【動物保護団体インタビュー】NPO法人 smile catさんを取材しました!

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今回は、大田区を中心に活動をしている、NPO法人smile catさんを取材しました。

今回取材した方

青木さん
今回取材したのは、「NPO法人smile cat」の「青木希美江」さんです。保護団体の代表を務めています。とても朗らかで、明るい方でした。

青木さんは、個人で活動していた時から換算して、保護活動歴が、約21年になるそうで、大変長く活動されています。2003年から個人で活動をはじめ、外で暮らしているねこちゃんのごはんをあげたり、TNR活動、啓発活動などをされていました。シェルターを始めたのは2010年からになります。

活動のきっかけ

青木さんは、シェルターを始める前に保護活動をしている人と合同でフリーマーケットを行ったそうです。その方の知り合いの保護ボランティアさんから、「ねこちゃんを保護したいけど保護ができない」という相談を受けたそうです。青木さんは里親募集はできないけれど、ねこちゃんのお世話はできるのではないかと考えたそうです。

当時青木さんのお父様が自営業で仕事をしていたガレージがあり、その半分を貸してもらい、シェルターが始まったそうです。当時は25平米くらいの広さのシェルターで11匹〜13匹保護していたそうです。

保護場所が足りないボランティアさんのために奮闘されています。

保護団体について

シェルターの外観

スタッフの数

スタッフさんの数は、代表の青木さんを含め3人で運営しています。

1人は青木さんが不在の際にシェルターをお世話している方、もう1人は譲渡会のポスターなどを作成しているそうです。

全体で10名ほどいるそうですが、実働できる人数は3人だそうです。

猫の数

保護されているねこちゃんの数は20匹だそうです。保護されているねこちゃんは年齢が様々で、生後10か月から18歳くらいの高齢のねこちゃんも保護されています。

活動の拠点

活動の拠点はシェルターのある、東京都大田区になります。

譲渡会などはシェルター内で行っているそうです。保護活動などは大田区内や近郊で行っています。

保護活動について

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活動内容

保護しているねこちゃんのお世話をメインに行い、そのほかには譲渡会などの開催もしています。譲渡会は毎月1回第3土曜日に行っています。

その他、保護相談、飼育相談、大田区内でTNR活動をされています。また、TNRで使用する捕獲機の貸し出しも行っているそうです。

活動をしていてうれしかったこと

活動をしていてうれしかったことは、猫が里子に行って幸せになることだそうです。

NPO法人smile catさんでは、里親の条件として連絡することが決まりになっているそうで、SNSに定期的に写真を里親さんに載せてもらい、様子を確認しているそうです。里子に行った後も確認するのはねこちゃんを想ってのことで、とても素晴らしいですね。

ちなみに、今まで100匹以上は譲渡しているとのことです。

活動をしていて大変だったこと

活動をするうえで、人間関係で悩むことがあったそうです。「ねこちゃんを幸せにする」という目的はみんな一緒ですが、その道のりや方法が微妙にずれることで対立してしまうことがあるそうです。

対して、ねこちゃんのお世話は大変だと思ったことがなく、治療中のねこちゃんのケアも大変とは思わなかったそうです。以前、排泄補助が必要なねこちゃんがいたそうですが、その子に対しても大変とは思わず、ただ腱鞘炎になったくらいだったと笑顔でお話しされていました。

活動をするうえで大切にしていること

青木さんが活動をするうえで大切にしていることは人とねこちゃんの気持ちに寄り添うことだそうです。

対人では、相手の気持ちを理解できるよう、いろいろな会話をしながらコミュニケーションを取り、話しやすい雰囲気を心掛けているそうです。
また、里親さん候補の方とお話しするときには、保護猫の一生に関わることなので、じっくりとお話をしているそうです。

