ドッグレースは、20世紀初頭のアメリカで始まったギャンブルです。現在も世界各地で行われているドッグレースですが、日本ではあまり知られていません。
今回は、ドッグレースの歴史や現状について詳しくご紹介します。
ドッグレースの歴史は?
世界最初のドッグレースは、1909年にアメリカのユタ州でギャンブルとして開催されました。ドッグレースを考案したのは、O.Pスミスというアメリカ人です。スミスはレールの上を走る模型のウサギを開発し、模型を操ることでグレイハウンドに追わせ、スピードを競わせました。
初の開催以降、ドッグレースの人気は徐々に高まっていきますが、考案者のスミスは1927年に死去しました。その後、ドッグレースの運営はスミスの共同経営者であり、アル・カポネのビジネスパートナーでもあったエドワード・J・オヘアに引き継がれます。1927年には、イギリスで初めてのドッグレースが開催されました。その6年後の1933年には、現在も経営が続いているイギリス最古のドッグレース場「Walthamstow Dog Stadium」が誕生しました。
ドッグレースはどこでできる?グレイハウンドが活躍?
ドッグレースは、現在もアメリカの一部の州とメキシコ、オーストラリア、マカオなどで開催されています。レースを走る主な犬は、世界最速の犬種とされるグレイハウンドが有名です。
ドッグレースは1周400m程度のトラックで行われることがほとんどですが、グレイハウンドはこのトラックを20秒台後半で走り切ります。一度に出走する犬は、6匹から多くて9匹程度で、観客はどの犬が勝つかを予想してチケットを購入するのです。
イギリスのレースの場合、チケットの種類は1着を予想するwinのほか、1着と2着を順位込みで予想するforecastなど、全部で5種類の予想方法があります。日本の競馬の勝敗予想に近い仕組みです。テーマパークなどでは、賭博を伴わないドッグレースが開催されることもありますよ。
ドッグレースが抱える課題
ドッグレースは、アメリカで庶民に人気の娯楽として流行しました。現在は当時ほどの人気はありません。
現在のアメリカでは50ある州の中、43もの州でドッグレースを禁止しています。ドッグレースは犬にとって過酷な競技であり、その残酷性を問題視するが増えており、現在大半の州でレースの開催を法律で禁止しているのです。
レースに出場するグレイハウンドなどは走るのが好きな犬種ですが、全速力でトラックを走れば転倒して大ケガをしたり、大きな負担によって足に障害を抱えたりする可能性があります。満足に走れなくなった犬はレースに出られなくなり、処分されてしまうこともあります。
現代ではドッグレースの他にも、手軽に楽しめる娯楽があふれています。近年の動物愛護に対する関心の高まりもあり、相対的に娯楽としてのドッグレース人気は低迷傾向です。イギリスにおけるドッグレースでも、収益の大半を占めるのはレース場に併設されたレストランやケータリングの売上となっているのが現状です。
ドッグレースの様子は、様々な動画サイトなどで確認できます。興味がある方は、公開されている動画や、関連するホームページなどをチェックしてみてくださいね。