アメリカで消防のマスコットとして親しまれているダルメシアンは、白地に黒の模様が特徴的な犬種です。
聡明な性格で友好的なダルメシアンは、外向的で遊び好きな一面もありますよ。
この記事では、ダルメシアンの性格や特徴、子犬の価格、迎え入れる際の注意点などについてまとめました。
目次
ダルメシアンの基本情報
歴史
ダルメシアンはヨーロッパの多くの国で存在が確認されているにもかかわらず、正確な祖先はよくわかっていません。
番犬や狩猟犬・牧羊犬・軍用犬としてだけでなく、ビクトリア王朝時代のイギリスでは馬車に伴走する犬としても大いに重宝されていました。
自動車の登場により仕事の場は減っていきましたが、当時まだ馬が引いていた消防車に伴走する犬としても活躍。現在でもアメリカの消防署ではマスコットとして扱われていますよ。
体の特徴
ダルメシアンは、「水玉模様(スポット)」「並外れた体力」「筋肉質な体つき」「ビロードのような手触りの被毛」が特徴的な犬種です。
大きさと毛色
ダルメシアンは体高54~61cm、体重24~32kgほどで大型犬に分類されます。オスの方がやや大きくなりますが、さほど変わりません。
毛色は2色あり、斑点がレバー色の毛色を「レバー・スポット・バラエティー」、斑点が黒の毛色を「ブラック・スポット・バラエティー」として認められています。
ダルメシアンの性格
愛情深い
好奇心旺盛
活発で遊び好き
警戒心が強い
ダルメシアンの性格は、「愛情深い」「好奇心旺盛」「活発で遊び好き」「警戒心が強い」などです。
女の子は慈愛に溢れた性格をしており、おもちゃを子犬に見立てて懸命に世話を焼くこともありますよ。
走ることや動き回ることが大好きなので、小さいお子さんがいるご家庭はケガに気を付けましょう。
家族には愛情をもって接しますが、家族以外の人間や初めて会った動物には警戒心を強く見せることがあります。
ダルメシアンの迎え入れ
この項目では、ダルメシアンの迎え入れにかかる費用と迎え入れ先について紹介します。
迎え入れ費用
20万~45万円
ダルメシアンの子犬の迎え入れ費用は、20万~45万円です。
「黒いブチ模様のバランス」「性別」「両親のコンテストでの成績」などによっては、迎え入れ費用に差が出ることもありますよ。
迎え入れ先
ペットショップで扱われていることは少ないため、ブリーダーや里親制度を利用しての迎え入れが基本となります。
ダルメシアンの飼育環境の準備
飼育するために準備しておくもの
飼育スペース・ケージ
食器類・床材
首輪やリード・おもちゃ
ドッグフードとおやつ
トイレ用品
ケア用品
動物病院
ダルメシアンとの生活をより快適なものにするために、「飼育スペース・ケージ」「食器類・床材」「首輪やリード・おもちゃ」「ドッグフードとおやつ」「トイレ用品」「ケア用品」「動物病院」などの生活用品や準備を揃えておきましょう。
飼い主さん家族とのコミュニケーションが欠かせない性格なので、室内飼育が理想的です。
飼育スペース・ケージ
快適に過ごせるスペースを確保します。サークルは十分な広さを確保できるもので、犬用のベッドやケージ・クレートを用意しましょう。クレートとは箱状の家のようなものであり、犬にとって寝床となったり安心できるものになります。移動するときにも使え、病院へ連れて行くときや災害による避難の際にも活躍します。
愛玩動物看護師 渡邉鈴子さん
クレートは普段から慣れさせておくことで、スムーズに動物病院へ連れていくことが可能です。クレートを動物病院へ行くときにしか使用していないと、クレート=動物病院という認識になってしまいます。普段から使用することで防ぐことが可能です。
食器類・床材
ご飯を食べる時に必要な食器を用意しましょう。水のみ用のボウルとフードのためのボウルを別々に準備してあげてください。食器類を選ぶ際は「耐久性はあるか」「滑りにくくないか」「大きさは適切か」といったことを目安に探してみてください。床材についてはすべりにくい材質のものを選び、思わぬ転倒を防ぐために用意しておくと良いでしょう。
首輪やリード・おもちゃ
散歩や運動をするときのために、首輪やリード・ハーネスを準備しましょう。首輪は頑丈な革タイプがおすすめです。遊ぶためのおもちゃや知育玩具なども用意しておくと、遊びを通して良好な関係性を築くことができますよ。
ドッグフードとおやつ
健康管理のため、年齢に適した高品質の犬用のドッグフードを用意しましょう。初めて犬を飼育する方は、水と餌だけで栄養が賄える「総合栄養食」と書かれたドッグフードを用意するといいですね。飼育に応じて適切な量を与えるようにしてください。絶対に必要というわけではないですが、おやつも同時に用意しておくといいですね。しつけトレーニングの際に「ご褒美」として利用できますよ。
トイレ用品
屋内で飼育する際は、排泄物を処理するための犬用のトイレトレーを用意します。また、トイレトレーニングのために新聞紙やトレーニングパッドも役立ちますので、一緒に揃えておくといいですね。
ケア用品
健康と衛生を保つために、犬用のシャンプーやブラシ、爪切り、歯磨きセットなどのケア用品を用意します。
動物病院
何かあった際や健康管理のために、かかりつけの動物病院も見つけておくと安心です。獣医師の診察や予防接種、必要な薬やサプリメントなどを考慮し予算を立てておくのもいいですね。
ダルメシアンの食事
犬を飼育されている飼い主さんのほとんどは、ドッグフードを与えています。
ドッグフードを選べ際は、「総合栄養食」と記載されているドッグフードを選びましょう。
これは水とドッグフードだけで健康が維持できるドッグフードです。食物アレルギーの子の場合は「グレインフリー」表示のあるドッグフードを選びましょう。原材料表示の主原料が「肉類」であることが望ましいですよ。
手作り食を与えたいと考えている方は、「一般食」と記載されているフードがおすすめです。いわば「おかず」のようなものであり、手軽にトッピングとして栄養を追加することができます。
食事量
基本は、普段与えているドッグフードのパッケージ裏面に記載されている量を与えるようにしましょう。
ただ、体重の換算表は愛犬が「理想体型」であることが前提なので、太っている子や痩せている子の場合は調整が必要になります。
子犬やシニア犬の場合も体調に合わせて量を変えましょう。
ごはんを食べない・・・どうすればいい?
