プニプニとした感触の気持ちよさや見た目の可愛らしさから、猫の体でも注目される肉球は、実は大事なパーツです。色々な役割を担っており、猫の生活を支えていますよ。
この記事では猫の肉球について、役割やケアの方法などについてまとめました。
猫の肉球は何の役割がある?
猫の肉球は分厚くなった角質層におおわれており、ぷにゅぷにゅとした独特の感触があります。角質層の下には脂肪を含んだ弾性繊維が網目状になっています。
クッションの役割
猫の肉球には歩くときや高いところから降りるとき、飛び移るときに足の裏にかかる衝撃をやわらげる働きがあります。狩りをする際、獲物に近づく際に気づかれてしまわないよう、足音を消せるのも肉球のおかげです。爪を引っ込め、クッション代わりの肉球を地面に接地させて歩くことで、獲物に静かに近づくことができるのです。
滑り止めの役割
生まれたての子猫は柔らかくてつるつるの肉球をしていますが、成長の過程で違いが出てきます。室内飼いの猫は、フローリングなどの滑らかな面で滑らずに歩けるよう柔らかくつるつるのままです。一方で、室内飼いではない猫や野良猫は、アスファルトなどのザラザラした面でもしっかり歩けるよう、硬くザラザラした肉球になりますよ。
センサーの役割
猫にかぎらず動物の足の裏に毛が生えていないのは、安全に歩くためです。毛の生えていない肉球が地面に触れることで、地面の状態がよりダイレクトに伝わってくるため、障害物があっても足元の異変を素早く察知して、避けることができるのです。
体温調節の役割
実は猫には、肉球にしか汗腺(汗が出る腺)がありません。暑いときや身体を動かしたとき、緊張したときには肉球のまわりに汗をかき、体温を下げようとします。汗をかいて肉球をしっとりさせることで、歩く時のクッションや滑り止めとしての働きがより向上するメリットもあります。
物をつかむ役割
前足で細かな動きを行うときにも肉球は役に立ちます。肉球と肉球の間を広げることでエサやオモチャを掴み、しっかりホールドして拾い上げることができるのです。
顔のお手入れ道具の役割
猫は基本的に自らの毛並みを舐めてお手入れしますが、顔を舐めることは難しいため、肉球を使って汚れを取ります。肉球を舐めて湿らせ、その肉球で顔をこすることでキレイにします。体を清潔に保つためにも、肉球は大切な役割を担っています。
猫の肉球、ケアの方法は?
肉球にはたくさんの役割があり、猫にとっては大事なパーツです。肉球の状態が悪くなることは猫の健康状態にも影響しますので、定期的にケアしてあげましょう。
猫は土足で歩き回るのでどうしても足が汚れてきます。定期的にウエットシートなどで拭いてあげ、汚れをとってあげてください。
また、長毛種の猫の場合、肉球の間の毛が伸びると滑り止めの役割が効かなくなり、猫がフローリングで滑って思わぬ事故につながる原因になります。定期的にカットしてあげてくださいね。
肉球から読み取れる病気のサイン
肉球は、被毛に覆われていない数少ない部分であり、病気のサインが現れやすい場所でもあります。
例えば、猫に熱がある場合は、肉球も熱くなります。また、普段ピンク色の肉球を持つ猫の場合、肉球の色がいつもより薄ければ貧血が疑われます。
肉球からはおおよその病気の原因がわかることがありますが、症状の特定が難しい場合は、動物病院を受診してくださいね。