚無感」
またそれらが飼い主に引き起こす、様々な疾患や心身の症状に対する総称
「ペットロス症候群」とは愛するペットが死別したり行方不明になったりと、飼い主の側からいなくなった時に飼い主に起こる様々な疾患や心身の症状のことをいいます。
家族のように生活し癒されてきたペットを失ったときのショックは大きく、主に心に症状があらわれやすいといわれています。
主に老衰や病気、安楽死、尊厳死などの「死別」がペットロス症候群を引き起こす原因ですが、「生き別れ」によって発症してしまうケースもあります。
ペットロス症候群、症状は?
深く落ち込む
自分や獣医を責める
喪失感や罪悪感
やる気がでない
疲労感
不眠、食欲不振
ペットロス症候群では、「深く落ち込む」「自分や獣医を責める」「喪失感や罪悪感」「やる気がでない」「疲労感」「不眠、食欲不振」などの症状があらわれます。
愛情を注いできた家族の一員を失い深く落ち込むことは当然ですよね。
あまりのショックから「うつ病」を患ってしまう方もいるほど、飼い主さんにとっては深刻な問題なのです。何も特別な病気ではなく、ペットを愛する飼い主さんなら誰しも起こりうる症状なのです。
ペットロス症候群になってしまう理由は?ペットの特徴も関係している?
ペットロス症候群になる理由は人それぞれですが、ペットの特徴が大きく関係しています。
人間の場合、成長し大人になれば独り立ちしますが、犬は何歳になろうと自分で生活していくことはできません。結果として、亡くなるまで飼い主無しでは生きていけないのです。
いつまでも自分を1番に頼って愛してくれる子供のような存在が、いつの間にか自分より年を取り、突然いなくなってしまうのですからその辛さは相当なものですよね。
ペットロス症候群の対策は?
人間よりも寿命が短いことを理解しておく
同じ愛犬家・愛猫家の友達をつくる
ペットの寿命は人間よりも短いので、一般的に飼い主さんよりも先に亡くなります。
そのことを事前にしっかりと理解して「飼い主としての最後の仕事はペットを見送ることだ」と覚悟しておくと、ペットロス症候群から立ち直りやすいです。
また、愛犬家・愛猫家の友達を作っておくと日々気がねなく悲しみを打ち明けることができるので、「ペットロス症候群」にかかったとしても症状は緩和することができますよ。
ペットロス症候群、3つの克服法とは?
飼い主さんの中にはビジネスパーソンもいれば学生、専業主婦など様々な方がいます。ペットロス症候群だからといって、日常生活を停止させるわけにはいきませんよね。
ペットロス症候群は、事前に予期しておくことで症状を和らげることが可能です。ペットロス症候群にかかってしまった場合でも、以下にあるような克服法にご参考に心の整理をされることをオススメします。
1.事実を受け止める
2.ゆっくりと休む
3.新しいペットを飼う
ペットロス症候群の克服法1. 「事実を受け止める」
突然、愛するペットがいなくなってしまった時、事実を受け入れることができるでしょうか。
多くの飼い主さんの場合、「どこかで生きている」「いつか帰ってくる」と思い込むことで現実受け入れないようにする自己防衛反応が起きてしまいます。特に、最後を看取れなかった飼い主さんに多くみられるといいます。「ペットロス症候群」を長く引きずってしまうケースのひとつです。
死別の場合、ペットが亡くなってしまった事実を受け止めることがもっとも大切です。
「お葬式をしてきちんとお別れを告げる」
「感情を抑えずに泣く」
「思い出を家族や友人と語り合う」
「思い出の物を飾る」
「写真をアルバムに整理する」
「同様な経験をしている人と話をする」
「掲示板などを活用する」
が一般的に飼い主さんの心を落ち着かせてくれるといいます。
「お墓や霊園にお骨を預けていつでもお参りできるようにする」「遺骨や毛をカプセルに入れてペンダントを作成する」「そっくりなぬいぐるみを作成する」「新しいペットを飼う」など、中には亡くなったペットを忘れないようにすることでペットロス症候群を乗り越える方もいます。
辛いことですが、ペットロス症候群を克服するには「ペットはもう帰ってこない」という事実を受け入れることが大切です。
ある飼い主さんは葬儀や遺品整理などをする中で、徐々に現実を受け入れられたといいます。深い悲しみや後悔など色々な感情が湧き上がるのは、それだけペットと過ごした日々がかけがえのない大切なものである証拠です。
同じようにペットを亡くした経験のある人と話をしたり、掲示板などで辛い気持ちを分かち合ったりすると、心が軽くなったりすることもあります。
ペットのいなくなった事実を「愛犬との素晴らしい思い出」として整理することができれば、ペットのいない生活を少しずつ前向きに歩んでいくことができますよ。
ペットロス症候群の克服法2. 「ゆっくりと休む」
あまりの悲しさから、無理に他の物事に没頭してペットのことを忘れようとする方もいます。一時的には忘れられるかもしれませんが、悲しみの根本的な解決にはなかなかつながりづらいことも事実です。
心が穏やかではないまま無理に外出したり、何かに頑張りすぎたりすると体調を崩すこともあります。
何か熱中するものができても、いつかはまたペットのことを思い出すタイミングは訪れてしまうものです。
そんな時は、悲しい現実に目をそらさずに、悲しい時は悲しい分だけ思い切り悲しむことも大切です。
もしペットのことが忘れられず、仕事にも手につかない状況であれば、思い切ってお休みをとることがおすすめです。ペットがいなくなった事実としっかり向き合うためにも、ゆっくり休める時間を作ってくださいね。
ペットロス症候群の克服法3. 「新しいペットを飼う」
最近では大切なペットを亡くした後、すぐに新しいペットを迎える飼い主さんも増えています。
「一度経験した悲しみをまた味わいたくない」と新しくペットを飼うことをためらう方もいますが、「あの子にしてあげられなかったことをしてあげたい」という気持ちをもつ方も多いです。
大切なことは飼い主さんの気持ちにあっているかどうかです。無理に新しいペットを飼って、気持ちを紛らわせることでは、飼い主さんの気持ちを落ち着かせることは難しいです。ただ「ペットロス症候群」を克服する方法のひとつとして、新しいペットを飼って愛情を注ぐことが有効な場合もありますよ。
よく耳にする「虹の橋」とは?
犬や猫をはじめとしたペットが亡くなってしまった時に、虹の橋に向かうという表現をよくみかけます。「虹の橋」とは、作者不詳の詩の中に出てくる、飼っていたペットとその飼い主が再びめぐり合う場所のことです。
亡くなった最愛のペットたちは、虹の橋のふもとで幸せに暮らしながら、大好きな飼い主がやってくるのを待っています。そしていつの日か再会し、一緒に虹の橋を渡って行くというような内容になっています。
ひとりで抱えないように悩みは相談する
ペットを大切にしている方ほどペットロス症候群になりやすく、克服までの時間も長くかかる傾向があります。
決してひとりで克服しようとせず、同じ経験をした人や気持ちを分け合える友人に気持ちをシェアすることも心の支えになります。
長引く場合はカウンセリングや精神科を受診し、医師に相談することもおすすめします。