ご飯を食べない場合はいくつかの理由があり、主に「好みの味ではない・形状が気に入らない」「体調不良や季節による食欲の低下」「食器や環境が気に入らない」「ストレスが溜まっている」「病気」などが挙げられます。
この場合は、以下の方法を取り入れてみてくださいね。
トッピングをしてみる
まずはドッグフードにササミなどをトッピングして与えてみて、食欲が改善されるかを確認してみてください。新鮮な生肉を原材料に利用しているドッグフードに切り替えるのも手ですよ。
フードを食べやすくする
食べづらさが原因の場合は、飼い主さんがひと手間加えてあげましょう。ドライフードであれば、ぬるま湯でふやかして香りを立たせるのも手です。ニオイで食欲を刺激することができます。
粒が大きいようであれば砕いてあげるのもいいでしょう。ウェットタイプとドライタイプを組み合わせれば嗜好性が高まり、また水分も一緒に摂取することができます。
食器や環境を変えてみる
食器や食事の場所が関係する場合は、これらを変えるようにしてみましょう。フードを入れる容器や水飲み場を食事しやすい食器に変更したり、落ち着いて食べられるスペースを確保してあげるといいかもしれません。
ストレスを抱えている場合もあるので、たくさん遊んだり散歩の時間を増やしてストレスを発散させてみるのもオススメです。
動物病院で診てもらう
食べない原因が病気の可能性もあります。食べたくても、食べられないのかもしれません。ぐったりしている、元気がないといった様子が見られるようであれば、かかりつけの動物病院で診てもらいましょう。
ダルメシアンの散歩の頻度
1日2回それぞれ60分程度の散歩に加え、自転車などによる引き運動をおこなうようにします。
馬車に伴走して何時間も走っていた歴史があり、豊富な運動量を必要とする犬種だからです。
休みの日にはドッグランに行ったり、ボール遊びをするのもおすすめですよ。
ダルメシアンのしつけ
しつけで大切なことは、飼い主がリーダーであるという関係性を理解してもらうことです。
この関係性が崩れてしまうと、立場が逆転してしまい手に負えなくなってしまうことがあるからです。
ダルメシアンのお手入れ
お手入れについて
ブラッシング
シャンプー
耳掃除
爪切り
歯磨き
短毛種だからお手入れは楽だと勘違いしている人も多いですが、ダルメシアンは抜け毛の多い犬種です。
そのためこまめにブラッシングを行った方がいいでしょう。
普段のケアが不十分だと皮膚病の原因にもなるので、季節の変わり目や換毛期にはしっかりと抜け毛ケアをしてあげてください。
耳の中も専用のクリーナーを使って綺麗にしましょう。ダルメシアンはたれ耳で通気性が悪いので、汚れが溜まりやすいですよ。
愛玩動物看護師 渡邉鈴子さん
日々のお手入れが自宅で行うのが難しい場合は動物病院やトリミングサロンなどにお任せすることも視野にいれるといいでしょう。
ダルメシアンの寿命・病気
寿命
10~13年
ダルメシアンの寿命は10~13年で、大型犬の中では長生きする犬種です。
病気
尿路結石
緑内障
難聴
飼育する上で気をつけたい病気としては「尿路結石」「緑内障」「難聴」などがあります。
ダルメシアンは遺伝的に「難聴」となりやすい犬種です。
「聞こえてないかも」と不安を感じたら、動物病院で診てもらいましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
この記事では、ダルメシアンの飼い方について紹介しました。
ダルメシアンはとても活発な性格なので、定期的にドッグランを利用しておもいっきり運動させましょう。
昔から馬車馬と一緒に走るぐらいのスタミナがあり、動くことが好きな犬種です。
走ることへの欲求が満たされないと「いたずら」「やんちゃ」になって、手が付けられなくなるかもしれません。
ストレスを溜めないよう気を付けてあげてくださいね。
不安や疑問はプロの力を借りることもオススメですよ。
すでに飼育している、これから飼育を考えている皆様のお役に立てる情報があれば幸いです。