ねこちゃんに対しては、表情、態度、雰囲気を見てその子がどうしてほしいか探るようにして接しているそうです。ねこちゃんがかまってほしい時なども気持ちを無下にせず、コントロールしながら接しています。ねこちゃんは意外と表情が豊かだと青木さんは言います。もしねこちゃんと接する機会があれば表情をみてみるのもおすすめですよ。

記憶に残っている出来事

記憶に残っているねこちゃんの話を2つしてくださいました。

FIPで虹の橋を渡ったねこちゃんの話

当時、ものすごく猫が増えてしまった現場で、とても人懐っこいねこちゃんを保護したそうです。ですが、様子がおかしく、動物病院へ連れていくとFIP(猫伝染性腹膜炎)だったそうです。また、胸水もたまっていました。ですが、その時は抜ける胸水が少なく、次の日に抜く予定だったそうです。ですが、胸水を抜く一晩前に残念ながら亡くなってしまいました。青木さんは一晩苦しめてしまったことがとても心残りだとおっしゃっていました。現在ではFIPの治療薬がありましたが、当時はなかったので対処できなかったそうです。

ツンデレゆきちくんの話

ゆきちくんは2014年にWキャリア(猫エイズ、猫白血病陽性)のため、事務所ねことして保護されました。2021年に青木さんは以前住んでいた所から大田区に引っ越しをしたそうです。大田区での初オープンは2月22日13:00だったそうで、その10分後にお店のオープンを見届けて亡くなったそうです。当時、ゆきちくんには肝臓性の腫瘍もあり、腹水もあったそうです。青木さんはゆきちくんに守られている感じがして、今でも記憶に残っているとおっ
しゃっていました。

余談ですが、その前日に青木さんが泊まり込みで睡眠をとっているときに触られることが嫌いなゆきちくんが体に寄り添ってくれたそうです。いつもシャーシャーでパンチばかりしていたのでとてもうれしかったとお話しされていました。

青木さんの信念

青木さんは動物を看取るときは全部腕の中で看取るようにしているそうです。
なぜそのようにしているのかというと、以前飼っていたゴールデンレトリバーが動物病院で亡くなり、看取ることができなかったことを後悔しているようで、そこから看取るようにしているそうです。腕の中で看取るということは亡くなったことを認識するだけでなく、腕の中が安心で安全だと思っていてほしい、安心して旅立ってほしいという思いがあるそうです。

これからについて

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ボランティアを始めたい人に向けて

年齢性別関係なく様々な人と話すことが大切とおっしゃっていました。保護団体には様々な人がいて、ボランティア同士の認識のずれもあります。その際にしっかり話し合いができるようにならなければなりません。対話するスキルも必要とお話しされていました。また、場合によっては自分が折れなければ円滑に活動ができないこともある可能性があります。自分の意見だけでなく、周囲の意見もしっかり受け止めることが大切です。

趣味を持つことも大切だとおっしゃっていました。活動と関係ない人とかかわりを持つことで、狭くなりがちな視野を広く保つことができます。活動をしている人、一般の人の気持ちや考えを自分自身の中で理解できるようになります。また、趣味を持つことで自分自身を保つこともできます。ボランティアは嗜好が偏りがちで内にこもりがちになってしまうそうです。自分自身を見失わないようにすることが大切だとおっしゃっていました。

今後について

ねこちゃんをもっと知ってもらう

もっとねこちゃんのことを知ってもらうことに力を入れていきたいと考えているそうです。動物保護は表面的な情報が広がっている中、現状はもっと大変なものです。ねこちゃんに対して正しく知ってもらいたいという気持ちがあるそうです。

小学校での講演

また、青木さんは小学校でねこちゃんについて講演をしてみたいそうです。外ねこの活動をしていた際に、子どもにねこちゃんのことを教えていたそうです。その際に、子どもの教育がとても大切だと思ったとおっしゃっていました。最近では飼育小屋が撤去されている傾向があります。そのため、改めて動物のことを学べる機会を大人たちが準備する必要性があるかもしれませんね。

NPO法人 smile catの情報

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