くしゃみや鼻水、ひどい時には呼吸困難を招くアレルギー症状ですが、犬が原因でおこるアレルギーを「犬アレルギー」といいます。
犬アレルギーには様々な原因がありますよ。
この記事では犬アレルギーの原因についてまとめました。
犬アレルギーって何?
犬アレルギーとは、犬から出るアレルゲン(アレルギーの原因となるもの)によりアレルギー反応が現れる事をいいます。アレルギー反応とは、体内に入ってきた異物を免疫細胞が過剰に反応する事でおこり、何をアレルゲンとするかは人によって様々です。
アレルギー発症には、「先天的因子」と「後天的因子」「環境因子」の3つの原因があげられます。
先天的因子とは、いわゆる遺伝のことです。アレルギーが子どもに遺伝する確立は両親共にアレルギーの場合で50%です。
後天的因子には、生活スタイルや食生活、ストレスなどがあり、免疫力の低下によりアレルギー症状が発症します。
環境因子は、アレルゲンの量に関わりがあり、アレルゲンとの接触時間が長いと発症しやすい傾向にあります。
犬を飼っている方が犬アレルギーになる場合としては環境因子が一番大きいといえますよ。
人の犬アレルギー、原因は?
アレルギーの原因となる物質をアレルゲンといいます。アレルギーはこのアレルゲンを排除するために、免疫細胞であるマクロファージが過剰に反応する事でおこります。
犬アレルギーと感じている方でも犬の被毛自体ではなく、被毛についているゴミや花粉、ハウスダストなどが原因で発症する場合があります。この場合のアレルギーは犬アレルギーではありませんよ。
犬アレルギーの原因であるアレルゲンにはCanf1からCanf7までの7種類があります。どの物質でアレルギー反応が現れるかは人によって様々です。
Canf1
Canf1は皮脂腺から分泌されるリポカリンという物質から構成されています。犬アレルギーの52%がこの物質に対して抗体を持っていて、被毛やフケ、唾液中に多く存在しています。非常に小さくホコリなどの微粒子に付着し空気中を漂うため、簡単に拡散してしまいます。
Canf2
Canf2もCanf1と同じリポカリンという物質から構成されています。Canf2に反応を示す人の多くは、ネコ(Feld4)、ウマ(Equc1)、ウシ(Bosd2、Bosd5)などにも反応します。
Canf3
Canf3はアルブミンという物質から構成されています。この物質は血清中に多く含まれています。
Canf4
Canf4は脂質輸送タンパクという物質から構成されています。犬のフケに多く含まれる物質で、犬アレルギーの35%がこの物質に反応します。
Canf5
Canf5はアルギニンエステラーゼという物質から構成されています。この物質はおもに尿中に多く含まれます。
Canf6
Canf6はCanf1やCanf2とは別のリポカリンという物質から構成されています。
Canf7
Canf7はNPC2という物質から構成されています。この物質は2016年に発見さました。
アレルギー検査をするのがおすすめ!
犬の毛に付着したフケなどが原因の場合、お手入れで対処できますが、尿や唾液に含まれているアレルゲンには対応できません。
犬アレルギーになりにくい犬種というのは抜け毛が少ないという意味でしかないので、必ずアレルギーにならないわけではありませんよ。
家族として始めて犬を迎える場合、アレルギー検査を行いアレルギーの有無を調べるのがおすすめですよ。